学科試験の解答速報
藤田真司の気象予報士塾では、第63回気象予報士試験(2025年1月26日実施)における学科試験(一般・専門)の解答速報を制作しました。なお、解答速報のご利用に関しては、次の点をご確認いただけますよう、お願いいたします。
・限られた時間内でできるだけ丁寧に制作しましたが、あくまでも速報である旨をご理解・ご了承願います。最終的な自己採点は、一般財団法人気象業務支援センター様が発表される解答例にてご確認をお願いいたします。
・大変恐れ入りますが、当塾の受講生以外の方からの、解答速報の内容についてのお問い合わせには一切応じられませんので、予めご了承のほど、お願いいたします。
・実技試験の解答速報については、当塾の受講生限定の発表となります。
■一般知識試験(1月27日17時発表→1月28日7時訂正)
速報 | |
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問1 | 2 |
問2 | 1 |
問3 | 4 |
問4 | 3 |
問5 | 5 |
問6 | 2 |
問7 | |
問8 | 5 |
問9 | 2 |
問10 | 1 |
問11 | 3 |
問12 | 3 |
問13 | 5 |
問14 | 4 |
問15 | 4 |
■問1:2
(a)正:対流圏における乾燥大気の組成は、窒素が約78%、酸素が約21%、アルゴンが約1%ですから、これらを足し合わせると、ほぼ100%(≒99.9%以上)となります。
【類題】平成27年度第1回試験・一般問1(a)
(b)正:高度80kmまでは大気がよく混合されているため、乾燥大気の組成はほぼ同じです。 高度80kmよりも上空では、分子量の小さな気体(軽い気体)の割合が少しずつ多くなります。
【類題】令和2年度第2回試験・一般問1(a)
(c)誤:水蒸気の分子量は約18であり、乾燥空気の見かけの分子量である約29よりも小さいです。 水蒸気の混合比が大きいということは、空気中に含まれる水蒸気量が多いことを意味しますので、空気の平均分子量は小さくなります。
【類題】平成28年度第2回試験・一般問2
■問2:1
A:比湿の定義(水蒸気の質量/空気全体の質量)に基づいて代入すると、
10/(990+10)=10g/kg となります。
B:温度14℃のときの飽和水蒸気圧は16hPaであり、相対湿度が75%であるということは、
16hPa×0.75=12hPa が実際の水蒸気圧であると求められます。
問題文で与えられた式に代入すると、
(0.622×12)/700≒10.7g/kg となります。
C:露点温度が16℃であるということは、定圧で16℃まで冷やせば飽和するということであり、16℃のときの飽和水蒸気圧が実際の水蒸気圧となります。 具体的には18hPaであり、これらを問題文で与えられた式に代入すると、
(0.622×18)/900≒12.4g/kg となります。
【類題】平成26年度第2回試験・一般問3
■問3:4
気温減率が6℃/kmですので、標高0mと標高1200mでの気温差は、
6℃×1.2=7.2℃ となります。
標高0mでの気温が30℃ですので、
30-7.2=22.8℃ が標高1200mでの気温となります。
(標高0mでの空気塊を断熱的に標高1200mまで持ち上げるわけではないことにご留意願います。)
この標高1200mにおける空気塊を山頂まで持ち上げ、さらに標高0mまで下降させるわけですが、問題文に「水蒸気の凝結は起こらないものとする」とありますので、 「標高1200m→標高1500mへの移動」と「標高1500m→標高1200mへの移動」を考えずに、「標高1200m→標高0mへの移動」だけを考えたほうが早く計算できます。 乾燥断熱減率での変化ですから、12℃の昇温となるのであり、
22.8+12=34.8℃ と求められます。
【類題】平成24年度第1回試験・一般問2(b)
■問4:3
(a)誤:移流霧は、暖かい空気が移動して冷たい水面等に接して生じます。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問9(d)
(b)正:放射霧は夜間の放射冷却によって、気温が大きく低下し、空気中の水蒸気が凝結してできる霧です。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問9(b) 平成21年度第1回試験・一般問9(b)
(c)正:上昇霧(滑昇霧)は、山の斜面に沿って空気が上昇することで断熱膨張が起こり、空気が冷却され、水蒸気が凝結してできる霧です。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問9(c)
■問5:5
(a)誤:地球大気中で長波放射は主に二酸化炭素分子と水蒸気分子によって吸収されます。
【類題】令和5年度第1回試験・一般問5(c) 平成28年度第2回試験・一般問6(a)
(b)誤:地球の大気上端から外向きに射出される長波放射量は、地球が吸収する太陽放射量にほぼ等しいです。
大気上端に入射する太陽放射量の約30%が雲や地表面などによって反射されており、 これを除いた太陽放射量(大気上端に入射する太陽放射量の約70%)と大気上端から外向きに射出される長波放射量がほぼ等しいです。
