藤田真司の気象予報士塾は、気象予報士試験合格をトコトン応援する通信型の塾(予備校)です。

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  501、第61回試験で合格を勝ち獲られた方々からのメッセージ
  502、短期決戦をものにするために。
  503、紙媒体と電子媒体、どちらで勉強する?
  504、いつからでも、やり直せる。
  505、気象予報士試験の勉強で、視野を広げ、専門性を深める。
  506、実技試験対策で必須の勉強とは


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第501話 第61回試験で合格を勝ち獲られた方々からのメッセージ
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第62回試験まで、残りわずかとなりました。
前回の第61回試験において合格を勝ち獲られた皆様が、
直前期や試験当日にどのように過ごされていたのか、合格体験記から一部を引用します。

つい半年ほど前に、皆様と同じように受験勉強に取り組んでおられた方々のリアルな声であり、
もはや私のコメントは不要でしょう。
第62回試験に臨まれる皆様にとって大いに役立つことを確信しています。


> わたしはケアレスミスが多かったため、
> ケアレスミスだけを抽出し、試験直前はそれを読んでいました。
●空飛ぶいるか さん(男性・46歳・ヘリコプター操縦士・千葉県)の合格体験記より



> 試験直前には、過去問で間違えたところや弱い部分をルーズリーフに書き出し、
> 試験会場ではそれのみを見るようにしました。
●YUTOさん(男性・15歳・中学3年生・東京都)の合格体験記より



> ・満点じゃなくても合格できる
> ・迷っても慌てない
> ・自分のやってきたことを100%信じる
> この3つのことを試験前に毎日唱えていました。試験直前はメンタル勝負でした。
●空の色 さん(女性・49歳・埼玉県)の合格体験記より



> ケアレスミスで落とす点数が少なくなるように、
> 当日の体調をできるだけよくすることを前日から特に意識していました。
> 規則正しい生活で夜は7時間ほどの睡眠、
> 試験前や試験の休憩時間にはチョコレートを食べてリフレッシュするなどしていました。
> やはり61回の試験でもミスはありましたが、
> そこまで大きく落とすことなくいつも通りの力は発揮できたと思います。
●Tさん(男性・20代・東京都・販売員)の合格体験記より



> そして臨んだ61回試験。
> 「この解答を落としてみろ」という気持ちで試験会場を後にし、
> 念願の合格を掴み取ることができました。
●Iさん(女性・20代・放送局アナウンス職)の合格体験記より





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第502話 短期決戦をものにするために。
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まだ昨日に試験が終わったばかりですが、
今回の試験で学科2科合格を揃えることを目標とされてきた受験生の皆様は、
目標達成が確認でき次第、実技試験の勉強に着手されることをお勧めします。

気象予報士試験は年に2回行われますが、その日程には少し偏りがあり、
1月試験から8月試験までの期間が約7か月あるのに対し、
8月試験から1月試験までの期間は約5か月しか無いのです。

そのうえ、今回の試験の合格発表日は10月11日(金)ですから、
その時点で、2025年1月実施予定の第63回試験まで3か月半に迫ることになります。
これを夏の試験に向けた日程に当てはめて考えますと、
5月の大型連休が終わったくらいの時期です。
この時点で受験準備を再開するのは、明らかに出遅れ感が強いです。

特に実技試験に関しては、答案作成(作文・作図)のトレーニングという、
学科試験には全く必要とされないスキルが求められるため、
その習得には、一定以上の労力と時間を要します。

よって、1月試験で完全合格を勝ち獲るために最も有利な受験生は、
惜しくも前年8月試験で実技試験の合格最低点に僅かに及ばなかったものの、
勉強の手を緩めずに1月まで走り続けた方、ということになります。
言い換えれば、8月試験の敗者復活戦の色合いが強いと、私は解釈しています。

