藤田真司の気象予報士塾は、気象予報士試験合格をトコトン応援する通信型の塾(予備校)です。

平成19年度第1回・第2回試験(第28回・第29回試験)で合格された方の合格体験記

平成19年度の試験で合格された方がご厚意でお寄せ下さった合格体験記を掲載します。
受験生の皆様にとって非常に役立つ言葉が綴られています。誤字・脱字の修正を除き、原文の内容をそのまま掲載しています。当塾を受講される・されないに関わらず、時間をかけてじっくりとお読みになることをお勧めします。
なお、合格体験記に登場する肩書き・ご年齢などは、全てご執筆当時のものです。ご了承下さい。

■中井一幸さん(男性・22歳・大学生)
■藤田尚さん(男性・54歳・中学校教員)
■M.Nさん(男性・42歳・銀行員)
■加賀屋陽介さんと藤田真司の対談「気象予報士試験に合格できた私の勉強法」



■中井一幸さんの合格体験記
(男性・22歳・大学生・第29回気象予報士試験合格)


1 はじめに
前日の夜は眠れず、友人の家で一晩中TVゲームに没頭していました。
朝になり、たまらず大阪の管区気象台の掲示板を見に行きました。
掲示板の前では、今までやってきたことの結果がそこにあると思い、早く結果を見たいという期待感や来るときが来たなというような不安感などで異様に興奮していました。
結果を見たときはさすがに脚が震えました。目の前の世界が一気にひらけ、空は一段と青く見え、雲はより白く、コンクリートは相変わらず灰色だったように見えたのは今でも鮮明に覚えています。

2 きっかけ
僕がこの資格を取ろうとしたきっかけは、始めは単なる興味本位でしかありませんでした。
さらに、低い合格率が僕の競争心を刺激して試験を受けるに至りました。
しかし、一回二回と不合格をもらい自分がこの試験に対してナメていたことを実感し、去年10月から趣味や自分の時間を勉強の時間に回しました。
ちょうどそのころから僕にとってのこの予報士試験の勉強は、単なる興味本位以上の魅力を感じ、合格後はこの業界へ就職したいと思うようになりました。

3 合格までの道のり
 2006年12月:勉強開始
 2007年1月:第27回試験 学科(一般) ×  学科(専門) ×  実技 -
 2007年4月:藤田塾に入塾
 2007年8月:第28回試験 学科(一般) ×  学科(専門) ×  実技 -
 2008年1月:第29回試験 学科(一般) ○  学科(専門) ○  実技 ○ 

4 勉強方法
幸い、学生という身分上、勉強時間の捻出は十分にありました。
とはいえ2007年10月からは大学のサークル活動を休止したり、バイトのシフトを多少減らしてもらったりなど、生活習慣は以前と変わりました。
試験勉強に費やした総時間はわかりませんが、
試験前などでは一週間の勉強時間が70時間を越えることが珍しくありませんでした。
 ○学科対策
実技、学科共通して言える主な勉強は過去問演習です。
学科試験対策として具体的に、塾のテキスト、ナツメ社問題集3周、過去問(最近15回分を3~4周)を、のべ1200問をときました。
 ○実技対策
実技試験対策としては、オーム社テキストを基に、ナツメ社問題集2周、過去問(15×3)の、延べ100問強を解きました。
この3周というのはとても重要で、一週目で実技の基礎事項のカバー。
二週目で本番を意識した問題演習。そして三週目で満点を狙った解答作成。といった意味合いがあります。
また、初めて実技の問題に触れるときは、合格率に臆することなく、はじめっから合格点とったるで~くらいの意気でいいと思います。
学科に合格する力があるなら初めから5割以上は取れると思います。
 ○ ノート
過去問演習をする上で大事なことはノートを使うことです。本番用の解答用紙を使うのは3周目でいいと思います。
実技の場合、ノートの真ん中に線を縦に引いて、左に自分の解答を、右に模範解答を書きます。
こうすることで、自分の解答の何がだめだったのか、また正解の解答の言い回しを理解することが出来ます。
ここで重要なのは、自分の手で解答、模範解答をノートに余裕を持って書くことです。
空白にポイントや一口知識などを書いていきます。
学科の場合は自分の解答もそうですが、ポイントや自分にとって知らなかったこと、うるおぼえな知識などを箇条書きしていきます。
以上は僕のやり方ですが、どんなやり方であれ、使いつぶしてボロボロになった自分のノートに勝る教科書はないとおもいます。

