無料メルマガ『めざせ!気象予報士・お天気キャスター』バックナンバー(第101話~第150話)
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101、合格体験記の読み方
102、気分転換としての勉強
103、理解できるから、覚えられる!勉強が楽しくなる!
104、気象会社への就職を目指す学生の皆さんへ
105、生涯学習としての気象予報士試験
106、どんな気象キャスターを目指すか。
107、長く続けるための3つの方法
108、息抜きは必要。
109、一人で進める勉強・仲間と進める勉強
110、「大気の熱力学」という山を越える。
111、興味を持つことで、知識は増える。
112、パソコンを活用した実技試験の勉強
113、「読むだけで理解できる参考書」は存在するか?
114、夏休みを基礎固めに使ってみる。
115、勉強道具にこだわる価値あり。
116、試験当日までに心得ておきたい3つのポイント
117、難しい試験だからこそ、挑戦する価値がある。
118、「サボリ」と「オーバーワーク」を避ける。
119、受験仲間を作ったほうが良い2つの理由。
120、実技試験合格のために大切なこと。
121、理数系の勉強を恐れない。
122、分かりやすい本で勉強を始める。
123、3か月続ければレベルアップ。
124、次につながる勉強を。
125、好きなものを1つ断て。
126、勉強時間を編成する。
127、最高の状態で試験に臨むための秘訣
128、第33回気象予報士試験を振り返って
129、学びたいときこそ学習適齢期
130、半年先までの学習計画を立てよう。
131、「アサベン」のすすめ
132、得意な分野で自信を付ける。
133、アクセルはゆっくり踏む。
134、仲間とともに難関試験に立ち向かおうぞ!
135、分からなくなったら基礎に戻る。
136、実技試験の勉強の進め方
137、日常生活とつながりがあるから、気象の勉強は面白い。
138、目だけでなく、耳も使う。
139、「分からないことノート」を作る。
140、成功する受験生になるために、押さえたいツボ
141、行き詰まったときはペンを動かせ。
142、試験前2週間で集中的に取り組みたいこと。
143、実技の壁が高い人と低い人
144、学習計画は逆算で立てる。
145、頑張れるための「つながり」を作る。
146、種を蒔かねば、果実は得られない。
147、勉強を携帯する。
148、体調管理も試験対策のうち。
149、数学の勉強をどこまですればよいか。
150、実技試験の勉強には集中できる長時間を用意する。
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101、合格体験記の読み方
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気象予報士試験の参考書などに、「合格体験記」が載っていることがあります。
また、ネット上で【気象予報士 体験記】などと検索してみると、
数多くの合格体験記を目にすることができます。
試験合格を目指す人にとって、合格体験記は羅針盤のようなものです。
成功者の足取りを文章で追うことで、有益な情報が得られるからです。
合格体験記を読む際には、3つのポイントがあります。
1:着眼点を決めたうえで読む。
2:納得できたものだけ受け入れれば良い。
3:読むだけでなく、実践してみるのが大切。
まず1ですが、合格体験記を漠然と読んでいるだけでは、
役立つ情報を適切に受け取ることは難しいと考えます。
どんな試験の合格体験記にも共通していることですが、
その内容は「どのように勉強して試験に合格したか」を書き綴ったもので、
ダラダラと読み続けていると、だんだん飽きてきます。
体験記を読む際には、事前に着眼点を決めておくことが大事です。
例えば、「勉強時間を捻出する方法」とか、
「勉強が上手くいかなくなったときの克服法」とか、
何かテーマを1つに絞っておくのです。
そのうえで読み進めていくと、有益なメッセージが浮かび上がってきます。
例えば、日曜日なのに、急に歯が痛くなったとき、
休日でも診察している歯科医院を探して、
近隣をウロウロと探し回ったことはありませんか?
普段は全く意識していなかった「歯科」の看板が数多く目に付いたはずです。
これは、美容院・郵便ポスト・公衆電話などでも同じです。
意識して「探そう」と思うからこそ、ハッキリと目に飛び込んでくるのです。
次に2ですが、複数の合格体験記を読むと、
勉強の仕方が数多く出てきて、混乱することがあります。
つまり、「どの人の言うことが正しいのだろう?」となるのです。
山の頂上に至るまでの道が1本とは限らないのと同じように、
合格に至るまでの適切な勉強法も1つとは限りません。
ですから、体験記の内容を「絶対的に正しい」と考える必要もありません。
読んだうえで「なるほど納得!」と思ったものだけを、採用すれば良いのです。
そういう意味では、自分と相性の良い勉強方法を見つけるために、
複数の合格体験記を読まれることをお勧めします。
最後に3ですが、合格体験記を読んだだけではダメだということです。
中には「効果的な勉強法は何か?」といったことを探し続けるだけで、
ちっとも勉強しない人がいますが、これでは合格できません。
合格体験記を読む目的は、あくまでも実践のためです。
「こういうやり方があったのか! 自分も真似してみよう!」というのが、
適切な合格体験記の活用法です。
体験記に書かれていることを実践してみることで初めて、
自分に合っているのか、そうでないのか、ということも分かります。
薬の効能書きを読むだけでは、効果が出ないのと同じです。
「ノウハウの習得」と「その実践」は、ワンセットだということです。
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102、気分転換としての勉強
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ある気象予報士の方は、受験時代を次のように振り返りました。
「仕事のストレス解消のために勉強していたようなものですよ。」
この言葉の中には、効率的な勉強を生み出すためのヒントが隠されています。
この方は、気象とは関係のない仕事をされています。
つまり、勤務時間中に行う業務内容とは全く異なる勉強を、
早朝や休日に行うことで、大いなる気分転換になったというのです。
私にも似たような経験がないかと思い出してみると、2つありました。
1つは、奈良から北海道まで自転車で1か月かけて旅をした際に、
無性に本を読みたくなったことです。
テントや寝袋などの全ての道具を自転車に積み込む必要があり、
本は一冊しか持っていくことができませんでした。
そのせいか、旅の後半になると無性に書物に目を通したくなり、
小樽から舞鶴行きのフェリーに乗る前日には、
本屋を探してウロウロしたものです。
これは、朝から晩まで自転車をこぎ続けるという生活に少し飽きてきて、
本を開き、活字を目で追うという生活に転換したい、
という欲求が出たのだと解釈しています。
そういえば、同時に「パソコンに触れたい」という欲求も出ていました。
普段の生活では、パソコンを毎日操作しながら、
「なんとしても、宗谷岬まで自転車で行ってやる」と望んでいたわけですが、
今度は逆に、「普段の生活に戻ってみるのも良いな」と感じたのです。
もう1つの経験は、気象会社に勤務していた頃のことです。
テレビ局で気象報道に携わる仕事をしていたわけですが、
勤務が終わった後は、気象と関係のないことに取り組んでいました。
古いホーロー看板の写真を撮ろうと、あちこちを散策したり、
株式投資のために本を買い込んで研究し、売買を行ったり。
街中で見かけた珍品の写真をホームページで紹介しているうちに、
雑誌(『編集会議』2005年10月号)でも、取り上げて下さいました。
もっとも、株式投資はトータルで50万円以上の損を出してしまった挙げ句、
損を取り戻すこともできず、いつしか辞めてしまいましたが。
振り返ってみると、無意識に仕事とは関係のない趣味を選択することで、
気分転換を図っていたように思います。
社会人の勉強というと、自分の仕事に関連したものを選びがちです。
おそらく、その勉強の成果は仕事には役立つでしょうが、
勉強自体は気分転換になりにくいだろうと思います。
あくまでも、意識は「業務の延長」のままだからです。
面白いもので、息抜きに専念しているうちに、
今度は本業に力を入れたくなってきます。
息抜きと本業の切り替えを行うことで、
車の両輪の如く、双方とも上手くいくのが一番良い状態ですね。
そういう意味で、理科系科目と関係のない毎日を過ごされている方こそ、
気分転換としての「気象予報士試験の勉強」をお勧めしたいと思います。
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103、理解できるから、覚えられる!勉強が楽しくなる!
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小学6年生の頃、学校で「百人一首を覚えよ」という課題が出ました。
100首の和歌がずらりと印刷されたプリントが配られ、
毎朝の授業開始前に、児童が一人ずつ覚えた短歌を暗唱していくのです。
小学生の頃の私は先生の言うことをよく聞き、まじめに勉強していましたから、
百人一首の暗唱についても、努力して取り組んだ記憶があります。
中には100首全て覚えた人もいましたが、私は半分くらいがやっとでした。
現代語と異なる表現で詠まれた和歌を暗記するのは、結構大変だったのです。
今になって、ようやく気づいたことがあります。
> 久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則
当時、この歌も必死になって唱えながら、暗記に努めていたのですが、
「光のどけき」って何だ? これは「光の/どけき」だろうな。
で、「光をどける(取り除く)」って、どういう意味だ?
などと大きな勘違いしていたことを思い出します。
> 日の光がのどかにさすこの春の日に、どうして静かな落ち着いた心もなく、
> 桜の花はあわただしく散っているのであろう。
井上宗雄『百人一首を楽しく読む』笠間書院 2003年 P,76より引用
実際には、「光のどけき」というのは、
「光がのどかな(穏やかな)」という意味だったことを、
30歳になって、ようやく気づいたというわけです。
当時、担任の先生は「百人一首を全部覚えよ」とは仰いましたが、
和歌の内容について解説していただいた記憶はありません。
古典文法の知識もない小学生に説明するのは難しいでしょうし、
「今は意味が分からなくても、とりあえず暗記しておけば、後で役立つ」
というお考えだったのでしょう。
しかし、これは勉強の仕方として、あまり良い方法とは思えません。
ものを覚える際には、何らかの「理解」があったほうが、
より効果的に覚えられるからです。
具体的には、話の筋道であったり、因果関係であったりなどです。
例えば、私は歴史の年代を「暗記」したことがありません。
語呂合わせで覚える本が出回っていますが、
それを活用した記憶もないのです。
なぜなら、自然に頭に入ったからです。
これは私の記憶力が良いからではありません。
(記憶力が良ければ、百人一首も全部覚えられたはず。)
日本の歴史に興味を持つことができ、
歴史を「流れ」として捉えることができたからこそ、
年代も自然に覚えてしまったというわけです。
歴史に興味を持つようになったのは、
家にあった、小学館の『学習まんが 日本の歴史』を読んだからです。
この考え方を古典文学に当てはめると、
まずは、マンガなど内容を分かりやすく記したものを読み、
自分なりに「わけが分かる」状態になったときに、
さらに高度な勉強に取り組むと知識や理解が深まる、と言えます。
いきなり、歴史の年表をB4版のプリントで配られ、
「これを全て暗記してくるように」と言われれば、
後に進学塾の講師として、小・中学生に歴史を教えることも無かったでしょう。
もちろん、私は「暗記教育は全て悪」と考えるわけではありません。
歯を食いしばって、暗記に努めることも必要な場合があります。
例えば、外国語を習得する際の単語学習として、
「この単語の語源はどうなっているのか?」などと最初から細かく考えると、
単語の知識を効率的に広げていくことは難しいでしょう。
また、古典文法における動詞の活用形についても、
まずは暗記してしまうことが大事だと思われます。
気象の勉強で言えば、天気図に登場する天気記号については、
覚え方のコツはあるものの、ひとまずは暗記するしかありません。
問題なのは、本来は丸暗記が不要であるにも関わらず、
そういった手段を選択している場合です。
特に、因果関係などの論理的なつながりを掴めなかった場合、
「○○は△△なのだ、と覚えておくか・・・。」となりがちです。
しかし、暗記という作業は大変ですし、
筋道が理解できていない状態での表面的な棒暗記は、
試験で役に立たないことが多いのです。
気象予報士試験の勉強は、覚えることも結構ありますが、
もっと重要なのは、内容を理解することです。
知識と知識をつなぐ架け橋の存在が見えてくれば、
試験勉強はもっと楽しくなります。
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104、気象会社への就職を目指す学生の皆さんへ
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そろそろ本格的な就職活動の時期ですが、当メルマガの読者の皆様には、
気象会社への就職を考えておられる学生の方も多いことでしょう。
かつて気象会社に身を置いた私の立場から、3点を申し上げたいと思います。
1,キャスターだけが仕事ではない。
2,気象をビジネスとして捉える。
3,資格は「熱意の大きさ」としてアピールする。
まず1ですが、テレビやラジオに出演する業務は、
気象業界全体における仕事のごく一部に過ぎないということです。
志望する会社で、どんな仕事をしているのかについては、
詳しく研究しておかれると良いでしょう。
また、予報業務に関係した仕事の場合は、
時間的に不規則な勤務もあり得るとお考え下さい。
気象状況は、人間が作った時計と関係なく動きますから、
夜中や早朝であっても、年末年始であっても、
誰かが業務を担当する必要があるわけです。
マスメディアに関係した業務についても、同じようなことが言えます。
ちなみに、私がテレビ局で仕事をしていたときは、
勤務日の半分以上が、午前3時頃の局入りでしたし、
元旦に仕事をしていたこともあります。
次に2です。
基本的なことですが、気象会社も営利を追求する組織です。
要は「儲ける」ことを、絶対に譲れない目的としています。
これは気象会社に限らず、どんな会社組織でも同じですが、
この部分の意識にあまり重点を置かれない学生さんが結構おられます。
現在、数多くの気象会社がありますが、
考え方によっては、「お天気」は商売になりにくい業種とも思えるのです。
なぜなら、日本では国のお役所(気象庁)が気象情報の提供を行っています。
国民の税金によって、気象庁はお仕事をしておられるわけですが、
多くの人は、「タダで天気予報が手に入る」という感覚を持っています。
この状況において、有料で気象情報を提供するビジネスを成立させることが、
決して簡単ではないことにお気づきいただけるかと思います。
「社会への貢献」「地球環境を守る活動」も非常に大事なことですが、
それができるのも、会社が社員に給料を払えるからです。
給料を払うためには、利益を出さねばなりません。
その利益をどうやって捻出するのかということです。
気象会社の社員になるということは、
この点において当事者になることを意味します。
つまり、仕事を進める際には、
商業的な面を常に意識していかねばならないのです。
単に「天気が好き」「空を見るのが楽しい」というだけであれば、
仕事ではなく、趣味として気象に携わったほうが良いかも知れません。
最後に3です。
中には学生時代に気象予報士試験に合格した方もおられるでしょう。
大きな努力で勝ち取った資格なのですから、
それを最大限に生かした就職活動を行いたいところですが、
面接やエントリーシートなどで、「私が持つ専門的能力を生かして・・・」
といった自己アピールには少々違和感を持ちます。
気象予報士資格を持つ人は全国で6000人あまりしかいないとは言え、
気象会社には、気象予報士がゴロゴロといます。
タクシー会社に2種運転免許を持つ社員が多いことや、
病院の医局に医師免許を持った人が多いことと、同じようなものです。
また、どんな業界でもそうですが、免許や資格を持っているからと言って、
業務の最前線において、即戦力として活躍できるほど、
プロの世界は生ぬるくありません。
有資格者であることをアピールする際には、
その辺の意識と節度を持っておかれたほうが良いと思うのです。
「能力の高さ」ではなく「業界への熱意の証」として示すのが良いでしょう。
思いつきで気象会社への就職活動を行っているのではなく、
キチンとした志があって、以前から準備をしてきたのだ、
ということを示すことができます。
気象予報士の資格の有無が、
採用に一切影響しないことを表明している会社もある一方で、
気象予報士の資格を、応募条件としている会社もあります。
どちらにしろ、気象業界で仕事をしたいのであれば、
気象予報士の資格くらいは取っておきたいところです。
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105、生涯学習としての気象予報士試験
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第31回気象予報士試験では、13歳の中学生が最年少合格記録を更新したことが、
各マスメディアで大きな話題として取り上げられています。
しかし、今回の試験の最高齢合格者として65歳の方がおられることにも、
大いに注目したいところです。(「山陽新聞」の記事による)
実際に、試験会場に足を運ばれる受験生には中高年の方も多く、
気象予報士試験を生涯学習として捉える方も少なくないと考えます。
そこで、今回は中高年の方の受験アドバイスを書いてみました。
それは次の3項目に集約されます。
1,急がず、焦らず、着実に。
2,記憶力よりも理解力で勝負する。
3,不必要な手間と時間は避ける。
まず、1についてです。
生涯学習として気象予報士試験に挑戦する場合は、
「短期間で如何にして合格するか」を考えることよりも、
「勉強を長期にわたって続けられること」を考慮するほうが大事です。
就職活動を控えた学生さんであれば、
「徹夜勉強をしてでも合格してやる」という方もおられるでしょう。
そういった方は、勉強そのものよりも、
結果として得られる「資格」が目的なのだと思われます。
確かに生涯学習においても、合格は大きな励みになりますが、
「知ること」や「学ぶこと」自体を最大の目的とされるわけですから、
短期的に無理をして、ガツガツされる必要は無いわけです。
貯金箱に小銭を入れるような感覚で、少しずつ勉強を重ねることができれば、
やがて、一里塚としての「試験合格」が見えてくると確信しています。
次に、2についてです。
「年齢とともに、記憶力が低下した」とよく耳にしますが、
それが本当なのかどうかは、私にはまだ分かりません。
渡部昇一上智大学名誉教授は、『知的生活を求めて』(講談社)の中で、
歳を取って記憶力が向上した旨を書かれています。
もしかすると、脳の働きが低下するというよりも、
コツコツと地道に覚える、ということが面倒になるからかも知れません。
その一方で、人生経験を重ねるとともに物事を理解する力は、
むしろ高まるのではないかと考えます。
このメルマガでも、何度も触れていますように、
気象予報士試験を「暗記科目」と捉えてしまうと、勉強がつまらなくなります。
内容を理解することに努め、覚える内容を最小限にすることこそが、