8月試験まで主として学科試験の勉強に取り組んでこられた受験生の場合、
前述のような「実技浪人」の受験生を猛追することが求められ、
短期決戦をものにして、完全合格を勝ち獲りにいくためには、
できる限りの時間と労力の投入が必要となります。

昨日の試験で「実技のみ」だった受験生は、10月まで合否が確認できない以上、
さすがに試験日前のような全力疾走で勉強される方は少ないと思います。
(逆に言えば、それができる受験生はスゴイです。)

だからこそ、8月まで学科試験の勉強を進めてこられた受験生にとって、
1月試験での実技合格を目指すのであれば、
今から10月11日(金)までの期間こそが、差を縮める機会です。

これから合格発表日までの約45日間は、
一般的に、受験勉強の緊張感がいったん緩む時期ではあるのですが、
これをものにする受験生こそが、今後の試験を優位に進めることができると考えます。




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第503話 紙媒体と電子媒体、どちらで勉強する?
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> 実技の勉強では、問題と解答用紙は全て印刷するようにしていました。
> インクと紙をとてつもなく消費しますが、実際に紙で演習しないと意味が無い気がします。
●Rさん(男性・21歳・国立大学理学部 地球物理学分野・宮城県)


スマホ・タブレット・PCの活用は、気象予報士試験の勉強を効率的にしてくれます。
例えば、学習の過程で気付いた点を記録しておく際に、
スマホを使ってGoogle Keepなどに入力しておけば、クラウドに保存されますので、
他のデバイス(PCやタブレット)でも確認することが可能です。

私も昔は、カードサイズの小さなノートを胸ポケットに入れて持ち歩き、メモしていました。
ただ、筆記具が無いと書けないうえに、ノートそのものを紛失してしまうリスクもあり、
今では、全て電子媒体での記録にしています。

「疑問点の内容自体を忘れてしまうこと」は、受験勉強の効率を下げます。
その場その場で、すぐに記録しておくことが大切なのですね。

また、電子媒体の利点として重要なのは、検索できることです。
印刷物であれば、目次や索引だけが手がかりですが、PDFであればフリーワードで検索できますね。
そのうえ、印刷物と同じような感覚で、
文章の一部をマーカーで強調したり、書き込みを行うことも可能です。

ただ、Rさんが推奨されているように、実技試験の勉強においては、
紙媒体での学習のほうが優れている部分も多いです。

実技試験では、数多くの資料を読み取ることが求められます。
PDFであれば、自由に拡大・縮小が可能ですが、実際の試験では紙で出されますので、
原寸大の資料に慣れておくことが大切です。(必要に応じてルーペを使います。)
また、距離や速度を求める問題が毎回のように出題されますので、
これも実際に定規を当てて計測することに慣れておくことが望ましいです。

答案文を作ることについては、慣れた人にとっては入力のほうが楽ですが、
問題によっては、「漢字で」という指示が出てくることがあります。
私も普段は変換に頼っていますので、書き方を忘れてしまった漢字がありますが、
答案用紙に記入することで、この試験での頻出漢字の練習にもなります。

そして、作図問題に関しては、絶対に筆記での練習が必要だと私は考えます。
思考過程を学ぶだけであれば、電子媒体でも可能ですが、
「分かる」と「実際に描ける」は、イコールとは限りません。

実際に筆記具を使ってこそ、初めて掴める感覚があるのです。
このときに、最初から慣れた図を描くことは難しいということが実感でき、
解答用紙のコピーを何枚も取って、練習することで、
少しずつ作図技術を高めていくことができます。
そして、技術の高まりは、自ずと時間の短縮につながっていきます。

電子媒体と紙媒体の、それぞれの長所を活かす形で、
効率的に受験勉強を進めていきたいですね。




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第504話 いつからでも、やり直せる。
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> 一度勉強から離れてしまうと復帰のタイミングを見つけるのはとても難しくなります。
> 始めたら走り抜けるのが一番良い方法だと思いますが、
> 私のように10年以上のブランクがあっても、合格できるということもあります。
> どうして気象予報士になりたいのかということさえ忘れなければ、必ず合格できると私は思います。
●空の色 さん(女性・49歳・埼玉県)