5 藤田塾の活用法
僕はこの塾を、モチベーションを高める場として利用しました。
毎回この塾に来る度に先生や友達の顔を見て、合格したいという気持ちを高めました。
言い換えると、ここに来ることで自分に鞭を入れられるというか、渇を入れられる感じがしました。

6 使用した教材
 ○「一般気象学」東京大学出版会
   ノートとともに常に常備しバイブルとして活用。
 ○「気象予報士試験学科試験徹底攻略問題集」ナツメ社
 ○「気象予報士試験実技試験徹底攻略問題集」ナツメ社
   過去問題演習前の基礎力強化に使用。
 ○「合格の法則 気象予報士試験 実技編」 オーム社
   問題演習時、併用。かなりの情報量で重宝。
 ○「気象予報士試験 模範解答と解説 第14~28回の計15回分」東京堂出版
   過去問演習は合否の鍵を握ると言っても過言ではないと思います。
 ○「キーワードで学ぶ受験対策」東京堂出版
   最終仕上げ時、記述問題の言い回しの確認。
 ○「藤田真司テキスト」(編集者注:当塾が配布しているA4版のオリジナルプリント教材のことです。)
  徹底した過去問分析を基に膨大な情報量とわかりやすい解説はかなり重宝。

7 終わりに
気象予報士試験は合格率こそ低いものの、誰でも勉強すれば合格できるものだと確信しています。
他の国家試験よりも専門性が低く、有名が故の母数の増加がそれを低くしているのだと思います。
また、塾長の藤田先生はどんな些細な質問にもいやな顔ひとつせず、理解するまで一緒に考えてくれました。
塾生のライバルのみんなとは、時々、勉強会や飲み会、食事会などでお互い刺激しあうことができました。
藤田先生をはじめ、塾生のみんなに巡り合えたことを幸せに感じます。




■藤田尚さんの合格体験記
(男性・54歳・中学校教員・第29回気象予報士試験合格)


★動機

私は、以前「気象友の会」に入っていた。そこから毎月送られてくる「地球ウォッチャーズ」という記事で、気象予報士試験というものを知った。興味を持ち、少しは勉強したが、実技試験問題を見て一旦あきらめてしまった。約10年のブランクがあったが、再びチャレンジしてみようと思い、ネットで検索をしていたところ、ここの塾をみつけることができた。学科試験は自力で勉強して、合格したのち、実技試験対策講座だけ受講しようかとも思ったが、やはり基礎からやりなおした方がいいだろうと、学科試験講座(一般知識コース)から受けようと思い立った。入塾したのはちょうど2年前の平成18年4月だった。


★合格までの学習期間

1. 入塾前
 2月に仮入塾手続きをすませたあと、例の「一般気象学」を2ヶ月間精読した。しかし、内容は難しく、半分も理解できなかったのではないかと思う。初期のころの気象予報士試験では、ここからも出されていたように思うが、最近の試験ではその本からの出題はほとんど無いので、試験対策としては読む必要はないと思う。