試験勉強を続けていくためのコツだと考えます。
最後に、3についてです。
私は15歳の時に、関東や東北地方を電車で旅したことがあります。
普通電車と快速電車が一日中乗り放題の「青春18きっぷ」を使ったのです。
旅行日程は5日間でしたが、一度も宿には泊まりませんでした。
全ての夜を、夜行列車の座席で明かしたのです。
これで5日分の列車の運賃と宿泊代を1万円強でまかなうことができました。
観光のために下車する以外は、ずっと電車内にいましたから、
旅の後半には、痔になりかけてしまいましたが、
わずかなお金を節約するために、あらゆる労苦に耐えられるのが若さです。
しかし、30歳になった今、そういう旅はできなくなったように思います。
2008年春に、友人と中国地方のローカル線「三江線」に乗ったのですが、
2時間ほど乗っていただけで、かなり疲れてしまいました。
特急列車の快適さが分かったように感じます。
勉強もこれと同じです。
金が無く、時間と体力が有り余っている学生であれば、
古本屋で買った線だらけの参考書をボロボロになるまで読み込めます。
勉強の際に不明な点が出てきたときは、雨の中でも足繁く図書館まで通い、
【禁帯出】のラベルが付いた事典を広げ、ひたすら大学ノートに書き写す、
といった勉強もやり通せるはずです。
しかし、年齢を重ね、ある程度の金銭的な余裕ができると、
勉強のために必要な書籍は、そのつど新刊本を買って、
手元に置いておきたいと思うようになります。
さらに言えば、長時間にわたって細かい活字を目で追っていくよりも、
書籍の内容を分かりやすく解説した講義を受けてみたい、
と望む方もおられることでしょう。
「手間」と「時間」は、ある程度まで「お金」で代用することができます。
些末な部分で躓かずに、効率的に学習を進めていく際には、
ある程度の金銭的な出費が必要とも言えるでしょう。
それは別に狡いことでも何でもありません。
鈍行列車で旅をするか、特急列車で旅をするかは、価値観の問題であり、
それに対して、優劣を付けられないのと同じだからです。
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106、どんな気象キャスターを目指すか。
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テレビやラジオで活躍する気象キャスターには、
大きく分けて3種類があります。
1,放送局の職員として出演
2,気象会社の職員として出演
3,放送局と出演契約を結んで出演
1は、いわゆる「局アナウンサー」のことで、
待遇も良く、立場も安定していて、非常に人気のある職業です。
それだけに、アナウンサーになるためには、
非常に狭き門を突破しなければなりません。
私が主宰する塾の元受講生(気象予報士試験合格)の中にも、
テレビ局のアナウンス職試験に受かった方がおられますが、
就職活動では相当に努力されたとお聞きしています。
2のように、気象会社の職員として、
気象キャスターに就くという方法もあります。
私も大学卒業後は、気象会社に入社し、
放送局で出演を含めた気象報道業務に携わっていました。
1と同様に、会社員としての立場は保障されていますが、
必ずしも、キャスターの仕事を担当させてもらえるとは限りません。
番組に出演するというのは、気象会社全体における業務のごく一部ですし、
中には気象報道に全く関わっていない気象会社もありますから、
その点は就職活動を行ううえで充分に留意しておかれるべきでしょう。
3は、フリーで活躍するキャスターのことです。
気象会社から独立する形でフリーキャスターになる方は少なくありません。
人気の高い気象キャスターであれば、高収入も期待できます。
有名アナウンサーが放送局を退職して、フリーに転身するケースが多いのも、
収入面でかなり有利な面があるのだと思われます。
また、やりたい仕事だけに専念できるという点も魅力なのかも知れません。
しかし、フリーキャスターの立場は必ずしも安定していません。
番組を降板してしまえば、その分だけ仕事が減ることになりますし、
もちろん、代わりの仕事が入ってくるとは限りません。
私自身も気象会社に入社するまでは、この立場で出演していましたが、
自分の立場がいかに不安定であるかを実感した記憶があります。
初めて気象キャスターとして出演を開始してから、わずか2か月のこと。
担当していた番組が終了してしまったのです。
当時、私は20歳。番組そのものが消滅してしまうのですから、
出演もこれで終わりかと腹を括りました。
幸いにも別番組で起用していただけることになり、
驚きと安堵感を同時に経験したことを、ハッキリと記憶しています。
気象キャスター志したいと思われる方は、
1~3のどの形でキャスターを目指すのか、考えてみると良いでしょう。
そこから具体的に成すべきことが見えてくるはずです。
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107、長く続けるための3つの方法
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新年度が始まり、これを機会に新しく勉強を始める方も多いかと思います。
学習の進め方には、いろいろな方法がありますが、
気象予報士試験を突破するためには、ある程度の長期的な勉強が必要ですから、
長く続けられるやり方こそ、一番正しい方法なのです。
私は長く続けるためのコツとして、次のようなものを挙げます。
いずれも私自身の経験から導き出したものです。
1,余裕のある計画を立てる。
2,他人を上手く利用する。
3,苦しいときの「臨時休業」を容認する。
まず、1についてです。
計画を立てるときは、やる気が高まっている状態ですから、
どうしても限度一杯のスケジュールを作ってしまいがちです。
しかし、最高の状態に合わせた計画を立てると、
こなしきれない日が必ず出てくることになります。
例えば、私は携帯電話でも読める『気象予報士試験講座』という、
メルマガを2年ほど続けています。
創刊当初は「毎日欠かさず発行や!」と考えたこともありましたが、
結局のところ、「平日のみ発行」という形で始め、現在に至っています。
ちょっとした問題を1題ずつ配信するだけのメルマガですが、
もし、完全日刊であれば、ここまで続いていたかどうか分かりません。
週に2日の休刊日を入れておいたからこそ、
500回近くの配信を行うことができたような気がします。
また、「毎朝5時に起きる」という習慣も、始めてから3年目を迎えます。
これが続いているのは、夜9時には布団に入っているからです。
おそらく、夜12時を過ぎてから床に就くようであれば、
早朝5時に起きるのは辛いことであるに違いありません。
私は眠気を我慢するのが嫌いなので、そういった無理が生じるのであれば、
おそらく習慣として定着しなかっただろうと思われます。
2についてですが、私は「ヤクルトを毎日飲む」という習慣を、
2年半ほど続けています。
冬場は冷たいヤクルトを風呂の湯で温めてから、入浴中に飲んでいます。
そのヤクルトは、店で買ってくるのではなく、
毎週火曜日に配達してもらっているというのが、ポイントです。
それは何かを習慣づけたいときに、他者の力を借りるのが有効だからです。
もし、スーパーでヤクルトを買うことにしていたのであれば、
習慣として定着したかどうかは分かりません。
「うっかり買い忘れた」「雨が降っているから買いに行くのが面倒くさい」
といった理由で、習慣づけることができなかったかも知れません。
まして、「学習習慣を定着させる」という行動は、
ふつうは「ヤクルトを毎日飲む」ことよりも難しいはずです。
そうであれば、他人を上手く利用することを、
より重視したほうが良いと言えるでしょう。
勉強の場合であれば、毎週その成果を発表せねばならないような場があると、
効果的に進めていくことができるはずです。
勉強に対して厳しい高校が、大学入試で大きな成果を上げることが多いのは、
まさに、この点にあると考えています。
勉強せざるを得ない環境を作ることが大切です。
3については、真面目な方に特に申し上げたいことです。
計画を立てたからには、できる限り実行するのが理想ではありますが、
ある程度の例外は、自分で認めてあげるほうが良いと思います。
例えば、メチャクチャ疲れているようなときに、
無理をして本を開いても、頭には何も入りませんし、何も残りません。
私は高校や大学の授業で、眠気をこらえながら、
何とかしてノートをとろうとしたことが数え切れないくらいありますが、
結局のところ、何の結果も得られなかったように思います。
頭が「頑張れ!」とハッパをかけても、
体がついてくるとは限らないということです。
そんなときは、潔く「臨時休業」にして、さっさと休むことです。
当メルマガも創刊から5年目を迎えますが、
今号のように、当初の発行予定日に間に合わなかったこともあります。
今回は、花粉症で体調を崩してしまったことが原因ですが、
「まあ、そんなこともあるもんや」と開き直ってしまうことが、
メルマガ発行を長く続けられた一因と思っています。
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108、息抜きは必要。
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前回のメルマガで「勉強を習慣づけることが大切」と書きましたが、
そのときに大事なことがあります。
それは、「息抜きの時間を必ず確保する」ということです。
息抜きというのは、趣味であるとは限りません。
むしろ、趣味とも呼べないような些細なものであることも多いのです。
例えば、混雑した通勤快速ではなく、ガラガラの各駅停車でゆっくり帰ること、
入浴剤入りの風呂に浸かって、肩や首のコリをほぐすこと、
「You Tube」の映像をダラダラと見ること、などです。
自己紹介の「趣味」欄に書けないほどの、ちょっとした行動や、
他人にはあまり言えない恥ずかしい行動が、
その人にとって、息抜きの役割を果たしていることがあります。
「特に趣味はない」と言う人でも、息抜きをしない人はいません。
息抜きの時間を削ってしまうと、息が詰まってしまうからです。
私の知り合いで、朝から晩まで元気に働く社長がいます。
従業員の誰よりも懸命に仕事をする社長です。
特に趣味のようなものは無いように見えましたが、
仕事終わりに酒を飲むのが日課になっているそうです。
この社長の場合、晩酌が息抜きになっているわけです。
「酒・たばこ・ギャンブル」というと、
「やらないのが良い」というイメージがありますが、
それが、本人にとって大切な息抜きになっているのであれば、
一概に「やめなさい」とは言えない部分があります。
ちなみに、13歳前後の私は、どうしても爪を噛むくせが直りませんでした。
それが息抜きになっていたのかも知れません。
ちなみに、現在の私の息抜きの1つは、
ネット書店の「Amazon」で欲しい本を安く買うことです。
前から目を付けていた商品が古本として安く売られているのを見たときに、
【1-Clickで買う】のボタンを押す瞬間がたまりません。
実際に届いた本を手にするときよりも嬉しいような気がします。
また、日曜日の授業を終えて帰宅した後、
「サザエさん」をダラッと見るのも、なかなかリラックスできます。
「なぜサザエさんの家は黒電話なのか?」などととツッコミながら、
今も昔も変わらぬアニメを見ていると、息抜きになるのです。
会社や学校においても、息抜きの場があるのと無いのでは、
その人の負担が大きく変わってきます。
ちょっとした空き時間に、缶コーヒーを片手にバカ話ができる環境なら、
少しくらい仕事が大変でも、頑張れそうな気がします。
いくら気象予報士試験の勉強が好きになったとしても、
受験勉強である以上、合格を目標にして努力せねばならないのですから、
「勉強そのものが息抜きです。」という人は、ごく僅かです。
ホッとする時間を意識的に確保することこそが、
長期間にわたって勉強を続けていくために大切だと思います。
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109、一人で進める勉強・仲間と進める勉強
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「2万5000人のうちの1人」・・・この数字は何でしょう。
日本の全人口に対する、毎回の気象予報士試験での受験者数の割合です。
回によって変動はありますが、最近の受験者数は5000人程度です。(※1)
同じ国家資格でも、行政書士試験は60000人以上と10倍以上です。(※2)
「2万5000人に1人」ということは、観客席が満員の甲子園球場においても、
自分以外の受験生が1人か2人いるだけという計算になります。
もし、2万人~3万人程度の市町村にお住まいであれば、
受験生は自分のみ、という可能性も高いわけです。
要はそれくらい気象予報士を目指す人というのは、
全国でも少ないということです。
かつて受験生だった頃、気象の本を探すために、
大阪にある大きな書店を訪れたことがありますが、
気象関連の書棚で別の人が同じような本を探しているのを見て、
少し嬉しくなった記憶があります。
それだけに、この試験の勉強を独りで進めておられる方も多いことでしょう。
独りで勉強を行う際に、最も懸念すべきことは、
勉強に対する気持ちが弱まったときに、孤独感が生じやすいことです。
ある気象予報士の方は、受験時代に他の受験生の方々と週に一度集まり、
お茶を飲みながら話をする場を設けておられました。
そこで、仲間と会話を楽しむことで、大いにリラックスできたとのことです。
前回も述べましたが、こういった「息抜きの場」は本当に大切ですね。
仲間の存在は、実利的な面からも有効だと考えられます。
独りで勉強を進めていると、どうしても自分に甘くなりがちです。
「合格のために必要な勉強量」の見通しが不明瞭になることもあります。
「まあ、こんなもんかな」と、手探りで判断していくことになるわけですが、
これが「井の中の蛙」であることも、しばしばです。
もし、合格した人に直接話を聞く機会があれば、
自分が今まで進めてきた勉強が、いかに甘かったかを痛感するかも知れません。
また、効果的な学習方法の1つとして、
「他人に上手く説明できるかどうか」を理解度の指標にする方法があります。
自分では何となく納得しているように感じていても、
いざ他人に説明することになると、弱点が露呈することがあるのです。
この方法は、仲間どうしで「教え合う」という効果も期待できます。
もちろん、誤解の無いように述べておきますが、
複数で集まって行う勉強が常に効率的であるとは限りません。
むしろ、勉強とは基本的に一人で行うものだと私は考えます。
上で述べたように、「知識の確認」は仲間と行う利点が大きいのですが、
「知識の吸収」という最も基本的な学習過程については、
一人で行うのが効果的であると言えるでしょう。
大勢でワーワー集まると、集中して取り組むことが難しいからです。
一人で頑張る時間を充分に取り、
少し人恋しくなったときに、仲間と集まってみる。
時間的な比は、前者が20時間とすれば、後者は1時間くらいでしょうか。
でも、この1時間こそが、一人での20時間を心強いものにしてくれるのです。
(※1)財団法人気象業務支援センターの資料より
(※2)財団法人行政書士試験研究センターの資料より
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110、「大気の熱力学」という山を越える。
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自転車で世界一周を果たした、のぐちやすお氏は、
長期の自転車旅行の前に「一泊の壁」が立ちはだかると述べておられます。
(『自転車野郎養成講座』山海堂 1993年)
ここでの「一泊」とは、野宿を指します。
日帰り旅であれば、基本的に自転車を走らせれば良いだけですが、
たとえ一泊二日でも、野宿をする際には、
考えなければならないことが数多く出てきます。
私は1か月程度の自転車旅を2度行ったことがありますが、
キャンプ場以外では、テントを張る場所を探すのに一苦労です。
安眠のためには、水平で滑らかな地面であることが必要です。
少しでも傾斜があったり、石がゴロゴロしていると、グッスリ眠れません。
草地であれば、地面が柔らかくなるので、眠るのには向いていますが、
草の中に潜む大量の蚊に悩まされたことがあります。
テント設営中に、足に何匹もの蚊がとまり、血を吸っているという状況です。
もちろん、虫が中に入らないように、テントのジッパーを閉めるのですが、
真夏であれば、暑さで蒸し風呂状態です。
夜中に目が覚めて、水を飲み干すことも結構ありました。
一方、北海道の内陸部では、まだ9月なのに夜の冷え込みが厳しく、
あまりの寒さで、ろくに寝られなかったこともあります。
外気温の影響を大きく受けるのが野宿です。
また、夜中にいきなりの激しい雷雨によって叩き起こされたこともあり、
できれば、屋根の付いた場所にテントを張りたいものです。
人通りが多い場所にテントを張れば、何となく落ち着きませんし、
周囲から迷惑がられることも考えられます。
実際、公園で寝ているときに警察官から声をかけられたこともありました。
逆に人が全くいない場所で、一人で夜を明かすのもちょっと怖いです。
賊に襲われるのではないかと思い、手元には常に木刀を用意していました。
さらに、これは少々贅沢な要望ですが、
トイレが近くにある場所にテントを構えると、用を足すのに便利なだけでなく、
飯を炊いたり、後片付けをする際に必要な水を確保することができます。
こんな感じで、宿に泊まれば考えなくて済むようなことが、
野宿では噴出してくるため、旅慣れない頃は多くの不安を抱えていました。
ただ、野宿を一度やり遂げることができれば、
次第に「まあ、こんなものか」と思えるようになってきたのです。
実際に、橋の下・道の駅・公園・無人駅・海岸など、
いろいろな場所で夜を過ごしました。
野宿という宿泊方法を一度経験することができれば、
あとは、それを繰り返していくだけです。
「昼は自転車で走り、夜は野宿する」という一日を過ごすことができれば、
これの繰り返しで、長期の旅が可能となります。
私の場合は、全て野宿で夜を明かしたわけではありませんが、
奈良から出発して、24日間で宗谷岬に到達しました。
(注:青森→函館はフェリーを利用)
気象予報士試験の勉強を続けていくことは、これと似ています。
ご存じのとおり、この試験の勉強を合格まで続けていくのは大変です。
自転車旅行での「一泊の壁」に該当するものは、
一般知識試験における「大気の熱力学」であると考えています。
たいていの人は、一般知識試験の勉強から始めるわけですが、
「大気の熱力学」の単元を充分に習得できるかどうかで、
その先の勉強が順調に進むかどうかを大きく左右すると考えています。
「大気の熱力学」は、基礎的な物理学(熱力学)を学習する単元です。
「お天気の勉強」と聞いて、雲の写真を見たり、
百葉箱の観察をしたりすると思っていた人は、
この単元の学習で、そのギャップの大きさに驚きます。
もちろん、こういった地味な基礎知識をコツコツ学習することは、
気象について深く学ぶために必要なもので、だからこそ試験科目なのです。
表面的な天気現象だけを見ていては、こういった知識は身につきません。
この単元を習得するためには、単なる暗記では太刀打ちできません。
レンガを丹念に積み上げるように、基礎から学習を重ねることが必要です。
よく分からない部分や納得できない点に対して、
適当にごまかしたり、無理矢理に覚え込んでしまうのではなく、
納得が得られるように努力しよう、という姿勢が大切です。
そうして、最終的に問題演習まで仕上げることができれば、
気象予報士試験の受験勉強として、1つの山を越えたことになります。
「大気の熱力学」の学習において、
理解・納得を伴う知識の習得が、いかに大事であるか実感できれば、
