藤田真司の気象予報士塾は、気象予報士試験合格をトコトン応援する通信型の塾(予備校)です。

【対談】ほぼゼロから始めて10か月で気象予報士試験に合格した理由


対談

藤田真司の気象予報士塾を受講された柏山自夢さんは、2022年(令和4年)8月に行われた第58回気象予報士試験で合格を勝ち獲られました。 柏山さんからのご提案で、藤田真司との対談シリーズ第三弾が実現しました。(第一弾の加賀屋さんの対談はこちら。第二弾の川口さんとの対談はこちら。
スピード合格のために欠かせない効率的な受験勉強を実現させた秘訣などについて、2人で語り合った内容を以下にご紹介します。


■塾の教材だけを徹底的に学び尽くした10か月間

藤田:第58回試験での合格おめでとうございます。入塾されたのが2021年10月29日で、試験日が2022年8月21日ですから、実質的な勉強期間はわずか約10か月間でのスピード合格ということになります。入塾される前に、気象予報士試験の勉強をされていたのですか?

柏山さん(以下敬称略):いえ、気象の知識がほぼ無い状態で始めたので、受験勉強では藤田塾の教材しか使っていないですね。弁護士の山口真由さんが書かれた『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』という本は、1冊の教科書を徹底的に学び尽くすという内容ですが、自分も同じようにやってみようかなと。

藤田:熱心に当塾の教材をご活用下さり、ありがとうございます。数多くの教材に手を出して、どれも中途半端になってしまうことをよく耳にします。教材の「浮気」をせず、1つの教材を徹底的にやりこむことは大切ですね。ちなみに、当塾では実技試験の対策として「過去7~8年の問題について完全理解できること」を当面の目標としてお勧めしています。

柏山:僕の場合、「完全」とまではいかなかったですが、過去7~8年の問題については全て9割以上を達成しました。この段階になると、75分よりも短い時間で解けるようになっていました。

藤田:試験直前で特に力を入れておられたことはありますか?

柏山:それまでの演習で「間違いやすい部分」が炙り出されたので、それをA4用紙1枚にまとめていました。気象予報士試験って単純暗記が必要な部分はそれほど多くないですよね。滅多に出ないような天気記号などを除けば、A4用紙1枚に収まるかなと。時間が少し空いたときに、この紙を取り出して確認するようにしていました。

藤田:必要な範囲に絞って重点的に取り組まれることは、実に大切ですね。



■「勉強しなかった日」を作らない。

藤田:勉強開始から約10か月での超スピード合格を勝ち獲られたわけですが、期間が短いぶんだけ、日々の勉強量はかなりハードだったと思います。お仕事と並行しながら受験勉強を進められた秘訣をお伺いしたいですね。

柏山:今の部署では出張が無く、規則的な勤務ですので、勉強のペースを作りやすかった点で有利だったと思います。あと、僕は離島を旅行するのが好きなのですが、受験勉強を始めてから旅行は封印して勉強に集中しました。友達とメシや音楽ライブに行く回数も減らしましたね。

藤田:「旅行断ち」までしての受験勉強は大変だったと思いますが、短期合格で早期に島巡りの旅を再開できて良かったですね。

柏山:受験期間中は「勉強をしなかった日」はほとんど無かったです。正確に言うと、2日間だけ勉強しない日がありましたけど。

藤田:勉強しなかった日が記憶に残っているくらいレアだったのですね。それは、休むことでエンジンが冷えてしまうことを心配されたのですか?

柏山:そうですね。僕は勉強にブランクができてしまうと、再開するのが苦手なんです。だから、仕事で疲れていても、「講義動画だけは見よう。」と心がけました。

藤田:ネット講義ですので、再生速度を速めることもできますしね。

柏山:ただ、オーバーワークにならないようにも気を配っていました。プライベートの中で「寝る・食事・風呂以外は勉強」というのが10だとして、「全く勉強しない」というのが0だとすれば、7か8くらいで走り続けるような感覚ですね。

藤田:確かに、あまり禁欲的に頑張りすぎると、勉強を続けるのがしんどくなりますね。

柏山:宿泊を伴う旅行だと、旅先で勉強できないと思ったので、旅行は我慢しました。でも、友達との食事やライブの回数もゼロにしなかったのは、息抜きも大事だと思ったからですね。



■解説教材を活用して、問題の全体像を掴む。

藤田:当塾の教材を、どんなスタイルで活用されていたのですか?