2.入塾後から第27回試験まで(H18年4月からH19年1月)
 塾では、主に「気象予報士試験 徹底攻略テキスト」(ナツメ社)と、塾長オリジナルのプリントを使った講義で、説明が大変わかりやすい。授業の最後は「'気象予報士試験 徹底攻略問題集」(ナツメ社)の演習と解説で終了するものだった。塾の開講日が日曜日だったので、私の場合は、塾に行く前に1~2時間程度予習をして、塾の講義の中で、疑問点は必ず質問して解決し、帰宅後、その日のうちにノートをまとめ直し復習するというものであった。平日はほとんど勉強していなかった。6月ごろまではそのような状態が続いた。7月に入り、「気象予報士 完全合格教本」(新星出版社)という本を本屋で見つけたので、塾で使用しているテキストと平行して読みながら、解説方法の違いを利用して、理解不十分なところを補った。演習問題が不足していると思ったので、「最新気象予報士試験問題」(日東書院)を購入し、3回程度繰り返して、理解を深めた。8月の第26回試験は準備不足のため見送り、9月に入り、塾での学科試験講座の一般知識コースは終了した。
10月に入り、塾の方では専門知識コースが始まり、土日は主に、専門知識の勉強に充てた。「合格の法則 気象予報士試験 学科編」(Ohmsha)を書店で見つけ、専門知識の参考書として購入した。テキストと併せて精読した。
さて、いよいよ試験まで3ヶ月となり、学科一般試験対策として、出題された過去全ての問題をやろうと思い、「CD-ROM気象予報士試験 06」を購入した。平日、帰宅後パソコンで早速問題をやってみた。起動すると、60分のタイマーもスタートして、順番に問題がランダムに15問出てくる。3分の1程度の問題はすでに以前の問題集でやっている。答えを覚えているものもいくつかはある。しかし、試験の臨場感もあり、集中してやれた。
何度かやってみると、15問の平均正解数も出てくる。この時点で13.5問と出た。
合格最低点の11問はクリアできている。しかし、過去に何度もやっている問題ばかりだから当然だろう。11月に入り、塾で、「大気の熱力学・力学」(ナツメ社)を紹介してもらったので、早速買った。この熱力学と力学は学科一般知識の鍵とも言われる分野である。何度もやっているので、覚えているものもいくつかはあったが、意外と答えの番号は歳のせいか?覚えていなかった。2週間で全てやり終えた。正解数は熱力学が54問中49問、力学が68問中63問であった。間違えた問題のみもう一度やりなおした。12月では、苦手の法規対策にとりかかった。塾で頂いた法規の部分のプリントをもう一度ノートに書き写し、穴埋め問題を自分でいくつか作成したりして、直前の1週間前の暗記用教材にしようと考えた。このようにして、正月を迎えた。この段階で、大気の熱力学・力学で1問、法規で1問、その他で1問落としたとして、何とか12問程度は一般でとれるのではないかと予想した。そうすると、欲が出てきた。学科専門知識の方もなんとかならないかと考え、「CD-ROM気象予報士試験 06」(TIROS)にある専門知識試験の過去10回分(H13~H17年度)を全てプリントに打ち出し、冊子にして、正月を返上して、過去問を解いてみた。
このようにして、第27回試験結果は、学科一般知識が14問、専門知識が10問で、学科一般知識のみ合格となった。専門知識で間違えたところを確かめてみると、1つは、塾で頂いたプリントに載っていた内容であった。もう1つは、気象官署での1日の平均風速についての定義の問題で、これは、「合格の法則 気象予報士試験 学科編」(Ohmsha)に掲載されていた。しかし、勉強していなかった専門知識で、意外と点数がとれたことから欲が出て、次回の第28回で学科専門と実技の両方に合格してやろうと考えた。

3.第28回試験まで(H19年2月から8月まで)
実技試験対策は全くやっていなかったとはいえ、自己採点では、20点からせいぜい30点程度しかとれなかった。とくに、作図や文章表記問題は全くできなかった。
そこで、対策として、4月からの塾の実技試験対策講座で使用する「気象予報士実技試験徹底攻略問題集」(ナツメ社)、に出てくる問題と、「CD-ROM気象予報士試験 06」の実技試験10回分の解答用紙を作成することにした。実際に実技問題を解いてみると75分ではまったく時間が足りなかった。また、解説を読んでもよくわからないところが多くあった。塾の方では、専門天気図の読み方の解説や、テキストの演習が中心の内容であり、事前に予習してきた事柄の中の疑問点をよく質問した。学科試験と違い、過去問を解く時間確保が急務となった。土日以外に、平日も可能な限り実技試験問題演習に時間を割き、専門知識の復習や問題演習は、もっぱら、通勤時間帯の往復1時間で確保することとなった。6月初めまでに、「気象予報士実技試験徹底攻略問題集」(ナツメ社)、「CD-ROM気象予報士試験 06」(TIROS)の10回分(必ず時間をはかり、自己採点をする。)はひととおりやり終えたが、自己採点では、5割程度か5割を少し越えた程度で、目標の7割にはなかなか達成しない。特に前線の作図などは正解とかなりかけ離れたものであり、まさに五里霧中の状態であった。そのころ、ちょうど、塾の方で、前線の作図対策の講座があり、少し、霧が薄くなったようで、元気づけられた。6月から7月にかけて、もう一度、10回分をやってみた。2回目は、時間的には早くなり、ほとんど75分以内にやり終えることができた。しかし、前回間違えたところは、みごとに今回も間違え、ほとんど進歩がなかった。単位の付け忘れなどのケアレスミスもまったく同じ所なのだ。逆に言えば、自分の間違える傾向が分かったので、それを、次に生かせばいいと自分に言い聞かせた。
8月に入り、もう一度10回分やったが、6割から7割程度の出来であったので、ミスがなければひょっとしたら、という段階まで達したと思う。直前になり、学科専門がおろそかになっていたので、そちらの方も力をいれて、本番を迎えた。
結果は、学科専門知識の問題が半分程度しか分からず、問題の中で、仮温度という語句が出てきて、まさか専門知識の問題で学科一般知識の熱力学の用語が出てくると思わなかったので、あわててしまい、この問題も落としてしまい、結局9問で不合格となった。第27回よりも悪い結果となった。実技試験の方は、まあまあのできだったので、とても残念な結果となった。学科専門の勉強不足もあるが、過去問はしっかりやったはずだが、学科専門知識の問題が、傾向として少しずつ難しくなってきているのかもしれないと感じた。