他の一般知識試験の単元や、専門知識試験・実技試験の勉強においても、
基本的な学習スタンスは同じであることに気がつきます。
それこそが試験合格のために大切なことであると、私は考えています。
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111、興味を持つことで、知識は増える。
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小学生の頃に読んだ本に載っていた言葉を、今でも覚えています。
書名は忘れてしまいましたが、子供向けのクイズの本でした。
「問題の答えが分からないときは、答えのページを見て下さい。
その後で、もう一度問題を見れば、今度は正解が分かるはずです。
これは、1つ[ものしり]になったということです。」
解答を一度見てしまえば、次から正答できるのは当たり前のことですが、
当時の私は「なるほど~」と思ったものです。
考えてみれば、私が重視している「過去問題演習」も、
「模範解答を見ながら勉強する」という点で、
あのクイズ本に載っていたメッセージと一致します。
クイズと並んで子供が好きなものに「なぞなぞ」がありますが、
私はあまり好きではありませんでした。
『パンはパンでも、食べられないパンはなぁーんだ?』
といったような問題のことですね。
私がなぞなぞ嫌いだった理由は簡単で、答えがなかなか思いつかないからです。
頭を柔らかくして発想を転換させなければ、謎解きはできません。
一休さんのように、ピンと閃けば楽しいのでしょうが、
そういった能力は備わっていなかったようなのです。
一方、クイズは結構好きでした。
クイズを解くために柔軟な思考は不要です。知っているかどうかが全てです。
自分の興味のある分野なら、誰でもある程度の知識は持っています。
そうすると、正解できる問題も多くなります。
正解できれば、嬉しいものですから、
もう少し詳しく知りたい、という気持ちも出てきます。
テレビ番組や本で知識を得たいと思うようになります。
このようにして、知らず知らずのうちに好循環が出来上がるのです。
「興味を持つこと」と「知識を積み上げること」。
結局のところ、勉強はこの2つの繰り返しなのですね。
両者が連動すれば、勉強の効率は高まります。
私は中学生になってから、学校の勉強は全くできなくなりましたが、
幼いときから興味を持っていた天気と宇宙については、
その後も、本を読んだり、テレビ番組を見たりしていました。
これが後に、気象予報士試験の土台になったように思えます。
気象予報士試験に合格するために、特別な才能は必要ありません。
興味を持って、勉強を続けていけば、
必ず合格に到達することができる、私はこのように確信しています。
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112、パソコンを活用した実技試験の勉強
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ご承知のとおり、実技試験は記述問題が多いのですが、
私は実技の受験勉強において、パソコンを利用することを推奨しています。
パソコンを使った実技試験勉強には、次のようなメリットがあります。
1,短い時間で効率的な勉強ができる。
2,答案の推敲が手軽にできる。
3,ネット検索を活用できる。
なお、上に挙げた3つのメリットは、
普段からパソコンを使い慣れている方であることが条件です。
まず1ですが、タイピングに慣れた方であれば、
手書きよりも遙かに早く入力できるはずです。
また、手書きに比べて、手の負担が小さいはずです。
つまり、短い時間で多くの文を書くことができるわけですから、
効率的に勉強を進められることを意味します。
次に2です。手書きの場合、文章の手直しが大変です。
鉛筆と消しゴムを交互に使いながら、
「消しては書き、消しては書き」を繰り返さねばなりません。
消しゴムを使わなくとも、斜線で消したり、
色の違うペンを使って書き込んだりすることはできますが、
だんだんゴチャゴチャしてきますので、推敲できる回数は限られます。
一方、パソコンでの文書作成は、編集が自由自在です。
さらに、ソフトを活用することで、ますます答案作成が便利になります。
実技試験では字数に関する指示があるので、
なるべく指定字数に近い形で、答案をまとめる練習が大切です。
しかし、その都度「1,2,3・・・」と字数を数えるのは大変で、
かなり面倒くさいものです。
私はマイクロソフト社のWord2007を使っていますが、
このソフトでは、書いた文をマウスなどで選択し、反転させるだけで、
画面左下に文字数が表示されますので、とても便利です。
Wordには文書校正機能が付いていますから、
「ら抜き言葉」などの不自然な表現を自動的にチェックしてくれます。
また、日本語入力ソフトのATOKにも、
「日本海の低気圧の中心の」といった表現を変換すると、
《「の」の連続》といった形で、指摘してくれる機能があります。
最後に3です。実技試験では気象の専門用語を使って答案を書くわけですが、
「こういった表現は一般的によく使用されるのか?」と迷うことがあります。
そんなときに、Yahoo!やGoogleの検索で、その言い回しを調べてみるのです。
もし、その言い回しを含んだページが数多くヒットすれば、
その言い回しは、一般的に広く使用されていることが分かります。
ただ、個人のホームページやブログ内の表現は、
信用性の点で少し不安がある(内容が誤っている可能性がある)ので、
「ac.jp(学術機関)」や「go.jp(政府機関)」の
ドメインを持つページに絞って検索を行うと、信頼性が高まります。
例えば、「気温移流」という言葉をYahoo!で検索しても、
該当するページは全く出てきませんでした。
これは「気温移流」という用語は存在しないことを示しています。
(正しくは「温度移流」です。)
こうやって、気になる表現を検索ページで確認する癖を付けておけば、
勝手な造語を答案に書いて失点してしまうというミスを防ぐことができます。
もちろん、手書きで答案を作成することにもメリットがあります。
問題集とノートさえあれば、どこでも試験勉強ができますし、
キーボードを叩くよりも、ペンを動かしたほうが、
頭に入りやすいという方もおられることと思います。
また、実際の試験では筆記で答案を作成しなければなりませんので、
そういう意味でも、慣れておく必要があるのは事実です。
試験まで時間に余裕があるときは、パソコンを中心に、
試験が迫ってきたときは、手書きを中心にという形で、
両者をうまく使い分けるのも1つの方法です。
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113、「読むだけで理解できる参考書」は存在するか?
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「何か良い参考書はないものか?」という情報は、
どの分野の勉強であっても、多くの学習者が知りたいことです。
ただ、文系・理系を問わず、どんなに評価の高い参考書であっても、
その本を一読するだけで全てを理解できてしまう本はないと思っています。
これが小説であれば、スイスイ読んでいくことも可能です。
私は中学生~高校生の頃、西村京太郎さんの鉄道ミステリーが好きで、
古本屋で大量に買い集めては、夢中で読んでいました。
2時間程度で1冊を読み終えることも珍しくありませんでした。
しかし、勉強のために参考書を読み進めていくためには、
単に「読む」だけでは、頭に入っていきません。
「読む」+「理解する」という作業が必要となります。
確かに、日本語で書かれた本であれば、
漢字の読みさえ分かれば、どんな本でも「読む」ことはできます。
しかし、本に書かれた内容を「理解する」というのは、別次元の話です。
ページを追う目を止めて、頭の中での整理が必要となります。
参考書に書かれた内容が、読者の知的水準を上回る内容であれば、
多かれ少なかれ、この作業は必ず要るわけです。
これが「読むだけで全て理解できる参考書はない」と考える理由です。
例えば、「微分積分」の勉強に興味を持つ人は意外に多いようで、
大型書店へ行きますと、ものすごい数の本が出ています。
試しに、Amazonの検索で《微分積分 わかる》と入れてみたところ、
なんと53冊もの本がヒットしました。
「分かりやすく説明する」という点について、
特に力を入れて書いておられる本が多いことに気づきます。
しかし、いくら「分かりやすく」説明した本であると言っても、
読者の知的格闘を想定していないものはないはずです。
今度は、《微分積分 わかる 読むだけ》と入れて検索してみましたが、
これでは1冊もヒットしませんでした。まあ、当然です。
参考書を使った勉強とは、読者(生徒)がページを追うことで、
著者(先生)が本から登場して始まる、バーチャルな授業と解釈できます。
授業内容をものにするためには、受け手がウンウン頭を絞る作業が必要です。
(これは、リアルな授業であっても同じです。)
決して、短時間でサクサク進むものではありません。
これを意識しておかなければ、少し難しい部分が出てきた時点で、
「もっと分かりやすく説明してある本はないだろうか?」
と別の参考書を探し求めるようになってしまいます。
もちろん、参考書の側に問題点があることも想定されますが、
読者の読み込み不足が原因であることも考えられます。
「青い鳥」は、すでに自分の本棚にあるのかも知れない、ということです。
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114、夏休みを基礎固めに使ってみる。
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7月も下旬に入り、学生の方にとっては夏休みに入る頃だと思います。
そこで、お勧めしたいのが、夏休みの計画を立てることです。
なぜかと言いますと、自由な時間が手に入ると、
それを持て余してしまうことが多いからです。
私自身も、高校時代の夏休みは野球部の練習で、
わりと型にハマった生活を続けていたのですが、
大学時代は、ユルい夏休みを過ごしていたように思います。
宿題と言っても、ちょっとしたレポートが何本かあるだけ。
1年生と2年生の夏には、約1か月の自転車旅に出て、
とても充実した時間を過ごせたと思うのですが、
もしかすると、集中講義や補修が続くような大学であれば、
別の意味で、有意義な夏休みだったかもしれません。
このメルマガを購読されているということは、
何らかの形で気象予報士資格について、興味をお持ちなのでしょう。
もし、興味がありながらも、本格的な勉強を始めていないのであれば、
この夏にスタートされることをお勧めします。
その理由として、初めて勉強に取り組まれる方が、
翌年1月に一般知識試験に合格するための実力を付けるためには、
夏から始めるのが、おそらく時間的に最後の機会だと思うからです。
もちろん、ゼロから学んで半年で合格を目指すのは、
決して、簡単なことではありません。
しかし、他の課題が少なく、勉強時間を充分に確保できる夏期休暇を、
最大限に生かすことができるのであれば、好条件です。
集中して学習に取り組み続けることができれば、
社会人の方に比べて、短期間で基礎事項を学ぶことも可能と言えるでしょう。
ご存じのとおり、気象予報士試験は短期間で取れる資格ではなく、
合格まで勉強を続けていくためには、上手く軌道に乗せることが大切です。
多くの方にとって、勉強を始めたばかりの頃は、
「あれも分からん、これも分からん。」という状態ですが、
ここを抜け出して、知識が増えることに面白さを感じるためには、
ガッチリと基礎を固めてしまう必要があります。
時間的な余裕がある夏休みは、基礎固めの時間に適しています。
学習計画を立てることは、何もない道路に標識を立てることに似ています。
標識が無ければ、どこを走っているかも分かりません。
計画を立てようとすることで、
これから何をしていこうかを考える場ができます。
社会人になれば、今よりも時間の融通は利きにくくなってきます。
豊富な時間を大切に使いたいものです。
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115、勉強道具にこだわる価値あり。
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以前、市民プールによく通っていたときがありました。
ひたすら25mプールを往復して、泳ぎ続けるのですが、
特に苦しいと感じたのは、100m~200mほど泳いだときでした。
それから、さらに泳ぎ続けると、苦しさが無くなり、
楽に泳げるようになってきたのです。
例えて言えば、「体が自動的に泳いでいる」といった感じで、
ランナーズ・ハイならぬ、スイマーズ・ハイの状態になったのです。
勉強もこれと似た部分があって、
右も左も分からない状況で本を読み進めていくのは大変ですが、
学習習慣が定着し、ある程度の全体像が見えてくると、
次第に余裕を持って取り組めるようになってきます。
特に、天気は多くの人にとって身近であり、親しみを感じるため、
気象予報士試験の勉強を始めたばかりの頃は、好奇心が先行します。
しかし、その次に学習内容のレベルの高さに圧倒されるのです。
この時点で、挫折してしまわれる方が少なくないと見ています。
そこで、上手く軌道に乗せるための1つの手段として、
勉強道具にこだわることをお勧めします。
もちろん、「弘法筆を選ばず」という諺もあるように、
新聞の折り込みチラシの裏紙とボールペン1本があれば、勉強はできます。
しかし、「道具がマズかったために、勉強が続かなかった」では、
何とも勿体ないというものです。
私は3冊で100円のノートを使ったことがあるのですが、
綴じ方が良くないのか、すぐにページが取れてしまいました。
ボールペンで線を引くと、その部分の紙が切れてしまうこともありました。
余計なことでストレスを感じるノートは、勉強に不向きです。
例えば、コクヨのノートなら、大きさ・紙の枚数・罫線幅について、
自分に合ったものを選ぶことができます。
ちなみに、私は普通のノートよりも小さいA5サイズを愛用しています。
本の大きさと一致するため、持ち運びに便利なのです。
筆記具についても、使いやすく疲れにくいものを選びたいですね。
シャープペンシルをお使いの方も多いと思いますが、
私は筆圧が高いので、すぐに芯が折れてしまいます。
そこで、ゼブラの2色ボールペンを持ち歩いています。
黒だけでなく、必要に応じて赤を使うことができ、便利だからです。
DVD教材を使って勉強されている方は、再生機器にもこだわりたいところです。
以前に見終えた部分から再生を再開できる機能があると便利ですし、
等倍再生よりも少し速い再生ができると、時間の節約にもなります。
ちょうど自分に合った早回し再生ができる機器・ソフトを使うことで、
ストレスを最小限に抑えつつ、効率的な勉強を進めることができるでしょう。
ちなみに、私が使っているCyberlinkの「PowerDVD DX」というソフトは、
1.2倍再生・1.4倍再生・2倍再生ができ、
早回ししても、音声がほとんど甲高くならないのが良いところです。
良い勉強道具は、合格までの良き伴走者となってくれます。
手間と時間をかけて選んだ道具に愛着を感じるようになれば、
簡単に勉強を投げ出すこともできなくなるはずです。
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116、試験当日までに心得ておきたい3つのポイント
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試験会場で実力を発揮できるよう、私は次の3項目をお勧めします。
1,よく寝る
2,食べ過ぎない
3,時間に余裕を持つ
まず、1です。
十分な睡眠こそ、頭を最大限に働かせるために必要不可欠と考えます。
心を落ち着けて、目の前の問題に取り組む際には、
たっぷりと睡眠を取った新鮮な頭脳を要するということです。
学生時代の期末試験で、前日から徹夜で知識を詰め込みまくって、
そのまま寝ずに試験を受けた方もおられるかもしれませんが、
気象予報士試験は、そういう小細工が通用するほど甘い試験ではありません。
私は初めての気象予報士試験の際に、緊張と睡眠不足が原因で、
試験中に寝てしまったことがあります。
結果は学科試験も含めて不合格でした。
特に、一般知識試験から受験される場合は、
普段よりも早起きしなければならない方もおられることでしょう。
可能であれば、事前に早起きの習慣を付けておくのも良いと思います。
次に、2です。
私が授業を行う前には、あまり食べないようにしています。
その理由は、満腹になるまで食べてしまうと、頭がボーッとしてきて、
「複雑なことはあまり考えたくない」という気分になるためです。
私の講義は、最初から最後まで喋り続けるスタイルなので、
頭が冴えた状態であることが、とても大切です。
満腹だと、説明の際に適切な表現が出にくくなり、言葉に詰まって、
「エ~~~~」とか「ア~~~~」といった声がよく出るようになります。
そこで、授業前は食事を控えめにしているわけです。
試験問題に取り組むときも、
満腹では十分に頭を働かせることができないと私は考えます。
試験が終わった後に、ビアガーデンなどでパーッとやればいいのですから、
昼休み中の食べ過ぎには、注意されたほうが良いでしょう。
最後に、3です。
試験会場には余裕を持って到着したいものです。
試験開始前ギリギリに駆け込んでくるというのは、
それだけで、気力・体力とも削がれてしまうことになり、
試験を受けるうえで不利に働くように思います。
気象予報士試験は、常に同じ会場で行われるとは限りません。
ときには、自分が初めて訪れる場所が試験会場だったりします。
その場合、もし可能であれば、事前に下見をしておくのが理想的です。
実際に一度訪れることで、下車した駅でどの出口から出るのか、
どの道を通っていけば良いのかが、肌で分かります。
下見をするだけの余裕がないのであれば、
インターネットを使って、駅構内図や地図を見ておかれると、
当日に慌ててしまうリスクを減らすことができるでしょう。
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117、難しい試験だからこそ、挑戦する価値がある。
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気象予報士試験が終わってから、いつも思うのは、
頑張った全ての受験生が合格を手にして欲しいということです。
「全ての受験生」ではなく「頑張った全ての受験生」です。
資格のネームバリューに引き寄せられて、ろくな受験勉強をしないまま、
記念受験した人が落ちるのは当然のことですが、
この勉強と真剣に向き合ってきた人には、結果を出して欲しい。
それが、講師を務める私の素直な願いです。
しかし、気象予報士への道は決して簡単ではありません。
合格率4~6%というのは、難関大学の入試でもあまり見られない数字です。
もちろん、合格率の大小だけで試験の難易度は比較できませんが、
気象予報士試験が難しい国家試験であることは言うまでもありません。
学科試験の場合、15問中11問の正解が合格ラインとなることが多いわけですが、
これは100点満点で約73点という、なかなか高いハードルです。
また、実技試験の合格率は試験回によって異なりますが、
こちらも、総得点の約70%が合格ラインの目安となっています。
それが、結果として4~6%の合格率という形になっているわけです。
もっと合格のハードルが低ければいいのに、とも思うわけですが、
それを考えたときに気が付くのです。
「難しい試験だからこそ、挑戦する価値があるのだ」ということに。
講習を受けるだけで、認定証がもらえる講座があります。
とにかく教則本を丸暗記するだけで、受かると言われる試験があります。