受験勉強は「火」に例えることができます。
いったん消えてしまうと、再び点火するために大きな労力を要します。

忙しくても、完全に止めてしまうのではなく、トロ火でも良いので続けていると、
学習の環境が整った時点で、強火の勉強に持っていきやすいです。
特に合格発表前のこの時期は、全体の傾向として勉強から遠ざかりがちですね。

中には、数週間・数か月ではなく、年単位で勉強から離れる方もおられます。
ただ、受験勉強から長く離れてしまっても、再開はいつでも可能です。
もちろん、長い勉強のブランクで薄れてしまっている知識もありますが、
学習をやり直すことで、思い出される内容も多いことでしょう。

なお、技術的な話として、気象予報士試験の場合、
長い空白期間がありますと、必要な学習内容がある程度変わることに留意が必要です。

もちろん、基礎的な気象学の内容そのものは不変です。
例えば、地球の自転方向が変化することはありませんので、
北半球での台風や温帯低気圧に伴う循環は、反時計回りのままです。

一方で、法令の一部は改正されますし、予報技術は進歩しています。
それに伴って、気象台から発表される情報の種類にも変更が生じます。
これらは一般知識試験や専門知識試験の出題内容にも反映されることになります。

また、作成される資料も発展していますので、
実技試験に出てくる図も長期的に見れば変化していきます。
例えば、現在はカラーの図で出されているレーダーエコー図も、
もともとは白黒で出力されており、それが実技試験にも出ていたのですね。

もし10年ほどのブランクがあった場合、当時の過去問題をやり直すだけでは不十分で、
最新の情報を押さえたうえで、直近の過去問題演習を充実させることが大切ですね。

大切なことは、「気象予報士になりたい」という志です。
その気持ちに基づいて受験勉強を進めていかれることは、
合格に着実に近づくことを意味するのだと確信しています。




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第505話 気象予報士試験の勉強で、視野を広げ、専門性を深める。
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> 気象予報士試験の勉強のきっかけは、職を辞めて海外に移住した先輩から
> 「刑務官にしか囲まれない世界から一歩踏み出して視野をもっと広げれば
> きっと今よりいいものを見つけられるのでは」という一言でした。
●Vさん(男性・39歳・公務員(刑務官)・香港)


気象予報士試験といえば、気象会社に就職を希望される方や、
気象キャスターを志す方が勉強するもの、というイメージが強いのですが、
実際には、さまざまな方がチャレンジする裾野の広い試験です。

当塾のホームページに掲載している、試験回ごとの合格体験記では、
冒頭部に各体験記へのリンクを載せており、
その部分に合格された方のご職業等も載せております。
第61回試験での合格体験記は↓のURLでご確認になれます。
https://rojiura.jp/taikenki61.html

この部分を見てみますと、合格された方のご職業等が、
実に多岐にわたっていることがご確認になれます。
これは第61回試験に限った話ではなく、毎回の試験で言えることです。
(試験回ごとの体験記ページへのリンクは、下記URLのとおりです。)
https://rojiura.jp/taikenki.html

多くの方々が気象予報士を志す理由は、
天気・気象が多くの業界と密接に関わっているからだと思います。

例えば、ある業界Aの中では、Aに関するプロフェッショナルが集まっていますので、
Aについての専門性を持っていることは、業界Aの中では当然のことだと言えます。

その中で、気象予報士という専門資格を得ることで、
「A+気象予報士」という2つの専門性を兼ね備えることができれば、
業界Aでの希少性が高まることになります。

具体的に、第61回試験で合格された方々の中から、いくつか例を挙げれば、
 ・消防士+気象予報士(不撓不屈の男 さん)
 ・薬剤師+気象予報士(ユキマさん)
 ・不動産業者+税理士+気象予報士(Fさん)
といった方々ですね。