4.第29回試験まで(H19年9月からH20年1月まで)
9月に入り、1月の試験まで5ヶ月しか無い中で、やはり学科専門試験をクリアしないといけないと思い専門知識の復習に重点を置くことにした。塾で頂いたプリントをもう一度見直し、ノートに全て書き写した。また、学科一般知識の内容で、専門知識試験や、実技試験と関係のありそうな内容のところも、何度も繰り返して復習した。特にエマグラムは実技試験にも出題されるので、何度もノートに図を写して、湿球温位や相当温位、等飽和混合比の意味などを確かめていくようにした。また、台風の予報円や、暴風警戒域、大気現象の定義、防災気象の範囲で、警報、注意報の内容など、かなり細かいところも単語カードを大きくしたものを自作してそこに書き込み、常に携帯して覚える努力をした。200枚以上できてしまい、実際には半分も覚えられなかったが。
(第29回実技2の問い4で、上記のカードで覚えた風雪注意報が出て、何とか記述できたのはラッキーなことだった。)
学科専門知識は2回とも失敗しているので、いつしか苦手意識が芽生えてしまい、学科専門だけを取り上げた本は無いものかと探していたところ、「気象予報士 かんたん合格テキスト 専門知識編」(技術評論社)が出た。10月を過ぎていたので、一通り読んだ後は、今までのテキストに載っていないところを重点的に読んでみた。このように11月までは、実技の方はほとんど手をつけていなかった。12月に入り、久しぶりに実技問題を解いてみると、得点は以前よりも下がっていて少しショックだった。しかし、少しずつ感が戻ってきて正月を迎えた。直前に、「気象予報士試験 模範解答と解説」(東京堂出版)の第26回から28回までの学科専門と実技問題、新しく出た「気象予報士 模擬試験問題 1」(朝倉書店)を解いて、試験に臨んだ。
会場は、第27回と同じ場所であり、平常心で学科専門試験に臨むことができた。今回は12問に手応えがあった。何とかクリアできた感触があった。
実技試験は、作図問題に時間を取り過ぎるなど時間配分に失敗して、最後の問題に十分時間を残すことができなかった。第29回に向けて、実技試験問題の過去問は1回ずつしか出来なかった。実技問題演習が不足したかもしれない。その後の解答速報によると、学科専門知識試験の結果は14問正解だった。専門知識合格なので、次回の30回は学科一般知識と実技試験だなということで、再び、学科一般に向けての準備をはじめ、4月からは、また、塾に再入塾しようと決意した。

5.合格発表の日
3月7日、そのときがやってきた。とりあえず、朝から職場のパソコンで検索した。すると見覚えのある番号があった。まさか、いや、これは前回のときの受験番号かもしれないぞ。よく確かめないと。ところがこの日は受験票をなんと家に置いてきてしまったので、番号を確かめようと自宅に電話した。娘が出てきて、お父さん、はがきが来ているよ。私は開けてごらんと娘に言った。娘から、「合格おめでとう」という声。「えっ。」本当に信じられない気持ちでいっぱいになった。次の日、今まで、居間に広げっぱなしの気象関連の本をきれいに片づけた。家族の理解に感謝せねばならない。