気象予報士試験の場合、塾や予備校の授業を受けても、資格はもらえません。
やみくもにテキストを丸暗記しても、試験には通らないでしょう。
基礎から積み上げる学習をしていかなければ、
そもそもテキストに書いてある内容が、全く理解できないはずです。
つまり、気象予報士の資格を得るためには、
多くの汗をかくことが必要だということです。
マスメディアの世界で活躍する気象キャスターの皆さんも、
おそらく、受験で苦労されたに違いありません。
電車の中で、携帯電話のゲームをする代わりに、
赤ボールペンを片手に、過去問題と格闘していたかもしれません。
そうやって勝ち取った資格だからこそ、
多くの人が、大きな価値を見いだすのだと思っています。
気象予報士試験の受験勉強は大変ですが、
試験に対する勉強である以上、基本的に答えが存在するものばかりです。
もちろん、気象学全体を見渡せば、
答えの見つかっていない問題は数多くあるわけですが、
試験範囲についてであれば、答えはすでに明らかになっています。
「解けるか解けないか分からないパズル」に挑戦するのは骨が折れますが、
最初から「必ず解けるパズル」であると分かっていれば、
いくらは気が楽になるはずです。
解くために必要な知識を着実に学んでいけば、
難解に見えるパズルも、必ず解きほぐれる瞬間が訪れます。
それを続けていけば、着実に合格を手元に引き寄せることができる、
私はそのように確信しています。
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118、「サボリ」と「オーバーワーク」を避ける。
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誰でも、「勉強をサボってはいけない」ということは知っています。
しかし、「勉強をしすぎてはいけない」ということは、
あまり知られていないように思います。
勉強を1日に1時間するよりは、3時間したほうが良い。
1日に3時間するよりは、5時間したほうが良い。
多くの人が、そのように思われることでしょう。
しかし、次のような条件が付くことを忘れてはなりません。
「それを続けることができるなら」という条件です。
総勉強時間は、「1日の勉強時間×それを続けた日数」で示されますから、
きちんと続けることができないのであれば、総勉強時間は増えません。
特に勉強を始めたばかりの方は、意気込みも強く、
「頑張って勉強して、早く習得したいものだ」と考えます。
しかし、自分の持つ1日の中に、上手く勉強時間を組み込むことができないと、
その志は、短期間で消沈してしまうことになります。
気象予報士試験を受験される方の多くは、
勤務・家事・育児・介護・他の学業などを抱えておられます。
そういった方々にとって、最も大切なのは、
勉強時間をいかに適切な形で確保し、それをいかに継続するかです。
ここで大事なことは、決して無理をしてはいけないということです。
「石にかじりついてでも毎日3時間勉強するぞ!!」と目標を立てても、
その人の生活事情から考えて無理があれば、続きません。
寝不足で頭をカクカクさせながら、本を読んでも頭に入りません。
(私自身も経験があるので、よく分かります。)
そうなるくらいであれば、睡眠を2時間増やし、
残った1時間を「質の高い勉強時間」にしたほうが効果的だと考えます。
一方、勉強に費やす時間的・体力的な余裕があるにも関わらず、
ついつい「テレビを見てしまう」「ダラダラしてしまう」という方は、
何らかの方法で、自分を縛ることが必要になると思います。
具体的には、受験生数人が集まって勉強会を開く、
私語厳禁、ペンを床に落とすだけで周囲から睨まれるような自習室に籠もる、
予備校や塾の類に関与する、などといった方法が考えられます。
「サボリ」と「オーバーワーク」は、表面的には正反対の現象ですが、
「自分で適切な勉強時間を設定し、それを続ける」ことができていない点では、
同じであると言えるでしょう。
大切なのは、自分の中に適切な勉強習慣を定着させることです。
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119、受験仲間を作ったほうが良い2つの理由。
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気象予報士試験の合格ためには、受験仲間を作ることが、
プラスになると私は考えています。
受験仲間を作る意義とは、次の2つにあります。
「競争」と「不安解消」です。
良きライバルになってくれる人こそ、受験仲間として適切です。
徒競走でも一人で走るより、二人で走ったほうが、
良いタイムが出ると聞いたことがあります。
難関校を目指す進学塾では、実力テストでの優秀者の得点を、
掲示板に公開することがよくありますが、
これも適度な競争心を生み出す素になっていると言えるでしょう。
自分をレベルアップさせるために、競争の場に身を置くのです。
例えば、実技試験の過去問題演習を行っていくとき、
「平成12年度以降の問題を、3か月で全て演習するぞ」などと、
仲間で決めて、取りかかっていくわけです。
週に1回程度は、お互いに進捗を確認し合うと良いでしょう。
こうして同じ課題を並行して行っていくだけでも、
互いに他人の目を意識することになりますから、
独りで行うよりも、勉強が続けやすくなるはずです。
そして、受験仲間の存在は、受験勉強の不安解消としても大切です。
独りで受験勉強を進めた経験をお持ちの方の多くが、
不安に襲われた経験があるはずです。
私が2回目の受験で不合格通知を受け取った際には、
「最年少合格は17歳」というニュースが出ていました。
自分と同い年の高校生が合格して、私は不合格という現実を前にし、
「自分は気象予報士試験に失敗し続けるのではないか」
と感じたことを覚えています。
また、受験勉強が順調に進まないときも、不安が顔をのぞかせます。
こういったときに、同じ立場にいる仲間が一人でもいれば、
勉強で苦労していることなどを話し合うだけで、
いくらか気持ちが楽になるというものです。
受験仲間は、数多くいれば良いというものではありません。
たしかに、大人数でワイワイ過ごすことも楽しいのですが、
互いに切磋琢磨するためには、気の合った一人がいれば良いと思うのです。
例えば、日曜日の午後に必ず喫茶店で集まって、黙々と日暮れまで勉強を続け、
勉強が終われば、息抜きのために街へ繰り出すのも良いでしょう。
小さな勉強会を開くことも、長期的に学習を続ける1つのコツなのです。
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120、実技試験合格のために大切なこと。
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試験時間内に、実技試験の問題を仕上げられなかった方も多いかと思います。
5年前の試験と比べて、実技試験の問題数が増えているのは明らかです。
その一方で、問題を解く時間はそのままなのですから、
迅速な解答が求められていることを意味します。
実際、気象予報に関わる業務はスピードが大切です。
限られた時間で資料を読み取り、判断が求められるわけですから、
早く問題を解く能力も重要であると言えるでしょう。
実技試験の実力を高め、速く解答できるようになるためには、
過去問題を使った演習が最も効果的であると何度も述べてきました。
例えば、平成21年度第1回試験の実技2(以下、21-1-2)では、
台風による高潮の問題が出ました。
これは、平成16年度第1回試験の実技1(以下、16-1-1)問5や、
平成19年度第1回試験の実技1・問5の問題と似ています。
事前に、これらの問題について丁寧に学習していた方なら、
今回の問題は、過去に出された問題の応用であることに、
すぐ気づかれたことでしょう。
例えば、(16-1-1)における問5(4)であれば、
単に、「吹き寄せ効果」についての知識を問うただけとも言えますが、
(21-1-2)における問5(4)では、知識をもとにして資料を読み取り、
そこから答案文を作成するという方式でした。
覚え込んだ知識を、そのまま吐き出すのではなく、
きちんと活用できるかが問われる良問だと思います。
実技試験で失敗された方、つまり合格点に到達できなかった方の原因は、
次のいずれか、もしくは複数が重なっていると分析しています。
1,過去問題演習量の不足
2,答案についての検証不足
3,学科試験に関する知識不足
まず、1です。
私は、過去7~8年分の問題を繰り返して学習することをお勧めしています。
試験の回数にして約15回、実技試験にして約30題の演習量です。
数多くの問題に取り組むことで、網羅できる問題パターンも増えます。
また、豊富な過去問題演習とは、単に問題数を増やすことだけでなく、
何度も繰り返して学習するということも意味しています。
私は標準的な数字として、3回程度の繰り返しを想定していますが、
今回の試験で合格された方の中には、
5回以上繰り返して勉強された方もおられました。
何度も取り組むからこそ、資料の読み取りにも慣れてきますし、
自分の弱点を克服することができます。これが大切なのです。
次に、2です。
単に問題を解いただけでは、その学習効果は低いということです。
問題を解くこと自体は、自分の頭の中に入っているものを、
紙に書き出す作業に過ぎないからです。
知識を増やしたり、誤った認識を修正したりすることで、
問題を解く能力を高めることができます。
そのためには、答案についての検証が必要です。
検証とは、単に解答例を見て赤ボールペンで丸を付けたり、
自分の答案の横に、解答例を書き写すことではありません。
問題に正解できなかった理由をトコトン考え、分析することです。
単なる知識不足なのか、根本的な思考法が誤っているのか、
資料の読み取りの際に欠けている視点があるのか、など、
時間をかけて取り組んでいかれる必要があります。
また、答案を自分で分析することも大切ですが、効率的に進めるためには、
講師的立場の人間による添削を受けることも重要です。
一人ではなかなか気づかないことについて指摘・指導を受けることは、
一回の問題演習での改善点が増すことを意味するからです。
最後に、3です。
過去問題演習を進めていくためには、時間も労力もかかります。
これを丁寧に続けることが、合格にとって必要だと考えるわけですが、
「続けられる人」と「続けられない人」の違いは、
単に「勉強に対する意志の強弱」とは言えない部分もあります。
実技試験の勉強は、学科試験に関する知識を土台にしているため、
学科試験の学習が不足していると、すぐに支障を来します。
先ほど、高潮の問題が出題されたことについて述べましたが、
そもそも高潮に関する知識が不十分であれば、問題演習そのものが困難です。
知識が不足している状態で実技試験の勉強を行っても、
手応えを感じることができないため、やる気が失せてしまいます。
これを「勉強に対する意志が弱い」と見なすのは正しくなく、
誤った学習順序によって滞りが生じたと考えるべきです。
完全合格に直結する勉強に取り組みたいのは誰でも同じですが、
「急がばまはれ瀬田の長橋」、まずは基礎知識を充分に学ぶことが大切です。
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121、理数系の勉強を恐れない。
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いわゆる「文系」と自称される方、
つまり、人文科学系や社会科学系を得意とされる受験生は、
理数系の勉強を苦手とされる方も少なくありません。
気象予報士試験における一般知識試験では、初歩的な気象学を学びますが、
ここでは、理科(特に物理)や数学についての勉強が必要になります。
市販されている問題解説書や参考書を読むと、
dx/dtとか、縦に長い「S」のような記号が出てくることがあります。
微分や積分の知識がなければ、これらを理解することは困難ですので、
中には解説を読むのをやめてしまった方もおられることでしょう。
そして、気象予報士試験に合格するためには、
「高度で複雑な数学の知識がなければ、絶対に太刀打ちできない」
と思われた方も、いらっしゃるかも知れません。
しかし、それは事実ではないと私は考えます。
試験に出てくる計算問題を解くことが目的であれば、
複雑な数学の知識は不要だというのが、私の認識です。
大半は、小学校~中学校の算数や数学で事足ります。
高校数学の内容も一部は含まれますが、限られた内容にとどまっており、
その部分だけを学習すれば十分だと考えています。
また、「理数系の勉強」=「公式をいっぱい覚える」
と考えておられる方もいるかも知れませんが、
気象予報士試験で、押さえなければならない公式は限られています。
「気体の状態方程式」や「静力学平衡の式」など、数は決して多くありません。
そもそも、「公式を丸暗記すれば良い」という考え方自体が、
正攻法の勉強ではないと捉えるのが私の考え方です。
過去の試験を分析してみれば、すぐに分かりますが、
気象予報士試験では、丸暗記した公式に数値を代入して解くといった、
単純な問題は、ほとんど出ないのです。
試験に出されるのは、見た目は「計算」という形をとっているものの、
結局のところは、本質的な理解が伴わないと解けない問題が大半です。
つまり、気象学の勉強は「計算」と「それ以外」に分けて捉えるのではなく、
両者を一体のものとして学ぶことが大切です。
数式は、表現のための道具であると考えればよく、
文章の代わりに数式を使っていると言えるのです。
もちろん、よりレベルの高い気象学を学ぶためには、
もっと難しい数学(特に微分積分学)の勉強も必要です。
しかし、気象予報士試験の水準であれば、数式を使う部分は限られ、
その概念を言葉で把握できればOKである場合が多いのです。
ですから、決して恐れるようなものではありません。
基礎から積み上げていけば、理解に達することができるはずです。
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122、分かりやすい本で勉強を始める。
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この前から、吉川英治『三国志』(講談社)を読み始めています。
私は本を買っても、途中で意味が分からなくなって、
読了できずに投げ出してしまうことがよくあるのですが、
吉川三国志は最後まで楽しむことができそうな気がします。
それは以前に、横山光輝『三国志』(潮出版社)を読んだからです。
漫画の横山三国志でストーリーを把握しているおかげで、
吉川三国志がよく分かりますし、登場人物の顔も浮かんできます。
最初から字だけの三国志に手を出していれば、挫折したかも知れません。
また、私は『ゴルゴ13』が好きだということもあって、
さいとう・たかを『太平記』(中央公論新社)も読みました。
古文を知らないので、古典の『太平記』には手が出ないと思いますが、
漫画なら、どんどん読み進めていくことができます。
文学作品に限らず、何か新しいものに挑戦するときには、
できるだけ分かりやすいものから手を付けるべきですね。
これは、気象の勉強についても言えることだと思います。
勉強は、階段を上ることと似ています。
無理をして足を高く上げても、10段目から始めることはできません。
最初から、あまり高度な内容の本を買ってしまうと、
理解できないことが多すぎて、苦痛になってしまいます。
それが、勉強への興味や意欲を削いでしまうことになり、
本は書棚でホコリを被ることになるのです。
入門の段階では、学習に対する興味を高めてくれる本や、
簡単に理解できる本が適しています。
具体的には、漫画で説明した本や図鑑などです。
しかし、「小学生じゃあるまいし、今さら学習漫画など・・・」
と思われる方は、次の1冊をお勧めします。
『みるみる理解できる天気と気象』 (ニュートンプレス)
『ニュートン』という月刊科学誌があるのですが、
この雑誌に掲載された内容をもとにしたものが、上記の書籍です。
私も、この雑誌を毎月買うことが多いのですが、
美しいイラストと詳しい説明で綴られているのが特長です。
専門家向けではなく、一般向けの科学雑誌ですから、
丁寧に読んでいけば、内容が分かるようになっています。
『みるみる理解できる天気と気象』は、
気象予報士試験に挑戦する方にとって、かなり良い教材です。
初学者だけでなく、ある程度勉強の進んだ方でも、
得られるものは大きいと思います。
これを充分に読み込むことで、さらに高度な学習に進むことができるはずです。
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123、3か月続ければレベルアップ。
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ざっくり言ってしまえば、気象予報士試験に合格するためには、
2つのことを満たせば良いと私は考えています。
1,何を勉強すればよいかを知る。
2,その勉強を続ける。
試験に合格するために必要な学習範囲はどういったものか、
これを知らないままに勉強するのは、地図を持たずに旅に出るようなものです。
必要な学習範囲を甘く見積もれば、抜け穴だらけの勉強になりますし、
必要な学習範囲を過剰に見積もれば、拘らなくて良い細部に時間を割き、
結局のところ、非効率な勉強になってしまいます。
私の経験上から言えば、独習で受験勉強を進めると、
甘く見積もる傾向が出やすくなります。
ある程度の勉強が進まないと、全体の学習範囲は見渡せないためです。
どの範囲を勉強すればよいか、というのが分かってしまえば、
あとは、その勉強を丹念に続けていくだけのことです。
・・・と簡単に書いてしまいましたが、これが大変なのですね。
もちろん、どんな参考書を使ったら良いかを考えることも大切なのですが、
実のところ、何をすべきかを知ることは、それほど難しくありません。
ネット検索で「気象予報士 合格体験記」とでも打ち込めば、
数多くの合格体験記を読むことができます。
情報の入手そのものは、昔に比べて楽になりました。
むしろ、なすべきことを着実に実行していくほうが、圧倒的に困難です。
これは、今も昔も変わりません。
ですから、気象予報士試験に合格するためには、
どうすれば勉強を続けていけるのかを、真剣に考えていかれる必要があります。
どの方法で実行すれば、挫折せずに続けていけるのかについては、
人それぞれ合ったやり方がありますから、画一的な処方箋はありません。
このメルマガでも多くのことを書いてきましたので、
それらを参考に、自分に合った作戦を考えると良いでしょう。
長期間にわたって勉強を続けるのは大変なことですが、
毎日、一定の学習時間を確保して継続できれば、
3か月くらいでレベルアップを実感できるのではないかと思います。
今日は11月23日です。8月の第32回試験から約3か月が過ぎました。
試験終了直後からブランクを空けずに勉強を続けてきた方が、
読者の方々の中にも、間違いなくおられるはずです。
その手応えは、ご自身が実感しておられるに違いありません。
これから気象予報士試験の勉強をお始めになる方も、
しばらく勉強を休んでしまった方も、
まずは3か月間、集中して取り組んでみましょう。
過ぎてしまえば短いものですが、実際に続けるのは容易ではありません。
要は「続けられるか、続けられないか」ということだけ。
分かりやすい参考書探しも、勉強仲間作りも、予備校への関与も、
結局のところ、この目的を達成するための道具なのであり、
その道具を使いこなせるかは、自分次第です。
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124、次につながる勉強を。
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野球の試合を想像して下さい。
同点で迎えた9回裏、走者無しの状況において、
打者が成すべきことは何でしょうか?