第2の専門性を作るという目的で、気象予報士を志す方も多いのですが、
必ずしも最初から明確な目標を設定しなくても、自分が身を置く世界と異なる勉強をすることは、
視野を広げるために、とても有意義なことだと思います。
まさに、Vさんの先輩が仰ったことですね。

旅行(特に海外)をして、普段と違った景色を眺め、
普段と違った食事をすると、今まで知らなかった視点に気付かされます。
旅行の場合は、物理的に移動することで、こうした感覚が得られますが、
家にいながらでも、例えば本や映像作品に接することでも、新たな気付きがあります。
資格試験の勉強も、この1つであると言えるでしょう。

もし、「毎日、似たようなことの繰り返しだ」とお感じであれば、
何か新しい勉強に挑戦されることをお勧めします。
勉強を始めることで、今までに無かった気付きが得られたうえで、
資格取得により専門性が加われば、最高ですね。




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第506話 実技試験対策で必須の勉強とは
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> 当日、実技2の最後の大問がかなり難しく、また時間も迫っている中で相当焦っていました。
> そのときに藤田さんの、
> 「手もつけられない問題は必ず出る。それは誰にも解けない。そこでは差はつかない。
> 過去問演習を通して理解したことを用いて解ける問題をいかに落とさずに答えられるか」
> という言葉を思い出し、残り少ない時間で、キッパリと問題の取捨選択ができました。
> 正直諦めそうになっていたんですが、その言葉がわたしの背中を押し、
> 最後の数秒まで、解けそうな問題だけに取り組みました。
■Nさん(男性・30代・関西地方・マスコミ関係・第62回試験合格)
https://rojiura.jp/taikenki62.html#1
2024年8月に行われた第62回試験における実技試験2の問3では、
従来に出題されたものとは、少し違った内容を含む問題が出されました。

問3は最後の大問でもあり、試験終了時刻も迫っている状況の中で、
当日に受験された方は、Nさんと同じように強い焦りを感じた方もおられると思います。

このような新傾向の問題が出されると、
「次の試験では、どんな新しい問題が出されるのか?」
と不安になる方がおられますが、試験対策上で、それを心配される必要は無いです。

そもそも、今回の第62回試験の合否において、
実技2の問3に含まれる新問での得点率がどれほど左右したのかといえば、
決して大きな寄与は無かったであろうと推測します。

実技試験の分量は多く、75分間で全てを解くことは大変です。
その試験で合格するような受験生でも、制限時間ギリギリという形での解答になることも多く、
中には、最後まで辿り着けなかったという方もおられるくらいです。

問題の分量が多いということは、各問に使える時間は非常に短いことを意味します。
よって、問題文を熟読した時点で、参照すべき資料が脳裏に浮かんでいて、
資料を読み取ることで解答要素が短時間で見えてくる、といった状況が求められます。
このレベルに達するために大切なことは、過去問題の徹底理解です。

実技試験で、まるまる同じ問題が出題されることはありませんが、
着目点や解釈が類似する問題はよく出ます。
過去問題を徹底的にものにすることによって、応用・類推が働くので、
初見の問題に出会っても、解法の道筋がスーッと見えるのですね。

逆に言えば、過去問題演習が足りていないと、解法は見えません。
よって、こうした全体の大半を占める問題においては、
過去問題演習の練度によって、受験生間での点数差が広がりやすいのです。
つまり、ハッキリと言えば、合否の差は基本的にここで生じます。

一方、中には前述のように、少し捻りの加わった新傾向の問題も出てきますが、
これを短時間で的確に解くことは簡単ではありません。
ただ、そういった問題は、おそらく他の受験生にとっても「難問」だと感じられるはずであり、
この問題の正誤で、受験生間での差は付きにくいと考えられるのですね。

よって、試験対策としては、今後にどんな新傾向の問題が出るかは気にせず、
ひたすら過去問題演習を究めていくことが大切です。




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