★学習時間について

1.学科試験について
塾で使用のテキストや、塾のオリジナルプリントを100%理解して、覚えることができたら、学科試験は十分合格できると思う。ところが、私の場合は、なかなか覚えることが出来ないので、もう少し、守備範囲を広げることと、さらに深く理解する意味で、他の書籍も併読して合格水準をクリアしようと考えた。学習時間は、土、日併せて5~6時間ずつ、月から金は、通勤時間中と帰宅後を合わせて1~2時間程度で週に10時間から15時間程度学習したと思う。
通勤電車の時間帯(往復約1時間)では本読みとカードを使った暗記や学科試験問題を解くのに利用した。
家では、本読みとノートによる整理とカード作成に充てた。
暗記した内容は、1ヶ月も経過するとかなり忘れてしまうが、理解したところはすぐに忘れず、応用がきく。
ちなみに、第29回試験終了後、「気象予報士試験 模範解答と解説」(東京堂出版)第28回の学科一般知識問題15問を解いたところ、9問の正解であった。もし受けていたら不合格。しかし、間違えた6問中3問は法規の問題であった。法規は1年も経つとすっかり忘れてしまうものである。

2.実技試験について
作図問題、字数制限の記述問題があるので、私の場合は解答用紙をすべて、パソコンで作成して、冊子にして数回分用意した。平成13年度以降の実技問題については、結局最低4回以上やり、それぞれ正確に時間を測ってやった。気づいたことは、作図問題も記述問題も、間違えるのはいつも同じところなのである。何回やってもほとんど進歩がないのである。ただ、解く時間は短くなり、75分以内で解けるようにはなった。
学科試験とちがって、実技試験を1回分解くためには答え合わせも含めると2時間以上かかる。だから、まとまった時間の確保が必要である。家では、仕事の持ち込みもあって、平日はあまりできないので、休日にまとめて、過去問の演習をおこなった。休日で多い日は、8時間くらいやった日もある。ただただ、家族の理解には感謝している。
さて、2年間の学習時間は、記録をとっていないので、推定だが、1000時間は越えていると思う。そのうち、過去問の演習に費やした時間は学科一般と専門で約150時間、実技で300時間程度だったと思う。


★試験の心構え

当たり前だが、集合時刻に遅れない。実は、私の場合、第27回の試験では、ぎりぎりに到着して、問題用紙が配られる直前に席についたのである。案の定、心臓がばくばくして、上がってしまい、満足に問題に取りかかれず、とりあえず出来そうな問題からとりかかった記憶がある。試験で実力を100%発揮させることは、とても重要なことなのである。時間配分をあやまると、焦ってしまい問題が手につかないこともある。特に実技試験では、時間に余裕はない。約7割が合格基準なので、とにかく自分が解ける問題を落とさないようにすることが、大切なことではないかと思う。
だから、部分点でもよいから加点につながるよう、キーワードを的確に表現出来るようにすることである。また、ケアレスミスは絶対になくすようにすることである。
第28回実技2の問6のアンサンブル予報の問題で、(1)の問題文は、「1~11に入る適切な語や数値を記入せよ。ただし、5、6、8には次ページの枠内の記号a~gから1つずつ選べ。」という設問である。このような場合、5、6、8の解答欄に先にマークをすることにより、数値で答えるような間違った答え方はしない。このように、注意を喚起させるような工夫も必要であろう。


★最新情報の入手について

最新情報については、塾の方で、先生が必ず紹介して解説してくれる。がその他の入手手段としては、「気象業務はいま 2007」(佐伯出版)、インターネットでは、「SnowDrop~独学で気象予報士をめざせ~」などで入手できる。第29回の専門知識試験の問13で猛暑日の定義の問題や、1日の時間細分用語で「明け方」の定義が出題された。