それは、何としてでも出塁することです。
確かに「ホームランを狙う」という考え方もあるでしょう。
しかし、強打者でもホームランを打てる確率は、決して高くありません。
プロ野球の世界でも、1シーズンに30本打てる選手は、ごく一握りです。
スタンドに叩き込もうと、大振りした挙げ句、
三振したり、外野フライに打ち取られたりするのは、避けたいところ。
内野安打でも、セーフティーバントでも構わないので、
まずは1塁に突っ込むことが大切です。
気象予報士試験を狙う際も、これと似ている部分があります。
学科試験に1科目も合格できていない状態で、完全合格を狙うのは、
いきなりホームランを狙うのと同じ思考です。
受験生なら誰でも、少しでも早く資格を取りたいと望むのが普通です。
それは百も承知なのですが、願望に見合った実力が無ければ、
大振りしても、凡フライに打ち取られるだけなのです。
特に、今まで一度も学科試験に合格したことのない方は、
学科2科もしくは1科だけに絞った形で、受験勉強を行うことをお勧めします。
一般・専門・実技を同時並行で進めていくのは、相当に大変です。
受験科目を絞ることで、その科目にエネルギーと時間を集中できます。
私が学科試験の合格にこだわる理由の1つは、
目に見える結果を出すことが、モチベーション維持・向上のために、
とても重要だと考えるからです。
完全合格を狙うつもりで勉強して、もし全部不合格だったら、
人によっては、やる気を一気に失って、
再チャレンジできない状況になってしまうかも知れません。
完全合格できなくても、学科1科もしくは2科に合格できれば、
資格取得に近づいたことを実感できるはずです。
そして、ここが大切なことなのですが、
学科合格によって、気象予報士資格を取りたい気持ちがさらに高まり、
その後の勉強に勢いが生まれてくることがあるのです。
これは野球で言うところの「試合の流れ」と似ています。
相手チームに得点リードを許している状況であっても、
走者を貯め込み、1点ずつ返していくような場面が生まれると、
不思議なくらいヒットが連続することがしばしば見られます。
例えば、私の母校の野球部での今夏の試合は、
11-5で迎えた9回裏に、一気に6点を叩き出して、延長戦に持ち込みました。
良い流れを生み出すことで、試合展開が一気に変わる例だと言えます。
合格率75%の試験であれば、一発ホームランを狙えば良いでしょうが、
ある程度の長期戦で考えていかねばならないのが、気象予報士試験です。
自分の気持ちを上手く高めながら、
合格まで勉強を続けられるように作戦を練ることも、
試験対策の1つだと私は考えています。
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125、好きなものを1つ断て。
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私が知っている限りでは、気象予報士試験に楽々と合格した人は1人もいません。
忙しい中で時間をやりくりし、豊富な勉強時間を確保したうえで、
集中して取り組まれた結果、合格を勝ち取られた方ばかりです。
つまり、この試験に受かるためには、
一定以上の勉強時間の確保は欠かせないと考えられます。
もちろん、「時間さえかければ良い」というものではありません。
ダラダラ続けていても、得られるものは少ないでしょうし、
短時間でも集中して取り組むことができれば、成果は大きいでしょう。
私は以前のメルマガで、スキマ時間を有効活用することについても書きました。
「73,勉強の質と量を確保するために。」
気象予報士試験では短い時間に集中することと同時に、
じっくりと腰を落ち着けて勉強できる時間を確保することも大切です。
特に、実技試験では、大量の資料を丹念に読み解くことが求められます。
これは時間がかかるため、思考が途切れないような環境が必要なのです。
集中して取り組める勉強時間を確保するためには、どうすればよいか?
「寝る時間を削るな」と常に私は言っています。それは推奨できません。
その代わりに、「好きなものを1つ断つ」ことをお勧めします。
人によって「好きなもの」はさまざまですが、
好きであるだけに、それに長い時間を割いているはずです。
これを1つ断つことで、時間を作り出すのです。
例えば、コンピュータゲームが好きな人は「ゲーム断ち」を、
パチンコが好きな人は「パチンコ断ち」をするのです。
かつて私も、テレビゲームが好きだった時期があります。
当時は「ファミコン」とか「スーファミ」と呼ばれていました。
エスカレーター式で進学できる学校に入学し、
受験勉強も一生せんでええわ!ということで、
夜遅くまで、ゲームに没頭していたときがありました。
床につくときも、脳裏にゲームの画面が出てくるほどでした。
また、パチンコ屋通いにハマったこともありました。
新聞の折り込みチラシに、「新装開店」「新台入替」などと書かれていれば、
あちこち顔を出していたものです。
もっとも、勝率がかなり低かったため、
すぐに軍資金が枯渇し、それほど長くは熱中しませんでしたが。
今の私は、ゲームもパチンコも一切やりませんが、
それぞれに魅力があり、面白いということはよく知っています。
「くだらない」と思うから、やらないのではなく、
「面白すぎてハマりそう」と思うから、手を出さないのです。
気象予報士試験に合格したいのであれば、
受験期間中は「面白すぎるもの」に手を出さないほうが得です。
気象予報士塾の受講生だった方で、合格までテレビを断った方もおられます。
トレンディードラマ(←今もこう呼ぶのでしょうか?)が好きで、
いつも何かを毎週見ている人は、それを断つのも良いでしょう。
何も一生断つわけではありません。合格を勝ち取れば、再開すれば良いのです。
好きなものを断つことは簡単ではありませんが、
受験勉強に適した環境を自ら作り出すのは大切なことです。
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126、勉強時間を編成する。
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見たいテレビ番組をうっかり見逃して、
悔しい思いをされた経験は誰にもあるかと思います。
「見たいときに、見たい番組を見ることができれば、どんなに良いことだろう」
子供のときから、そう思っていた私にとって、
親戚宅からやってきた中古のビデオデッキは、夢のようでした。
その後、大学時代には足繁くレンタルビデオ店に通い、
手当たり次第に映像作品を見続ける生活を続けました。
「男女7人夏物語」も「東京ラブストーリー」も、全てビデオで見たのです。
今では、わざわざレンタル店に足を運ばなくても、
DVDを自宅まで宅配してくれるサービスもありますし、
光回線を通して、パソコンなどで映像作品を楽しむことができます。
まさに、見たいときに見たい番組を見られる時代となったわけです。
それは良いことずくめだと思っていたのですが、
最近になって、忘れかけていた価値に気づく機会がありました。
先日、何気なくNHKラジオ第2放送を聞いていたときのことです。
中学生向けの番組として「基礎英語」というのがありますが、
この特別編のような形で、番組の活用方法について話をしていました。
その中で「毎朝早起きをして、番組を必ず聴くようにしています」
という体験談が出てきました。
これが、オンデマンドに慣れた私には意外な感覚でした。
ラジオ番組をタイマー録音する機能の付いたオーディオ機器など、
決して高いものではないはずです。
そう思って、Yahoo!ショッピングで「ラジカセ 時計」で検索したところ、
3,000円程度で売られていました。
番組を録音しておけば、都合の良いときに、いつでも聴くことができます。
しかし、それは同時に「いつでも聴けるから、今は聴かなくて良い」という、
言い訳もできてしまうという側面も持ち合わせているのです。
敢えてタイマー録音という手段を選ばずに、早起きしてラジオの前に座る。
録音をしないのですから、聞き逃してしまえば、それで終わりです。
(NHKラジオの語学講座は再放送がありますが、朝の放送は1回だけです。)
1回しか聴くことができないからこそ、緊張感が生まれ、
集中して学習できるという面もあるでしょう。
また、放送時間に自分のスケジュールを合わせることで、
毎日一定量の時間を語学学習に充てる形になり、
勉強のペースメーカーになってくれます。
いつでも好きなときに勉強できる教材は大きな利点を持っていますが、
長所であるはずの性質が、逆に欠点となってしまうこともあるわけです。
そこで、「好きなとき」ではなく、敢えて学習時間を決めてしまうのも、
1つの有効な活用法だと思います。
例えば、「○曜日の△時~□時にDVDで講義を受ける」とスケジュールを設定し、
それを守っていくことで、勉強習慣を定着させるのです。
娯楽のためのソフトであれば「いつでも好きなときに」は大きな魅力ですが、
勉強を続けることが目的であれば、その機能の一部を制限することも、
1つの方法として有効であるように思います。
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127、最高の状態で試験に臨むための秘訣
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試験が直前に迫った時期においては、
「いかに点数を積み増すか」という戦術だけでなく、
「いかに減点を防ぐことができるか」という戦術も重要です。
「試験日まで残すところ、あと数日」という状況では、
すでに詰め込める知識量は限られています。
気象予報士試験は短期集中型の試験ではありませんので、
今から頑張っても、伸ばせる実力は限定的です。
少し厳しい見方をすれば、現時点でバタバタしている受験生は、
これまでの勉強不足の裏返し、とも解釈できます。
時間をかけて根気よく勉強を続けてきた方であれば、
「やるだけのことはやった」という気持ちをお持ちのことでしょう。
試験直前で行う勉強は、習得した知識の確認が中心となります。
特に暗記の必要な事柄について、重点的に見ておかれると良いでしょう。
具体的には、気象法規・注意報や警報の発表基準・天気記号などです。
入念な確認で記憶の定着を図って下さい。
一方、減点を防ぐためには、できるだけベストコンディションで、
試験に臨めるようにすることが大切です。
試験問題の多くは、気持ちを落ち着けて思考を重ねていく必要があるため、
同じ実力でも、コンディションによって得点は変動すると考えます。
特に実技試験については、1点差が合否を分けることもあるのですから、
持っている実力を最大限に発揮できることが重要です。
私の経験から申し上げれば、
寝不足・疲労・食べ過ぎは、思考力・判断力を弱める方向に働きます。
そういった理由で、十分な実力が出せないのは勿体ないことです。
前日は早く布団に入り、しっかりと睡眠を取る、
苦しくなるほど食べ過ぎない、といったことに注意されると良いでしょう。
当日は、時間に余裕を持って試験会場に向かうことをお勧めします。
「遅刻するのではないか」という不安を抱えながら、
バタバタと教室に入っていくのは、それだけで無用の緊張を強いられます。
特に、初めて訪れる試験会場であれば、
事前に交通事情や道のりを調べておかれると安心です。
また、試験会場や教室内の座席位置によっては、
暖房が十分でない・暖房が強すぎるといった状況もあるかも知れません。
これについては、脱いだり着たりしやすい服装で対処すると良いでしょう。
また、足先の冷え込みも、集中力を妨げる要因になりかねないですから、
普段から冷えやすい体質の方は、
靴用・靴下用のカイロを用意しておかれるのも、1つの手段です。
「89、試験会場で心を落ち着ける方法」
「116、試験当日までに心得ておきたい3つのポイント」
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128、第33回気象予報士試験を振り返って
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第33回気象予報士試験を受験された方々のご感想で最も多かったのは、
「試験問題が易しくなったような気がする」ということでした。
私も試験問題に目を通し、同じような印象を受けました。
今後に実施される試験が、今回と似た傾向をとるのか、
それとも、以前と似た傾向に戻るのかは、全く分かりません。
しかし、いずれにせよ、私は次のように考えています。
試験勉強の方針はこれまでと同じで良い、ということです。
第33回試験の難度が少し下がったように感じた理由は、
いわゆる「超難問」が減ったことにあると分析しています。
仮に、試験問題の難易度を「レベル1」~「レベル4」に分けたとき、
「レベル4」の問題がほとんど見られなかったという感じがします。
「レベル4」の問題に遭遇すると、その難度の高さのあまり、
試験が終わった後も、奥歯に何かが挟まったような感じがして、
いつまでも気になるものです。
しかしながら、難度が極端に高い問題であれば、
多くの受験生が正答できないはずであり、
その正答率は、5つの選択肢からなる学科試験であれば20%に近づき、
実技試験であれば0%に近づくことになります。
つまり、難問が多い場合は受験者の中で得点差が付きにくく、
合否ラインが低下するだけ、だと考えています。
受験者の中で得点差が生じやすいのは、「レベル2」「レベル3」の問題です。
キチンと勉強した受験生なら正答できるが、
実力が不足していると太刀打ちできない、という問題が多いほど、
得点差が広がりやすいと言えるでしょう。
つまり、「レベル2」や「レベル3」の問題を、
着実に獲っていくことこそが、合格のためには大切なのであり、
結局のところ、それは私が以前から申し上げている試験対策法です。
今回の気象予報士試験でも、数多くの知識や技能が試されました。
いずれの問題も、短時間でホイホイと習得できるものではなく、
ある程度の時間をかけ、丁寧に勉強しないと、正答が難しいと感じます。
基礎から着実に学習を積み上げていくことこそが、
気象予報士試験合格のために必要な勉強法です。
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129、学びたいときこそ学習適齢期
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勉強を行ううえで大切なことは、興味・関心を持つことです。
「もっと知りたい」という意欲を持って学ぶ場合と、
義務感で机に向かう場合では、その効果に大きな違いが出ることでしょう。
私にとって、今でも印象に残っているのは、
小学6年生で初めて塾に入ったとき、最初に受けた社会科の授業でした。
授業内容は、関ヶ原の合戦から江戸幕府が開かれるところです。
「関ヶ原から見て東にあるから『関東』、西にあるから『関西』だ。」
「『譜代大名』と『外様大名』の違いは何か知っているか?」
大人であれば、誰でも知っているような内容ですが、
12歳の私にとっては、何もかもが新鮮でした。
小学校の授業では経験することの無かった知的刺激をズバズバ受けたのです。
中学入試対策の進学塾だったので、難しい内容も含まれていましたが、
乾いたタオルが水をグイグイ吸収するように、
習得していったことを思い出します。
その後、私は大学まで事実上の無試験で進める私立中学校に進学しましたが、
そこで勉強に対する意欲を失ってしまいました。
中学1年生の1学期における英語の期末テストが30点台という有様です。
高校に進学したときには、あまりにも英語ができなかったため、
少人数制の特別クラスに放り込まれたほどです。
私が再び勉強に対して燃えるようになったのは、16歳のときでした。
気象予報士という国家資格が新設され、
テレビや新聞で盛んに紹介されていたのを目にしてからです。
よく「勉強ができる人」「勉強ができない人」という言い方をいますが、
私はその分類は正しくないと思っているのです。
なぜなら、自分自身が意欲的に勉強に取り組めた時期と、
全く手に付かなかった時期の両方を経験しているからです。
学校を卒業してしまえば、無理に勉強する必要はなくなります。
大切なのは、「学びたい」と感じたときに、
生まれた興味をいかにして育むかが大切なことだと思います。
ちょっとしたキッカケで、関心や興味が湧き、
そのときに、時間や気持ちにある程度の余裕があり、
さらに、学習を手助けしてくれる良い師に巡り会えば、
意欲を持って学び続けることができるはずです。
我が家の書棚には、数学の参考書が10冊以上入っていますが、
学生時代に購入したものは1冊もありません。
全て社会人になってから買ったものです。
いつから学び初めても、遅すぎるということはないと思うのです。
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130、半年先までの学習計画を立てよう。
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平成22年度の気象予報士試験日程は、まだ発表されていませんが、
例年どおりの日程であれば、次の試験は8月下旬です。
今日は3月1日ですので、次回試験までおよそ半年ということになります。
「試験まで半年」というのは、勉強に取り組むうえで、
ちょうど良い長さだと思うのです。
1年だと長すぎて、「まだ大丈夫」というダラケ心が出てきますし、
2か月だと短すぎて、「もう間に合わない」という諦めが生じます。
6か月という時間は「3か月+3か月」「2か月+2か月+2か月」と分割しやすく、
そういう意味でも、学習計画を立てやすいと言えるでしょう。
具体的には、半年間を学科試験の対策に費やす場合であれば、
前半3か月は主として基礎事項の学習・確認に、
後半3か月は主として過去問題演習に充てることになるでしょう。
演習する過去問題の数を、一般知識・専門知識で各450問と考えた場合、
1日10問ずつ取り組むことで、90日間で900問の演習が可能です。
ただし、2科目に挑戦すると、1科目のときに比べて勉強量が2倍になります。
受験勉強の進捗に応じて、場合によっては2科を1科に絞るといった、
選択と集中の決断をせねばならないことがあるとお考え下さい。
実技試験に挑戦する場合は、なるべく早い段階で、
天気図の読み取り方などの基礎事項を学習し終えることが大切です。
基礎学習の完了後に取り掛かるべきことは、過去問題演習です。
実技試験において、私は過去7~8年分の過去問題を、
入念に取り組むことが大切だと考えます。
それは、試験回数にして約15回、題数にして約30題を意味します。