柏山:通勤するときは音声講義を聴いていましたね。

藤田:都会の通勤電車の中って騒々しいと思いますが、講義の聞こえ具合はいかがですか?

柏山:ノイズキャンセリング機能の付いたヘッドホンを使っていたんです。外からの音が聞こえないくらいの静寂性なので、講義もよく聞こえましたよ。

藤田:やっぱり機能的な勉強道具は大切ですね。

柏山:音声だけの受講は通勤時だけで、普段は映像講義を見ていました。僕は第57回試験で学科2科に合格したのですが、正直なところ、専門知識試験はギリギリで受かったと感じていたのです。なので、関係する学科試験の知識が不足していると感じた部分は、実技対策として講義動画を見ながら復習していました。例えば、専門知識コースの「防災気象情報」の単元とかですね。

藤田:それは実技対策で大切なことですね。学科試験の合否には運の要素もありますので、言い方は悪いですが、実力以上の結果が出ることもあります。もちろん、運も実力のうちと言えるのですが、実技試験と関連する知識に抜けがあると、実技試験の勉強が上手く進まない原因になります。実技試験の勉強のためにも、学科試験の範囲の復習は重要ですね。

柏山:あと、実技試験の勉強を進めるうえで、オプションの解説教材は受けたほうが良いですね。受験勉強の進み方が全然違います。

藤田:仰るとおりだと思います。私が提唱する「過去問題の徹底理解」を達成するためには、最初の時点で解説講義を受けられることで、一通りの解法を学んでしまわれたほうが効率的ですね。もちろん、「実技試験対策講座」を受講されれば、全ての過去問題についてのご質問や答案添削は無料で承っています。ただ、問題全体を理解するうえで、質疑応答を延々と繰り返されるよりも、「解説講義で全体をつかむ」→「残った疑問だけを質問する」という手法を採られたほうが、時間的・労力的にもパフォーマンスが良いのは明らかですね。



■勉強の成果を記録することで、足跡を可視化する。

藤田:実技試験の過去問題演習ではどんなところに力を入れておられましたか?

柏山:2回目以降の過去問題演習では、必ず以前の答案と見比べて、同じ間違いをしていないか、チェックしていました。

藤田:それはとても重要なことです。実力アップは「解けなかった問題が解けるようになること」によってのみ達成できます。そこで大切なのは「課題の炙り出し」と「炙り出された課題の解決」ですね。

柏山:炙り出された課題が多いほど成績の伸びしろは大きく、解決できた課題が多いほど実力が高まるということですね。

藤田:ご指摘のとおりです。この点を踏まえないまま、単に力任せに演習を進めると、「同じ箇所で間違いを繰り返し続ける」といったことが起こってしまいます。

柏山:問題演習が充実してくると、制限時間以内で解けるようになってくるのですが、時間が余った場合も、75分間をフルに使って見直し・確認をするようにしていました。

藤田:ん? 早く解き終われば、その時点で切り上げて、答え合わせをする受験生も多いと思います。敢えて制限時間いっぱいを使うというのは、ムダな時間のようにも思えますが、どういった意図があったのですか?

柏山:これはですね、本試験で75分という時間に全力投球できるようにするためのトレーニングなのです。75分間にわたって頭をフル回転できるように、ということです。

藤田:おおー! それは気が付かなかった視点ですね。本番のことを考えて、「75分間を全力で走りきる」ことに、頭を慣らしていたということなのですね。
勉強を進めるうえで、他に気を付けておられたことはありますか?

柏山:毎日の勉強の記録を付けていたことですね。あ、ちょっとこれ見て下さい。(と言ってノートパソコンの画面を見せる。)どの過去問題の演習をしたか、どの講義動画を見たか、といったことを書いています。

藤田:学習の足跡を可視化することで、効率的な勉強につながっているのですね。



■個別サポートの徹底活用で、実力に磨きをかける。

藤田:柏山さんは、当塾の個別サポートも積極的にご利用下さいました。一般→専門→実技という流れで勉強を進めていかれる中、約10か月間でお送りになったメールは約250通に上ります。だいたい同じ時間帯にメールを送ってこられるので、「そろそろ柏山さんからのメールが届く頃だな」と感づくようになりましたよ。(笑)

柏山:出勤前を受験勉強に充てていて、家を出るタイミングでメールを送っていたからですね。「解く」→「マル付けする」→「動画見る」→「やり直す」という流れの後で、その日の勉強で出てきた疑問点などを送っていました。

藤田:その日の勉強で生じた疑問や答案を、小刻みに解決していかれることが大切なのですね。もし、間違った思考過程や誤解した知識を抱えたまま、問題演習を進めていると、同じパターンの問題で必ず躓くことになってしまいます。

柏山:間違った問題をやり直すところまで完結させたうえで、1日の勉強を終えるようにしていました。そうすることで、自分の中で知識が定着したような感じがしたのですね。

藤田:いいですね~!