★今後について

藤田真司の気象予報士塾では、学科一般知識、専門知識、実技対策講座の全てを受講し、1年と5ヶ月もの長期間お世話になった。藤田真司塾長との出会い、多くの仲間との出会いにより、勉強を続けていく勇気と勉強に対する多くの啓示をあたえてくれたことに深く感謝している。また、日曜日ごとに塾に通うことに対する家族の理解にも感謝している。気象予報士試験は、選抜試験ではなく、資格試験である。自分の生活スタイル、年齢、能力に合った学習方法を自分で見つけ、ある一定の技量まで達成すれば、必ず合格できるものであると思う。
苦労して取った資格である。私は、このままペーパー予報士にならないよう、この資格を何かに役立てたい。日本気象予報士会関西支部では、小学生や中学生のために、出前授業「お天気講座」に気象予報士が派遣されている。このような取り組みに参加できるよう、今後も研鑽して、技量を高めていきたいと考えている。最後に藤田真司の気象予報士塾をはじめ、関西からも多くの気象予報士の合格者が誕生することを願ってやみません。




■M.Nさんの合格体験記
(男性・42歳・銀行員・第28回気象予報士試験合格)


2007年10月5日は第28回気象予報士試験合格発表の日。
この日は朝から緊張し、職場のパソコンで結果を知るまでは仕事が手につかない状態でした。
昼休憩からデスクに戻り、気象業務支援センターのHPにアクセスすると、合格者発表の文字が。
恐る恐る開けてみると、そこには自分の受験番号が・・・「ありました!」。
念のため自宅の妻に確認したところ、合格証明書が間違いなく届いており、そこでやっと「合格したんやなぁ」と実感できました。

1.合格までの道のり

 2006年8月第26回試験:学科(一般)合格
 2007年1月第27回試験:学科(専門)合格
 2007年8月第28回試験:実技合格
上記の通り、合格まで受験3回、2005年12月の勉強開始から約1年9ヶ月を費やしました。
はじめての受験では、某大手通信教育を受講し無謀にも一発合格を目指していました。
しかしながら、勉強を進めていくうちに「これは一発ではとても無理だ」と感じ、とりあえず学科合格を目標にしました。
試験の際にはろくに勉強していなかった実技も雰囲気を味わうため、だめもとで受験しましたが、やはり半分も満足に解答できず全く歯が立ちませんでした。
結局、1度目は一般知識のみの合格となりましたが、これがなければその時点で諦めていたかもしれません。
2度目の受験に向けては、1度目の受験時に専門知識の勉強もかなりやったという自負がありましたので、某実技試験専門の通信講座を受講し実技中心に勉強しました。
ところが、試験日が近づいてきた2006年末ごろに専門知識の過去問を解いてみたところ、「かなりの部分を忘れてしまっており、満足な点が取れない。」ということに気づき、それからは専門知識の復習に時間を割かざるを得なくなり、実技の勉強が中途半端となってしまいました。
結果は実技不合格。しかし、ここで最低限専門知識をクリアできたことで次につながりました。
そして3度目の受験へ向けて、実技一本で準備ができる状況ができたわけですが、今回はできれば疑問点をすぐに解決できる通学型が良いと考え、インターネットで探していたところ、この藤田真司の気象予報士塾にたどり着きました。
「講師は元キャスター、受講料もリーズナブル」に興味を持ち、直接塾長に会って説明を聞き、「この人は私のニーズに応えてくれそうだ」と思い受講を決めました。
そして約5ヶ月間20回の授業を通じて、自分のレベルの確認、不明点の即解決ができ、最終的には実技の高い壁を乗り越える事ができました。


2.受験を振り返って
私が気象予報士受験を決意したのはほんの興味本位に過ぎず、この資格を使って何かやってやろうなどという考えは露ほどもありませんでした。
また、どうせやるなら出来るだけ現在の仕事から離れたことを勉強したいということもありました(普通は逆でしょうか?)。
もしかしたら、学生時代に全然勉強をしなかった反動かもしれません。特に物理や地学は苦手でしたし。ですから、勉強することもそのために時間を捻出することにも全く苦になりませんでした。
私の延べ勉強時間に関してですが、2005年12月から2007年8月まで1年9ヶ月(約600日)、
1,000時間超といったところだと思います。こうして数字にしてみると「ようやったなぁ。」と改めて思います。
特に実技に関しては藤田塾に通学し始めてから5ヶ月で、授業の40時間を含め延べ400時間を超える時間を費やしました。
時間の捻出については、仕事柄夜遅くなることもあるため朝の時間を有効に使うことを考えました。
平日は、まず4時半に起床し、しっかり目を覚まして5時から6時までの1時間机に向かい、早めの座れる電車に乗って30分、会社近くの喫茶店で30分。これで出勤前に2時間確保できました。
それから、私の仕事は営業ですので、テキストを常に持ち歩き、移動のちょっとした時間や昼休みなどのこま切れ時間を利用しました。
これで仕事はもちろん、趣味や家庭生活を犠牲にすることなく、平日3時間を捻出できました。
休日も基本的には午前中勉強し、午後はフリーとしていました。
実技の勉強は、数多くの問題を実際に手を動かして解きまくる。これしかないと思います。
私は3度目の受験の際、4月から7月の間に授業での問題を含めて過去問7年分30問を3回づつやりました。
1回目は時間がかかっても解答を見ずに最後まで解く。2回目は時間を意識して。
3回目は60分以内に満点の解答を書くことを意識して取り組みました。
ここで注意が必要なのは、模範解答を丸暗記しないということです。
それは、問題を正しく理解し、問われたことに対してキーワードがきちんと網羅されていれば、多少表現の仕方が違っても良いということだからです。
そうしているうちに、繰り返し出てくる問題、最近の出題傾向などが自然に見えてきました。
そこまで来て、やっと合格の二文字が見えてきた感じがします。 