この勉強を経験された方であれば、誰でもご存じですが、
実技試験の過去問題演習というのは、すごく時間がかかるのです。
問題の出題形式や資料の読み取りに慣れていない段階なら、尚更です。
しかも、単に問題を解くだけではなく、解いた後の自己答案分析も大切です。
ときには、1題の演習を仕上げるのに、5時間以上かかることもあるでしょう。
また、同じ問題を何度か繰り返して演習するのが理想的です。
それらを踏まえたうえで、8月試験での合格を目標とすれば、
遅くとも、5月には過去問題演習に着手すべきと私は考えます。
半年という期間は、長いようにも短いようにも感じられます。
受験勉強モードに入れないままだと、すぐに時間が過ぎてしまいます。
でも、毎日着実に受験勉強を重ねることができれば、
大きなジャンプアップを可能にするために充分な時間だと思います。
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131、「アサベン」のすすめ
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春は新しいことを始める良い機会です。
気持ちを新たに切り替えて、勉強を進めてきたいところですが、
受験生の皆様に、私は「アサベン」をお勧めします。
「朝弁」「朝便」という意味ではなく「朝勉」、
つまり朝に勉強するということです。
勉強というと、深夜にコツコツと行うものというイメージもありますが、
私は早朝の時間を活用して、気象予報士試験の勉強を行ってきました。
受験生だった頃から、もう15年ほど経ちますが、
今でも5時頃に起きることが多いのです。
早起きして勉強を行うことのメリットはいくつか挙げられます。
まず、朝の頭と体は新鮮だということです。
言ってみれば、夜は寝る前なのですから、
1日のうちで、頭と体が最も疲れている時期ではないでしょうか。
次に、朝は誘惑が少ないということです。
夜であれば、面白そうなドラマやバラエティー番組がいろいろあり、
ついつい見たくなってしまい、リモコンに手が伸びてしまいます。
また、私は酒が飲めない体質なのですが、
もし、飲めるタイプであれば、一杯やりたくなるときもあることでしょう。
勉強時間を早朝にシフトさせることで、これらの誘惑から逃れやすくなります。
また、朝の5時に起きるような生活を始めると、
夜は早く眠くなり、遅くまで起きていることができなくなります。
人が1日に使える時間が概ね限られていることを考えますと、
夜の娯楽時間を減らすことが、勉強時間の捻出につながるわけです。
「朝勉生活」を送ることで、夜更かしができにくくなるため、
受験生にとっては、好都合なのです。
こうした生活は禁欲的で堅苦しいとお感じになるかも知れませんが、
試験に合格した後で、元の生活に戻せば良いのです。
早朝の静けさは勉強に向いた環境だと思うのですが、
もし、「静かすぎる」とお感じになるのであれば、
NHK-FMで毎朝6時から放送される「バロックの森」という番組をお勧めします。
歌詞のない音楽ですから、気を取られることもないと思います。
また、私は「1.FM」というネットラジオで音楽を聞くこともあります。
パソコンが必要ですが、時刻に関係なくいつでも楽しめるのが良いですね。
もうすぐ春分を迎える今の時期は、かなり夜明けが早くなっています。
朝の冷え込みも弱くなり、真冬よりも早起きしやすい季節です。
眠ければ、少し家の周りを散歩してみるのも良いでしょう。
人も少なく、普段とは少し違った風景が見られるはずです。
早朝の光を浴び、清々しい空気を吸い込みながら、
勉学に打ち込もうではありませんか。
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132、得意な分野で自信を付ける。
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テレビで高校野球を見ていると、
グラウンドを走り回っていたことを思い出します。
高校時代、私は野球部に所属していたのです。
でも、野球の腕前はといいますと・・・、
外野フライを捕り損ねて、ボールが顔面に直撃し、
メガネを壊したことがあります。
さすがに硬球は痛い! 額を4針縫ってもらうことになりました。
しかも、その3か月後にも同じような経験をしました。
バットには、なかなかボールが当たらなかったのですが。
練習試合などがあると、試合に出場した仲間たちは、
帰路において、試合を振り返っての感想に興じるわけですが、
ベンチで声を張り上げているだけのことが多かった私は、
ツマラナイ気分になることもありました。
野球部で過ごした3年間は楽しく、本当に良い思い出なのですが、
野球そのものでは、満足できる結果を残すことはできなかったのです。
その後、大学に入ってから、私が始めたのは自転車でした。
競技ではなく、1人で宗谷岬(北海道)を目指すという旅です。
他人よりも速く走る必要はありません。
大切なのは、ひたすら毎日走り続けること。
雨の日も、風が強い日も、悪路でも、お尻が痛いときも。
上り坂でペダルを踏むのがしんどくなったら、自転車を押して進む。
これを続けることで、目標に到達することができました。
自転車では、旅の過程を楽しむだけでなく、
最初に決めたゴールに辿り着くという結果を残すことができました。
「たしかに野球は下手だが、
他人がやらないような長距離自転車旅を成し遂げた。」
と思えるようになりました。
気象予報士試験に挑戦したというのも、
天気が好きだったのが大きな理由ではありますが、
好きな分野での勉強で何か結果を出したい、という望みがあったように思います。
「たしかに学校の勉強は全然ダメだが、
他人が持っていないような資格を持っている。」
試験に合格できた後には、そう思えるようになりました。
「資格は手段」と言われますが、同時に目的でもあると考えます。
難しい試験に挑戦し、合格を手にすることで自信を得ることができれば、
人によっては、その資格が持つ実体的な効力よりも、
大きなものを手に入れられるかも知れないと感じます。
不得意な分野について無理やり進めていくよりも、
自分に合うものを見つけて、得意分野に変えていくほうが、
プラスになることが多いような気がするのです。
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133、アクセルはゆっくり踏む。
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今春から気象予報士試験の勉強を始めた方、始めようとされる方が、
たくさんおられることとお察しします。
そこで、今から勉強をスタートされる方に、役立つお話を書きます。
勉強を始めたばかりの状態というのは、気持ちが高まっているものですが、
その気分に任せて、ハード過ぎる学習計画を組まないよう、
気をつけられたほうが良いと思います。
学習意欲の高まっているときに合わせてアクセル全開にすると、
勉強以外のことで忙しくなるなどして、充分に学習時間を確保できないときに、
計画を達成できなくなってしまいます。
その未達成感がイヤな気持ちを引き起こし、勉強の邪魔をします。
スタート時は、ほどほどの学習ペースを維持し、
ある程度、勉強が軌道に乗ってきたら、
少しずつアクセルを踏んでいけば良いでしょう。
目先を考えますと、8月に試験が実施されます。
「場慣れ」という意味もありますので、挑戦されるのは良いことですが、
本気で「結果」を出そうと思えば、相当の努力が要ります。
ここで言う「結果」とは、一般知識試験の合格を指しますが、
基礎学習から始まり、試験合格レベルまで実力を引き上げるためには、
相当量の勉強が必要になります。
無理に無理を重ねたスケジュールを組んで、それに見合った結果が出なければ、
その時点で意気消沈してしまう恐れがありますので、
基本的には、来年1月試験での一般知識試験合格を目指したいところです。
この試験は、長丁場です。気象の学習経験がない方であれば、
どんなに順調に進んでも、合格まで最低1年半はかかります。
試験に合格された方の多くが、途中での失敗を経験しています。
長い受験期間において、いろんなことがあるのは当然です。
できるだけ、気分の変動が大きくならないように気を配ることも大切ですし、
何らかの理由で、勉強に手が着かなくなったときに、
気持ちを立て直す方法を知ることも大切だと思います。
成功者の経験談から学べることもあるでしょう。
初学者の方が、現時点で試験問題を目にされても、
何が書いてあるのかを把握することさえ、困難であるはずです。
でも、着実に勉強を重ねていけば、
来年のこの時期には、分かることが相当に増えていることでしょう。
それを想像しながら、勉強を進めていかれると宜しいかと思います。
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134、仲間とともに難関試験に立ち向かおうぞ!
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「結局のところ、『やるか・やらないか』ってことなんですね。」
気象予報士試験の合格を勝ち取られた方から、
こういった話をよくお聞きします。
メルマガでも、勉強法についての記事をいろいろ書いていますが、
「勉強法の勉強」をいくら行ったところで、
実際の勉強が手つかずであれば、成果など出るはずもありません。
もちろん、「自分に合った効率の良い勉強法」を知ることは大切ですが、
気象予報士試験の合格のために、最も大事なことは、
「受験勉強に対する高い意欲」を持続させることです。
吸収せねばならない知識が多いからです。
とはいえ、人の気持ちは変わりやすいものであり、
ある時点で、やる気が絶頂に達していても、
3か月すれば、すっかり忘れてしまっていることも、しばしばです。
そう考えてみますと、3か月というのは長い時間ですね。
合格への遠い道のりを目にしたとき、次々に不安が襲ってきます。
「文系より理系のほうが有利なのか」
「記憶力が高くないとダメなのか」
「大学を出ているほうが有利なのか」
「そもそも合格には素質が必要なのか」
しかし、ここに挙げたことよりも、遙かに大切なのが、
「この受験勉強を長期にわたって続けること」なのです。
気象予報士試験の合格者の大半は、1年半以上の受験期間を経ています。
勉強を1年半以上続ければ、必ず合格できるというわけではありませんが、
少なくとも合格を手にされた方は、これだけの勉強を続けたわけです。
そう考えますと、モチベーションの維持を図るという点において、
意識的に注意を払うことは、とても大切だと言えるわけです。
「意欲」「やる気」について考えたとき、重要なのは他人の存在です。
「気象予報士を目指しているということを秘密にしておきたい」
その気持ちはよく分かります。
しかし、一切を隠したままの「コソ勉受験生活」よりも、
何らかの形で、他の受験者と関わりを持っておかれることをお勧めします。
「俺は気象予報士を目指している」と公言しなくてもいいですから、
ちょっとした小窓を開けておくことが大切だと考えています。
たった1人でも受験生仲間がいると、孤独感が和らぎます。
1人と2人の差はそれほど大きくありませんが、
0人と1人の差は歴然たるものです。無と有の違いですからね。
仲間がいるからこそ、「一緒に頑張っていこう」という連帯感が生まれます。
「自分だけ挫折するのは格好悪いな」という競争心が生まれます。
それが、学習意欲の向上・立て直しに効力を発揮するのです。
私の感覚としては、リアルに顔を合わせる関係のほうが、
学習意欲の維持という点では、望ましいように思います。
ただ、ブログなどで、匿名性を維持したまま、
他の受験生とコミュニケーションを取る手段もあります。
こういった方法のほうが向いているとお感じになる方は、
試してみると宜しいでしょう。
毎回の受験者数は、全国でたったの5000人程度です。
仲間の存在を意識したほうが、受験生活も充実するように思います。
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135、分からなくなったら基礎に戻る。
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どんな種類の勉強でも、「多くの知識を習得する」という点は同じですが、
知識の習得の仕方については、大きく2つに分かれると考えています。
これを、私は「積み上げ型」「横並べ型」と勝手に呼んでいます。
「積み上げ型」というのは、ある学習内容が、
別の項目を学ぶために必要不可欠の土台になっているものを指します。
つまり、Aを学んだ後に、Aという知識を土台にしてBを学び、
さらに、B(Aも含む)の知識を土台にしたうえで、Cを学ぶというタイプです。
それに対して、ある学習内容が、
別の項目を学ぶための土台になっていないものは「横並べ型」です。
もっとも、それぞれの知識は分離独立しているわけではないので、
勉強科目の中で、完全な「横並べ型」というのはあり得ないのですが、
学校の勉強でいえば、算数は「積み上げ型」の色合いが濃く、
社会科は「横並べ型」の傾向が強いと言えます。
例えば、算数において、九九と図形の面積を求める学習を、
同時に行うことは困難であると考えられますが、
日本史を学ぶときに、奈良時代と室町時代と明治時代を、
同時並行的に学んでいくことは、不可能ではないはずです。
「積み上げ型」の学習において大切なのは、
土台がキチンと構築されたかどうかを確認することです。
不完全な土台では、上に新たな知識を積み上げることは困難です。
一般知識試験を例にとれば、気象法規の勉強は「横並べ型」と言えそうですが、
その他の科目については、「積み上げ型」が多いのです。
一般知識試験で苦労されている方は、この点に留意されたうえで、
学習を行っていかれると宜しいかと思います。
例えば、典型的な「積み上げ型」といえる大気の熱力学には、
「相当温位」という物理量(概念)が出てきます。
これについての学習を行うためには、
「温位」と「凝結熱」という概念を把握していることが必要です。
「温位」を理解するためには、「空気塊の断熱変化」について、
「凝結熱」を理解するためには、「水の相変化」について、
それぞれ知識を持っておくことが必要です。
さらに、基礎に立ち返ってみれば、「気圧とは何か?」「温度とは何か?」
といったことが土台になっていることが分かります。
私も本を読んでいて、途中でワケが分からなくなることがよくあります。
そうなると、つい飛ばし読みをして、先に進もうとしてしまいます。
「横並べ型」の科目なら、分かる内容が後に出てくることもあるのですが、
「積み上げ型」の場合は先にページをめくっても、分からないままです。
ですから、理解できたところまでページを戻して、
もう一度読むことにしています。
「積み上げ型」の学習は大変な面もありますが、
土台となる知識と、その上に載せる知識の繋がりが強いため、
一度理解してしまえば、忘れてしまいにくいと言えます。
頑丈な建物は土台を固めることから、です。
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136、実技試験の勉強の進め方
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今回は、実技試験の勉強で大切なことを3つ挙げてみたいと思います。
1,時間を計らない
2,順番に解く
3,問題文を熟読する
まず、1についてです。
実際の実技試験は75分間で解かねばならないわけですが、
練習として(つまり受験勉強として)問題を解くときには、
あまり時間にとらわれないほうが良いと考えます。
時間を意識すると、どうしても「速く解かねば」という意識が働きます。
しかしながら、気象資料は「速く読み取る」ものではなく、
着眼点を増やしたり、慣れたりするに従って、
少しずつ「速く読み取れる」ようになっていくものです。
ですから、まだ慣れていない方が速く読み取ろうとすると、
読み取りが、ただ雑になるだけなのです。
ある程度、実力を付けた方が、ペース配分を考える意味で、
時間を計測して問題に取り組むことは有効ですが、
実力を養う段階では、時間を気にせずに熟考されることが大切です。
次に、2についてです。
これは実際の試験においても言えることですが、
実技試験は、問題の最初から順番に取り組むのが、最も解きやすいのです。
試験では「分からない問題は飛ばして解く」というのが定石です。
確かに、3つの大問で試験が構成されていたとして、
それらの3つが互いに関連が薄い場合は、この戦術が有効です。
(例:社会科の試験で、問1が歴史・問2が地理・問3が公民の問題)
しかしながら、気象予報士試験では、
問題全体が、ある時期における気象事例を取り上げているため、
多くの場合において、各問は互いに関連しています。
具体的には、問1では実況資料を用い、問2では総観スケールの予想資料を用い、
問3ではメソスケールの予想資料を用いるといった形で、
見るべき資料は異なるものの、テーマは概ね共通しています。
しかも、先に出てくる問題や解答の内容が、
後に出てくる問題のヒント・前提になっているものも見られます。
例えば、作図問題が出てきた後で、
完成した作図からの読み取りが、次の問題になっていることもあります。
言ってみれば、試験全体が大河を構成していて、
川の流れに乗る形で、上流から順に進めていくと、
スムーズに解けるような構成になっているのです。
最後に、3についてです。
実技試験において資料の読み取りが重要であるのはもちろんですが、
意外に軽視しがちなのが、問題文の読み取りです。
問題文には、解答を導き出すための要素が詰まっています。
というより、問題文の内容によって解答要素は決定されるのであり、
これを熟読したうえで、資料を読み解かないと、
適切な解答要素は導き出せません。
例えてみれば、問題作成者がミットを構えているところに、
ボールを投げなければいけないわけですが、
捕手(問題作成者)のサインをキチンと読み取れなければ、
投手(受験生)は暴投してしまうことになるわけです。
問題文を読み取る際には、何を問われているのか、
解答に際してどんな指示が出ているのかを入念に読み取ることが重要です。
長い問題文であれば、題意と指示を読み取るのが大変ですから、
例えば、文中において、題意を示す箇所を赤ボールペンで、
指示を示す箇所を青ボールペンで引くのも良いでしょう。
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137、日常生活とつながりがあるから、気象の勉強は面白い。