柏山:僕のやり方が正しいかどうか分からないですが、この対談をお読み下さった方の中で1つでも役に立つ部分があるとうれしいです。

藤田:合格に辿り着く道筋は1つだけでは無いですからね。他の方々の合格体験記にも、受験勉強に役立つエピソードがたくさんあります。

柏山:ちなみに、合格体験記に「メールの返信が早い」ってよく書いてあるじゃないですか。僕もそれを実感したことがあります。添削依頼メールを送った後、トイレに行ったんですよ。それでトイレから戻ってきたら、もう添削結果が返ってきている。「何じゃこれは!」って感じで・・・(笑)。

藤田:たまたま、すぐに回答できるタイミングだったのでしょうね。たくさんのお客様からご質問や答案添削が集中することもありますので、返信に時間を要してしまうこともありますが、少しでも早くお返しできたほうがお客様の受験勉強が効率化するので、スピードには力を入れています。

柏山:もしかして、「藤田真司の気象予報士塾」は、実は「藤田真司たちの気象予報士塾」だったりします?(笑)

藤田:いえいえ(笑)。「個別サポートを手伝っている影武者がいるのでは?」と聞かれることもあるんですが、私が1人でテキスト教材を執筆して、1人で講義を収録・編集して、1人でお客様からのご質問や答案添削に向き合っています。だからこそ、一貫した指導を差し上げることができると思っています。
ちなみに、柏山さんは、なぜ気象予報士の資格を取得しようと思われたのですか?

柏山:僕は新聞社で仕事をしていて、かつては競馬記事の記者をしていました。競馬って天気とすごく関係があるんですよ。気象を勉強することで、記事を書くときに他の記者とは違う視点が得られるかなと思ったんです。今は記者の仕事では無いですが、将来的に異動したときにも、気象予報士資格が役に立つのではないかと考えました。

藤田:「気象予報士」といいますと、テレビなどのキャスターのお仕事を思い浮かべる方が多く、マスメディアの世界に身を置くお客様も多数おられます。一方で、就職や転職を目指すのではなく、今のお仕事を強化するために、気象予報士試験の勉強をされる方も多いですね。
今回の資格取得が柏山さんの今後のお仕事にきっと役立つと確信しています。

対談

●対談を終えて、柏山自夢さんからのメッセージ
受験勉強を振り返ると、旅行の後に写真を見返している時のような気持ちになります。それだけ、自分にとっては楽しい受験生活でした。
この1年弱、1日で一番楽しい時間といえば、先生にいただいた質問メールの返信を読んでいるときでした。「分からない」が続くと勉強はつまらないですが、逆に「分かるようになる」ことが続く勉強は、これほどまでに楽しいものだったのかと、この歳で初めて気づかされました。そのまま、自然と藤田塾に没頭していました。結果、1年前には知識ゼロだった自分が気象予報士の資格を手にしていることに、自分が一番驚いています。
受験勉強そのものだけでなく、「学ぶ楽しさ」まで教えていただいた藤田先生に、深く感謝いたします。この楽しさを1人でも多くの方に知ってもらいたい、そして藤田塾がその大きな助けになることを是非お伝えしたいと思ったのが、今回の対談をお願いしたきっかけでもありました。ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、皆様が楽しい受験勉強生活を送られ、そして合格までたどり着かれることを、心からお祈り申し上げます。


●対談を終えて、藤田真司からのメッセージ
柏山さんとお話ししていて強く感じたことは、合格という目標に向けて「何をするべきか」「何をするべきで無いか」という戦略がとても明瞭だったことです。短期合格を勝ち獲られた秘訣は、対談でご披露下さったとおりですが、闇雲に走り出すのではなく、結果を出すための仕組みを練り上げておられたことが印象的でした。そして、プランを立てられた後は、毎日ひたすら歩みを続けられたことで、合格との距離を縮めていかれました。その足跡は私のパソコンに残っている膨大なメールが物語っています。
合格を勝ち獲られた元受講生との対談記事は今回で3回目となります。対談をご提案下さった柏山さんに感謝を申し上げますとともに、この記事が受験生の皆様にとって大いに役立つことを願っております。


↑ PAGE TOP