3.受験生の皆様へ
気象予報士試験は、個人差はあるかもしれませんが、ちょっとやそっとの勉強で合格できるほど易しいものではありません。
しかし、地道にコツコツやれば誰でも合格できる試験であるとも言えると思います。
また、何も机に向かうだけが勉強じゃないと思います。
時には気象庁のHPで天気図や解析図を見て自分なりのコメントを考えたり、天気予報の解説(NHKの夜9時台がお薦め)を見たり、予報を意識して雲を眺めて雲形を考えたり、風向と雲の流れを確認したり。
これも勉強の一環と思い、息抜きがてらにやっていました。皆さんも余裕があればやってみてください。
それと、早起きは騙されたと思って一度是非トライしてみてください。
最初の一週間はつらいかもしれませんが、早朝は何より脳も新鮮ですし、静かで集中できます。
朝の1時間は夜の3時間に匹敵すると何かで読んだこともあります。
一日が24時間であることは誰に対しても平等ですが、ちょっとした工夫によって人より長く使えるような、
何となく得をした気分になれると思います。
気象予報士試験の合格率は5%前後というのは事実ですが、受験生の中には最初の私がそうだったように準備不足の人が数多く含まれていると思います。
ですから臆することなく、ご自分に合った方法で、「自分はこれだけやったんだから」という充分な準備と自信をもって本番に臨むことができれば絶対に大丈夫だと思います。
藤田塾では、受講生のレベルに合わせて塾長が適切なアドバイスをしてくれます。
そのアドバイスを愚直に実行できれば必ず良い結果が出ると思います。要は自分がやるか、やらないかです。
誰に頼まれたわけでもなく、自分の興味のあることを自発的に勉強するわけですが、せっかく貴重なお金と時間をかけるわけですから、できるだけ短期間に効果をあげてほしいと思います。
そのために塾長を使い倒す。受講前には必ず問題を解いて疑問点を明確にし、解かるまで質問し倒す
とにかく、解からないことに起因するストレスを溜めない。受講に際してはこれが一番大切だと思います。


4.授業のテキスト・過去問題集以外で使用した参考書等
 ・学研まんが天気のひみつ 学研
 ・よくわかる気象学 ナツメ社
 ・百万人の天気教室 成山堂書店
 ・お天気の科学   森北出版
 ・一般気象学    東京大学出版会
 ・真壁京子の気象予報士試験数式攻略合格ノート 週間住宅新聞社
 ・気象予報のための天気図のみかた 東京堂出版 
 ・最新天気予報の技術  東京堂出版


5.おわりに
試験の合格は単に免許を取得したということだけで、試験用の勉強は卒業したということに過ぎません。
このまま勉強を止めてしまってはペーパー予報士へまっしぐらということになってしまいますので、今後は日常の気象は勿論ですが、地球温暖化や異常気象、防災対策に関してなど興味のある分野の勉強を通じて、日々研鑽を積んで行きたいと思います。
そして、将来的には小さな子供にお天気のことを教えてあげられるボランティア活動などができたら楽しいだろうな、などと思っています。
最後に、今後藤田塾から益々多くの合格者が輩出される事を心よりお祈り申し上げます。

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