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気象予報士試験の勉強で、多くの方が苦労されるのは、
この試験が持つ理数的な側面ではないでしょうか。
それほど複雑な数式が出てくるわけではないとはいえ、
細かいことを1つ1つ学習していくのは、なかなか大変です。
「気象法規」の部分で行き詰まって、勉強を投げ出す人は少なくても、
「大気の力学」や「大気の熱力学」の部分で、苦戦する人は多いはずです。
世の中には、数多くの勉強がありますが、
それらは「真理の探究」と「実学」という2つの面を持っています。
気象予報士試験の学習は、後者の色合いが強いのです。
気象予報士試験の範囲であれば、多くの学習内容は、
「それが実際の気象現象とどのように関係しているか」
という視点で捉えられるものが多いです。
一見、些末で小難しいだけのように思える話であっても、
実際の現象と関連していれば、面白く感じるものです。
例えば、「降水過程」の単元では、
雲の中で水滴や氷の粒がどのように発達していくのかを勉強します。
このときに、少しややこしい理屈について学ぶ必要があるのですが、
それを知ることで、なぜ雲から雨が降るのかが分かります。
また、90℃の湯に浸かれば、大やけどをしますが、
90℃のサウナなら、数分くらいは入っていることができます。
なぜ、それが可能であるかを知るためには、
水が、氷や水蒸気に姿を変えること、
姿を変える際に、熱を放出したり、吸収したりすることを、
知る必要があるわけです。
地球大気の底で生活している我々にとって、
大気の流れや、それによって生じる天気は、密接な関係があります。
無味乾燥に感じる学習内容の中に、
「生きた気象の知識」が入っていることを確認すれば、
受験勉強も楽しくなることでしょう。
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138、目だけでなく、耳も使う。
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最近、NHKの高校講座をよく視聴しています。
教育テレビやラジオ第2放送で流れている番組ですが、
今ではインターネットで視聴できるようになっています。
放送時間に合わせて、テレビやラジオの前に座ったり、
録画や録音のタイマー予約をするのは面倒だと感じる方も多いでしょう。
インターネットなら、放送済みの番組を全部視聴できます。
昨年度に放送されたものは、最初から最後まで揃っていますので、
興味のあるものだけを選べば良いわけです。
(「ライブラリー」というところに入っています。)
私がよく見ているのは、テレビ講座の「世界史」です。
高校時代に、10段階評価(10が最良)で「1」を取ったこともある科目です。
カタカタの長い人名が全く頭に入りませんでした。
日本史は好きで、外国の歴史にも興味はあるのですが、
全体の流れがキチンと掴めないので、本を読んでも頭に入ってこないのです。
そんな私にとって、映像による授業は興味を持って視ることができました。
本と違って、耳からも情報が飛び込んでくるので、理解度が高まるのです。
私は作業をしながら、番組を再生することも多いのですが、
ちょっと聞き漏らしたりして、意味が分からなくなったときは、
映像を少し戻して、もう一度再生することにしています。
何度でも繰り返して視ることができるのは良いですね。
もちろん、時間が空いたときに少しずつ見ていくこともできます。
この「世界史」は、ただテキストを丸読みするような授業ではなく、
「なぜ○○になったのか?」「□□ということは、△△を意味するのか?」
といった問いかけと、それに対する回答が盛り込まれています。
つまり、「疑問→納得」を耳で繰り返していくうちに、
少しずつ理解が深まるという感じです。
この高校講座のシリーズの中には、気象予報士試験とも関係のある、
テレビ講座の「地学」もあります。
特に、コリオリ力の理解には、苦戦される方が多いと思いますが、
実験映像が紹介されていますので一見の価値ありです。
高校講座HOME >> ライブラリーTOP >> 地学 >> 第34回 大気の大循環において、
番組開始10分後~16分後が、コリオリ力の説明部分です。
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139、「分からないことノート」を作る。
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受験勉強の第一歩は、「分からないところを見つけること」です。
「分からない部分は無い/見つからない」というのは、
勉強が完璧に仕上がっているか、思うように進んでいないかのどちらかであり、
たいていは後者であると考えられます。
1,何が分からないのかを把握する。
2,「分からない」を「分かる!」に変える。
3,理解できたものを頭の中に入れる。
結局、受験勉強とは、この作業の繰り返しであり、
レベルアップのためには、これを続けることが重要です。
「理解できない」と感じることは、決して気分の良いものではありませんが、
ここから勉強がスタートするのですから、
気軽に「分からないこと」を見つけていくことが大切です。
例えば、実技試験で「等圧線を引く」という問題がありますが、
その方法について書かれた文章を、ただ流し読みするだけでは、
なかなか疑問点が湧いてこないというものです。
しかし、実際に資料と向き合いながら、等圧線を引こうとすると、
分からないことが数多く出てきます。
例えば、次のようなものです。
・前線を跨ぐ際には、どちら側に等圧線を曲げるのか?
・不整合が生じないように等圧線を引く秘訣はないものか?
・海上の沖合にも等圧線を引くべきか?
・観測点の風向と等圧線の走向には、どのような関係があるか?
このように、学習を進めている最中で「ん?」と感じたときは、
そのことを記録しておくことが重要です。
私は本を読んでいて、疑問に感じたことがありながら、
そのこと自体を忘れてしまったことが何度もあります。
記憶に残っていない疑問は解決できませんし、
そもそも「解決せねば!」という意識も消えているものです。
ですから、思いついたときに書き留めておく必要があります。
読書中における「?」は、その本に書き込むのも1つの方法ですが、
疑問点を一元化するという点で考えれば、
「分からないことノート」を作成するのが一番です。
文房具屋さんに行けば、いろんなサイズのノートが売っています。
大きめのA4ノートが良いという人もいれば、
小さいほうが持ち歩きやすいという人もいるでしょう。
自分に合った大きさのノートを用意してみましょう。
以前にメルマガで書きましたが、私はコクヨの小さなノートを使っています。
縦10.2cm・横7.2cmなので、ポケットに入れて持ち運べるのがいいですね。
サイズは小さくても、結構いろいろなことを書けるものです。
「分からない」ことがあぶり出されてくれば、
あとは、それを1つずつ解消していく作業に入ります。
もちろん、それが勉強の一番大変なところなのですが、
本で調べる、ネットで調べる、知っている人に尋ねる、など、
方法を尽くして、「?」を「!」に変えていくことができれば、
そのぶんだけ、勉強が進んだことになります。
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140、成功する受験生になるために、押さえたいツボ
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受験勉強を成功させるために大切な、3つのポイントを以下に挙げます。
1,取捨選択する。
2,時間は分割して捉える。
3,必要に応じて軌道修正を行う。
まず、1ですが、人間が持っている体力と気力と時間は有限だということです。
どんなにタフな人間でも、使えるエネルギーには限りがあります。
通勤電車の中で新聞を端から端まで全部読む人は、ほとんどいないはずです。
駅に着くまでの限られた時間の中で、読む記事を選ぶのと同じように、
勉強も取捨選択しなければなりません。
意欲的な方ほど、「あの資格も、この資格も取りたい。」と思うものですが、
手を広げ過ぎると、どれも中途半端に終わってしまいます。
気象予報士を志す以上、この勉強に集中することこそが合格への近道です。
また、受験科目を絞り込むことも、大切な取捨選択の1つです。
もし、気象予報士試験で学科試験の受験免除が認められていなければ、
合格率はもっと低くなっていたことでしょう。
一般知識試験→専門知識試験→実技試験と、
1つずつ階段を上っていく方法こそ、メリットが大きいと考えます。
次に2です。
時間を、ある程度の長さごとに区切って捉えていきましょう。
学生時代における、長い夏休みを思い出して下さい。
「長すぎる自由時間」は、持て余してしまいがちです。
1か月や1日というのは、天体の動きから作り出されたものですが、
1週間という概念は、人類(もしくは神?)による素晴らしい発明品です。
川のように流れる時間に、さまざまな種類の目盛りを打ち込むことで、
我々は、時を上手く使うことができます。
受験勉強の際にも、「土日祝の午前中」とか、
「朝に目が覚めてから朝食まで」など、時間を区切って使うと良いでしょう。
私は以前から、「勉強は習慣づけるのが大切」と述べていますが、
決まった時間帯を勉強に充てることで、習慣化しやすいという利点があります。
最後に、3です。
合格を目指して学習計画を立てても、いろいろな事情があって、
計画通りには、勉強がなかなか進まないこともあるかと思います。
そのとき、「せっかく計画を立てたのだから、ちゃんと実行しないとダメだ」
と考えてしまいがちです。
中には、これまでの勉強の遅れを取り戻したいという気持ちもあって、
さらにハードな学習スケジュールを組む方もおられるかも知れません。
しかし、「理想(計画)」と「現実」に大きな解離が生じてしまうのは、
そもそも、その計画自体に無理があると判断されるのです。
ド根性で遂行しようとしても、長続きしない可能性が高いので、
この場合は、学習計画を修正したほうが良いのです。
気象予報士試験は、長期戦を要する難関資格であり、
朝起きてトイレに行くくらいの自然な感覚で、机に向かう習慣を付けないと、
合格を勝ち取るのは厳しいと考えています。
確実に進められる計画を立て、それが軌道に乗ったことを確認したうえで、
余裕があるなら、少しずつハードルを高めていく、という方法が良いでしょう。
試験勉強は、鉄道のレールと同じようなものだと考えます。
毎日、列車が通過するからこそ、レールは綺麗に磨き上げられています。
しかし、列車が通らなくなれば、すぐにレールには茶色いサビが浮き、
敷石の合間から雑草が茂ってくることになります。
少しずつで良いですから、着実に実行できる学習計画を立て、
目標に向けて、進んでいきましょう。
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141、行き詰まったときはペンを動かせ。
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貴重な時間をやりくりして勉強を行う場合、
「読む」または「聴く」という行為が主体になると思います。
例えば、駅や電車の中での時間を利用する際に、本を広げる人は多いはずです。
車内の混雑が特にひどい状況で、本を開くことができなくても、
イヤホンやヘッドホンを使って、耳から学ぶという方法があります。
「読む」または「聴く」という勉強法は、ともに基本的な進め方ですが、
それだけでは、内容が頭によく入らないことがあります。
こんなときの打開策としてお勧めするのが、「書き写す」という手法です。
本に書かれた内容をノートに書き写すというのは、なかなか大変です。
まず時間がかかります。そして手が疲れます。
しかし、時間がかかるということは、書かれた内容について、
じっくりと頭の中で整理できるということであり、
複雑な内容を理解するためには向いていると言えます。
「読む」「聴く」は、受け身の学習であると言えますが、
「書き写す」は、文字列を読んだ後に自らも出力しますから、
内容が理解できているかを常に確認しながら、進める方法であると言えます。
確かに、「流し読み」「聞き流す」といった行為はあっても、
「書き流す」というのは聞いたことがありません。
ペンを動かして学ぶ手法は、計算を含む問題について特に効果的です。
目で数式を追うだけよりも、手を使って書き進めたほうが、
深い理解を得られることでしょう。
私の受験時代には、法律の条文を書き写すという勉強もしました。
条文は一つの文が長く、論理の繋がりがよく分からないものもあるので、
ただ読むだけよりも、自分で書き写したほうがよく理解できると考えたのです。
パソコンによるタイピングでも、似た効果が得られるように思います。
たしか、若き日の勝海舟だったと思うのですが、
貴重な洋書を借りてきて、1冊丸ごと書き写したというエピソードを、
テレビか何かで目にした記憶があります。
書物が高額で、コピー機が無かった時代で、必要に迫られたとはいえ、
この書き写すという行為は、大きな勉強の成果を生み出したはずです。
今は、本を1冊コピーすることも、わりと簡単にできますし、
ネット上の文章なら、一瞬でコピーできるわけですが、
便利な時代だからこそ、筆写の効果が見えにくくなっているように思います。
面倒くさくても、有効な学習法として活用できるものがあるということです。
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142、試験前2週間で集中的に取り組みたいこと。
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試験までの残り時間が限られている中で、取り組んでおかれると有効なのは、
「記憶の確認」と「作図の練習」であると私は考えています。
試験には思考力だけでなく、知識量も問われます。
特に、一般知識試験における気象法規は、覚えるべきことも多いですね。
全ての条文を丸暗記する必要はありませんが、
過去に穴埋め問題が出題された箇所に関しては、
内容を充分に押さえておくことが大切です。
また、注意報や警報の名称や、その内容に関しても、
専門知識試験や実技試験で、問われる可能性がある部分です。
こういった部分についても、もう一度確認しておかれることをお勧めします。
壁に塗ったペンキが、日が経つと徐々に薄くなっていくように、
一度学んだ知識は、時間経過とともに少しずつ忘れていくものです。
そこで、試験直前において、もう一度ペンキを塗り直すことで、
正確な知識を定着させておきましょう。
「作図の練習」とは、実技試験に出題される、
等値線や前線の作図問題のことです。
正確な作図を短時間で仕上げるためには、慣れが必要であり、
試験直前に練習しておかれることをお勧めします。
作図の方法そのものについて、丁寧に学習することは大切ですが、
上達のためには、実際に鉛筆を握って練習を繰り返すことも必要です。
もし、描いたものを添削してもらえる場があれば、
さらに効率的に上達できることでしょう。
NHKラジオを聴いて、天気図を描いた経験のある方ならご存じだと思いますが、
慣れるほどに、素早く天気図を仕上げることができるようになります。
最初は、放送内容が速すぎて聞き取れないので、予め録音したうえで、
再生と停止を繰り返しながら、少しずつ書き取っていきます。
1枚の天気図ができあがるのに、2時間ほどかかった記憶があります。
しかし、慣れれば、ラジオの放送を聴いて。そのまま天気図に記入でき、
20分の放送時間が終了した後、10分程度で仕上げられるようになります。
たいていの実技試験では、何らかの作図問題が出てきます。
基本となる作図の練習を充分に行っておけば、
本試験で同種の問題が出たときに、時間短縮が期待できます。
それは、他の問題に取り組める時間を長く確保することにもなるのです。
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143、実技の壁が高い人と低い人
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実技試験で苦労される方は多いのですが、
その理由の1つとして、学科試験範囲における学習の充実度にある、
と私は考えています。
実技試験を「花」に例えれば、学科試験は「茎」や「根」です。
土台となる知識が充分かどうかが、
実技試験の勉強の進捗に、大きく関わってくるということです。
具体的なお話をしましょう。
衛星画像や状態曲線の読み取りは、実技試験の定番ですが、
そのためには、放射・熱力学の知識を必要とします。
水蒸気画像の仕組みが理解できてこそ、暗域の意味が分かるのであり、
状態曲線を読み取れるからこそ、鉛直安定度を把握できるのです。
また、「温度移流」「風のシアー」といった用語が、
実技試験の問題文や解答例によく出てきますが、
これらの用語の把握が曖昧だと、題意に対応した答案を書くのは困難です。
さらに、作図問題として、前線解析が頻繁に登場しますが、
「前線と前線面の違いは何か」「温暖型閉塞と寒冷型閉塞の違いは何か」
などの点から、丁寧に押さえておかれることが大切です。
作図問題はフィーリングではなく、合理的に解くものですので、
その背景にある知識・理屈を学ぶことが必要なのです。
ご承知のとおり、実技と学科では解答形式がまるで異なります。
記号選択式である学科試験では、消去法で正答を導き出せる場合もあります。
例えば、「誤っている記号を1つ選べ」と問われた際に、
ある1つの選択肢についてのみ、「確実に誤り」と判断できれば、
残りの選択肢の正誤は判断できなくても、正解がもらえるわけです。
しかし、実技試験は文章や作図で解答する問題が大半を占めます。
知識不足や誤解があった際に、それが答案という形で露呈しやすいのです。
実技試験の勉強の進み具合がイマイチだ、とお感じの場合は、
学科試験の範囲における一部の科目に不十分な点がある可能性が考えられます。
学科試験の合否に関係なく、復習されることが大切です。
合格している学科試験の科目を勉強するなどというのは、
無駄なことだとお感じになるかも知れませんが、
そうではなく、実技試験のための土台を学ぶのだということです。
「天気図などの資料は、慣れが大切」とよく言います。私もそう思います。
しかし、「数多く見ていれば、自然に読み取れるようになる」
というのとは、少し違います。
何千枚もの天気図を漠然と眺めていても、
背景となる知識や、それに基づいた着眼点が無ければ、
天気図から読み取れることはあまり増えない、私はそう考えます。
新聞を読むときと同じで、国際面を読む際には世界情勢の知識、
経済面を読む際には経済の流れを把握していることが大切です。
例えば、テレビでニュースを分かりやすく解説している番組がありますが、
そういったもので知識を養っていくのと、何もしないのとでは、
同じ「1ドル=83円突破」という記事を目にしても、
頭の中を駆け巡るものが変わるはずです。
天気図などの気象資料も同じで、キチンと読み取って、
問題に対して適切に解答するためには、
それを導くための知識が大切だと思います。
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144、学習計画は逆算で立てる。
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次の試験を見据えたとき、まず行うべきことは、
「何を目標にするか」ということです。
完全合格、学科2科合格、学科1科合格といった目標を、
明確にしておくことが大切です。
「試験を受けるからには、完全合格に決まっている」というのは正論ですが、
一般・専門・実技の全ての勉強を進めていくというのは、
科目あたりにかけられる時間と労力が少なくなることを意味します。
三兎を狙って、一兎も得られないということでは、残念です。
応用度を考えれば、一般→専門→実技という順序がある以上、
まずは、一般知識試験に集中するといった方法が、
最も順当な勉強法であると考えています。
一般知識試験の内容がバッチリだからこそ、
専門知識試験・実技試験の基礎も固まるというものです。
次回試験で、一般知識に集中するか、
それとも、一般知識と専門知識の両方を狙うか、については、
試験日から現在に向かって逆算することで、考えてみるのが良いでしょう。
両方の学科試験ともに、合格への経路は、
「基礎学習」→「過去問題演習」という形をとります。
1つの学科試験で400問の過去問題演習を行うとして、
1日に10問ずつ勉強するのであれば、40日かかります。
1問10分で演習できる問題もあれば、30分以上かかる問題もあるでしょうから、
1日10問の演習というのは、決して楽でありません。
さらに、基礎学習を行うために必要な時間も考え、
合計でどれくらいの時間を要するかを計算してみて下さい。
これを、試験までに使える時間と照合するのです。
2科合格を狙うなら、必要な時間は2倍です。
なお、計画を立てる際には、よく無理をしてしまうことがありますので、
余裕のあるプランを立てておかれることが大切です。
「分からないところを見つかって、勉強をやり直してみると、
想定以上に時間がかかってしまった。」というのはよくあることです。
厳し過ぎる計画は、途中で挫折を生み出し、
目標を達成できる可能性を下げてしまうことを意味します。
こうやって考えていきますと、次の試験に向けて、
「現実的で、良い結果につながりやすい目標」が見えてくるはずです。
線路を引いた後は、早速列車を走らせることにしましょう。
早く始めたほうが、勉強に充てられる時間が長くなるのですから。
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145、頑張れるための「つながり」を作る。
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「継続的な努力が大切です。毎日1時間は勉強しましょう。」
「試験が終わって一息つきたいところですが、早く勉強を再開しましょう。」
このメルマガで、私がよく書いていることです。
・・・とは言え、実際に行動に移すのはなかなか簡単ではありません。
これは私自身の経験ですが、試験が終わってしまうと、
ガスの抜けた風船のような状態になってしまい、
気持ちを立て直すことが、とても難しかったことを思い出します。
試験勉強の大変さというのは、試験問題そのものの難しさだけではなく、
「受験勉強を続けよう」という意志を継続することの難しさも含みます。
むしろ、そのほうが本質的に重要だと考えています。
人間は気持ちが入らないことに対しては、上手くできないと思うからです。
では、気持ちを切り替える方法とは何か?、ということですが、
1つの有効な手段は、「人とのつながりを作ること」だと考えています。
オリンピックなどで活躍する一流選手でも、その競技を始めたキッカケは、
「兄がやっていて、自分もしてみたいと思ったから」とか、
「友達に誘われたから」といったものが意外に多いです。
競技内容に惚れ込むといった次元の話は、その先であって、
まずは、誰かの影響を受ける形でスタートすることがよくあります。
また、学生時代の部活動で厳しい練習を経験された方も多いと思います。
例えば、野球部であれば、ダッシュ往復30本、素振り100回、
ティーバッティング200球、ノック1時間といったメニューも、
部員全員(+監督)で行うからこそ、やり遂げられるのであり、
もし、たった一人で行うことになれば、苦しさは倍増することでしょう。
それどころか、サボりたい気持ちが、あちこちから湧いてくるはずです。
純粋に自分のためのトレーニングであっても、周囲の目は大切なのです。
試験勉強にも似たところがあって、
「□□さんと一緒に頑張っていこう(仲間としてのつながり)」
「○○君には負けたくない(ライバルとしてのつながり)」
といった気持ちがあると、体が机や本に向かって動きやすくなるのです。
また、試験勉強を進めていく過程の中では、
「この人に聞けば、疑問が解決する」という「つながり」も有効です。
このメルマガも、1つの「つながり」という意味で発行しています。
私が「つながり」を強調するのは、
自分自身が気象予報士試験受験生としての「つながり」を、
ほとんど持たずに勉強せざるを得なかったからです。
運良く3度目で合格をいただきましたが、
もし、あのとき失敗していたら、4度目の受験はできなかったかも知れません。
試験合格という形で、受験勉強を完結させたいものです。
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146、種を蒔かねば、果実は得られない。
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先日に行われた気象予報士試験の合格発表で、新たな合格者が生まれました。
発表とともに、合格は瞬間的に訪れるわけですが、
そこに至るまでには、多くの年月を必要とします。
私が知っている方で、受験勉強開始から1年以内に合格されたのは2人だけです。
気象予報士試験の学習に、相当の時間を費やせる環境がないと、
まず無理であると言えるでしょう。
本業と両立する形で、この試験に挑戦する場合、
1年半~2年というのが、現実的に考えられる最短期間と捉えています。
諸事情により、一時的に勉強時間を確保できなくなることもあるでしょうから、
実際には、もう少し長くなる方のほうが多いでしょう。
世の中には、いろいろな資格があります。
例えれば、カイワレ大根のように、
種を蒔いて短期間で収穫できるものもある一方で、
「桃栗三年柿八年」と言われるように、
果実を得るまでに年月を要するものもあるわけです。
カイワレ大根の味も乙なものですが、桃や栗の旨さを味わいたいのであれば、
種を蒔き、水をやり、害虫を駆除して、大切に育てなければなりません。
気象予報士試験もこれと似ていて、合格までに相当の時間を要しますから、
本気で合格を目指すためには、長期的な戦略を描く必要があります。
「今すぐに結果がほしい」という気持ちを抑えて、
じっくりと育成していくことは、貯金・貯蓄に似ているような気がします。
資格試験の勉強とは、頭の中への投資であるとも言えるでしょう。
仮に、今(2010年10月)から勉強を始めた場合、
考えられる最短の経路であっても、合格証を手にできるのは2012年です。
これを「長い」と感じる方もおられることでしょう。
でも、今から始める人のほうが、後から始める人よりも、
早く合格を手にできる可能性が高いはずです。
果実を手に入れるためには、まず種を蒔くことから始まるのです。
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147、勉強を携帯する。
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次の試験まで3か月というのは、
およそ半年に一度行われる気象予報士試験にとって、
中だるみしやすい時期でもあります。
前の試験の結果が明らかになり、そろそろ本腰を入れて、
勉強に取り掛からねばならない時期であるにもかかわらず、
なかなかエンジンがかからないとお感じになる方もおられるかも知れません。
こういったときは、勉強を日常生活に溶け込ませることが大切です。
「受験勉強」というと、学習机に向かって、
厳かに進めるものというイメージがありますが、
形にこだわりすぎると、かえって勉強との距離ができてしまいます。
特に学科試験の勉強の場合、「知識を吸収する」という面が大きいので、
細切れの時間でも、受験勉強を進めることは十分に可能です。
10分でも集中できれば、そのぶんだけレベルアップするはずです。
自宅外の勉強の場として、多くの方が活用されるのが電車の中です。
ただ、混雑の度合いがひどすぎると、勉強どころではなくなるので、
可能であれば、次のような方法で環境を整えたいところです。
1つは鈍行列車を選ぶこと、もう1つは座席指定の列車を使うことです。
鉄道会社や路線によって異なりますので、一概には言えませんが、
停車駅の少ない「通勤快速」のような列車は、混雑が激しいです。
誰でも、通勤や通学の時間を最短にしたいと考えるのですから、当然です。
それに比べて、各駅停車のような列車は比較的空いており、
「移動式勉強部屋」としての価値は高いと言えます。
また、座席指定券を別に購入することで、
確実に座れる列車が運行されている沿線もあります。
料金が別にかかってしまいますが、これで勉強時間を確保できるわけですから、
活用してみるというのも、1つの方法です。
「せっかくカネを払っているのだから、しっかり集中して取り組もう」
という気持ちが生まれるのであれば、有効な手法だと思います。
ちょっとした時間を使って勉強する際のコツは、道具を極力絞り込むことです。
荷物が重くなるほど、勉強意欲が萎えます。
例えば、本一冊とボールペンだけでも良いのです。
本を読み、線を引き、必要であれば書き込む。これだけで知識が入ります。
特に2色以上のボールペンは、色を変えて書くことができて便利です。
(ちなみに、私は4色ボールペンを愛用しています。)
最近は、スマートフォンや携帯オーディオプレイヤーを使って、
勉強される方もおられるようで、これも有効な学習法であると言えます。
5分や10分という短い時間であっても、
勉強を身近に置くことで、学習習慣の定着に繋がってきます。
ちょっとした時間と、ちょっとした場所を、大いに活用していきましょう。
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148、体調管理も試験対策のうち。
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「僕はお腹が弱いので、出演前には生ものを控えるようにしている。」
ある気象キャスターは、私にそう言いました。
番組でベストを尽くせるように、最低でも番組に穴を開けないように。
華やかに見えるキャスターの仕事は、
禁欲的とも言える自律により支えられていたのです。
私の場合、幸いなことに、急な体調不良で、
いきなり出演できなくなるようなことは一度もありませんでした。
それでも、本番中に急激な腹痛が起こったり、
(午前2時に起きて、冷えたバナナを3本食べたのが原因と思われる。)
本番約2分前に嘔吐した経験もあります。(胃腸風邪と思われる。)
体調不良のときこそ、普段の健康な状態のありがたみがよく分かります。
気象予報士試験の勉強も同じです。
本業をお持ちのうえで、追加的にこの勉強をする人が多いはずです。
忙しい中で、時間を見つけて勉強に励むためには、
普段の体調を維持できるのが理想的です。
風邪を引いて熱が出ている状態では、受験勉強どころではありません。
体調管理の方法は、人それぞれだと思いますが、
私は「よく寝る」というのが大事だと考えています。
以前の私は「目が開く限りは、起きている」という感じで、
午前3時から仕事であるにもかかわらず、
終電に乗っていることも珍しくありませんでした。
しかし、当時はノドや鼻の奥が炎症を起こすことがよくあり、
奥歯(親知らず)が腫れて痛むことも頻繁に起こりました。
オーバーワークだったのだと思います。
食事・栄養ドリンク・風呂・マッサージなど、
体力を回復させるための手段はいろいろありますが、
中でも「寝る」という行為は、とても重要だと感じます。
よく寝ることで、頭も体もスッキリし、
勉強にも集中できるのだと考えています。
寝ぼけながらの1時間の勉強よりも、スッキリした頭での15分の勉強のほうが、
学習効率が高いと私は確信しています。
年末が近づくにつれ、忘年会などのイベントが多くなると、
ついつい夜が遅くなりがちです。
可能であれば、一次会で切り上げて早めに帰ることで、
勉強時間と体力を確保したいところです。
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149、数学の勉強をどこまですればよいか。
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気象予報士試験には、計算問題が出てくることがあります。
こういった問題を解くためには、数学の知識が必要ですが、
では、実際のところ、どの程度まで勉強すれば良いのでしょうか。
今回は、これに対する私の捉え方を述べます。
まず、義務教育で勉強する算数・数学の知識は必須と考えます。
これに加えて、指数と三角比については、試験でよく登場しますので、
「10のマイナス3乗とは、どんな値なのか」とか、
「cos60°とは、どういう意味か」などは、しっかり固める必要があります。
それ以外については、重要度が比較的低いと考えています。
もちろん、知識というのは多いほうが良いに決まっています。
数学の実力に関しても同様で、より複雑なことをマスターしているほうが、
試験対策において、得であるのは言うまでもありません。
また、上記で触れた内容を超える数学の知識を必要とする問題が、
過去に出されたことがあるのも事実です。
しかしながら、気象予報士試験の範囲は広く、
数学の勉強ばかりに時間を割くわけにはいきません。
実際のところ、「微積分を駆使しなければ解答不可能」という問題は、
ほとんど無かったのではないか、というのが私の印象です。
もし、気象予報士試験に出てくる計算問題の大半が、
「最低でも高校数学をマスターしていないと解けない」のであれば、
いわゆる文系の受験生にとって、合格のハードルは相当に高くなります。
しかしながら、合格を勝ち取られる方が理工系出身に限られている、
ということもありません。私自身も文学部出身です。
気象予報士試験として出題される内容は、
「基礎的な気象学」「実際の予報業務」「環境問題」「関連法規」などで、
気象に関する多方面の分野について、広く浅く学ぶというメニューです。
もし、気象の研究者を志すのであれば、高度な数学の学習は必須ですが、
気象予報士試験では、そこまでの水準は要求されません。
重要なのは、数式が示す内容を明確なイメージとして把握することであり、
それができれば、文で書かれた選択肢の正誤を判断できると考えます。
ですから、数学に対して過度に恐れる必要は無いと思います。
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150、実技試験の勉強には集中できる長時間を用意する。
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「学科試験は何とかなるが、実技試験がなかなか大変・・・」
という受験生は少なくないと思います。
その理由として、学科試験は5つの選択肢から選ぶ解答形式であるのに対し、
実技試験は、文や作図で解答する問題が大半を占めることが挙げられます。
別の表現をすれば、消去法というテクニックを使えることもある学科試験と、
文や作図によって受験生の思考過程が顕わになるため、
知識不足を誤魔化せない実技試験という分類もできるわけです。
実技試験の勉強に取り組むうえで、認識していただきたいのは、
学科試験の勉強スタイルを、そのまま適用できないこともあるということです。
学科試験の学習内容は、細分化しやすいものが多いです。
「ドップラーレーダー」「熱力学第一法則」「災害対策基本法第61条」
といったように、学ぶ範囲を細かく絞り込み、
少しずつ学習を進めていくことが比較的容易です。
過去問題演習についても、1科目の試験で出題される15題をバラバラにし、
1題ずつ進めていくことができます。
一方、実技試験の場合は、問題に登場する資料の数も多く、
さまざまな知識を組み合わせた総合問題という性質を持っているうえ、
問題全体が1つの大きな流れを作っていることが多いです。
例えば、問1で実況図を見たうえで解答し、
問2では総観スケールの予想図を見て解答し、
問3ではメソスケールの予想図を見て解答する、といったパターンです。
私は、実技試験の問題に取り組む際の心構えとして、
「なるべく出題される順に解いていって下さい。
いきなり問3から解き始めるのは不利です。」
といったことをよく申し上げます。
それは、問題全体が大きな流れを作っているため、
流れに乗って解いたほうが、出題者の意図が見えやすいということ、
また、前に出てきた問題内容を前提とした出題が結構あることが理由です。
前述のように、学科試験の勉強は、学習範囲の細分化によって、
5分・10分といったスキマ時間を活用しやすい科目です。
しかし、実技試験の勉強は、特に問題演習における細分化が難しく、
できれば、長時間にわたって没頭できる学習環境が望ましいのです。
実技試験で正答を得るためには、適切な答案を書くことですが、
そのために必要なのは、問題文と資料をじっくりと読み込み、
題意と指示を正確に認識することです。
細切れの時間では、この作業を丁寧に行うことが困難だと考えます。
実技試験の勉強に取り組まれる場合は、
最低でも1時間程度のまとまった時間を確保されることをお勧めします。
長時間にわたって集中できる環境で勉強すれば、
問題や資料と丁寧に向き合うことができます。
それが実技試験の実力を高めるために、必要なことだと私は考えています。