【類題】令和5年度第1回試験・一般問5(d)
(c)誤:背の高い積乱雲の雲頂は海面に比べて低温ですので、雲頂からの面積あたりの放射量は海面からの面積あたりの放射量に比べて小さいです。
【類題】平成28年度第2回試験・一般問6(c)
■問6:2
相対渦度を求める式に各数値を代入すれば、計算で渦度値を求めることはできますが、大小関係を知るだけであれば計算は不要です。 短時間で解答する必要があることを考えますと、次のような視点に着目されることが望ましいです。
まず、Aに着目した場合、「東西方向における風の南北成分」の差が0です。さらに、「南北方向における風の東西成分」の差も0です。つまり、Aにおける相対渦度は0であることが分かります。
BとCについては、視覚的に反時計回りの流れであることが読み取れ、正渦度であると判断されますので、いずれもAよりも大きな渦度値です。
BとCは、北側と西側の地点での風ベクトルが同一であり、南側と東側の地点での風ベクトルだけが異なっています。
まず、「東西方向における風の南北成分」を比較するために、東側の地点での南北成分に着目した場合、Bが5m/sで、Cは1m/sです。 よって、「東西方向における風の南北成分」だけで考えますと、Bのほうが強い正渦度をもたらすことが分かります。
次に、「南北方向における風の東西成分」を比較するために、南側の地点での東西成分に着目した場合、Bは2m/sで、Cは1m/sです。 よって、「南北方向における風の東西成分」だけで考えても、Bのほうが強い正渦度をもたらすことが分かります。
両方の要素で、Bのほうが強い正渦度をもたらすのですから、C<Bなのであり、Aも加えると、「A<C<B」となります。
【類題】令和4年度第1回試験・一般問7 平成27年度第1回試験・一般問7
■問7:
問題文に「大気の密度はどこも同じで一定とする」とありますので、「直方体から出る空気の量」と「直方体に入る空気の量」は等しいのであり、 これに基づいて考えることによって、面Cにおける鉛直風速(鉛直速度)を求める問題です。
問題図で直方体が鉛直方向に3つ重なっており、まず最も下にある直方体(以下、直方体(下)と呼びます)における空気の出入りから考えます。
問題文に「南側と北側の面を通過する風はなく」とあり、地表面と接する面でも空気の出入りは無いのですから、
直方体(下)に入る空気:西から5m/s
直方体(下)から出る空気:東から4m/s+上から0.5m/s となっています。
ここで、出る空気と入る空気における風速の合計が一致しない(5m/sと4.5m/s)のは、「側面積の合計(西面+東面)」と「面A(上面)」の面積が異なるからです。
具体的には、面A(上面)の面積は、側面積の合計(西面+東面)の2倍であるため、 東西方向の風速差によって生じる1m/sの「入」と、面Aからの0.5m/sの「出」が、空気の量として一致していると考えると、辻褄が合います。
つまり、「鉛直風速(鉛直速度)の大きさは、水平風速(東西風速)差の半分になる」ということです。
次に、真ん中にある直方体(以下、直方体(中)と呼びます)における空気の出入りを考えます。
直方体(中)に入る空気:西から5m/s+下から0.5m/s
直方体(中)から出る空気:東から3m/s
東西方向における風速差は2m/sであり、先ほどの考え方に基づけば、2m/sの半分である1m/sが、直方体(中)の上面(面B)から上に向かう流れとなります。
さらに、直方体(中)の底面(面A)から上昇してくる流れが0.5m/sですので、両方を合わせれば、面Bでは1.5m/sの吹き出し(上昇流)が存在することが分かりました。
そして、いよいよ一番上にある直方体(以下、直方体(上)と呼びます)における空気の出入りを考えます。
直方体(上)に入る空気:西から4m/s+下から1.5m/s
直方体(上)から出る空気:東から5m/s
直方体(下)や直方体(中)において東西方向には収束が存在しましたが、直方体(上)では東西方向に発散が生じています。 西から4m/sの吹き込みがあり、東から5m/sの吹き出しがありますので、差し引き1m/sです。
先ほど求められたように、下面(面B)から1.5m/s入ってきているのですから、0.5m/sを差し引くと1.0m/sであり、 上面(面C)から1.0m/sの吹き出し(上昇流)が存在することになります。
問題文に「上向きを正」とありますので、「+1.0m/s」と求められます。
大変恐れ入りますが、上記の打ち消し線の部分の思考過程に誤りがございましたので、お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
直方体(上)の高さを「H」であると誤認しておりました。実際には「2H」ですので、直方体(上)における東西の側面積は、直方体(中)や直方体(下)の2倍となります。 このため、水平方向を出入りする空気も、風速が同一であれば、高さ「H」のときに比べると2倍になります。 高さが「H」のときは、水平流の速度を半分にしたものが鉛直方向の速度となりましたが、高さが「2H」になることで、水平流の速度と鉛直方向の速度が同一になります。 つまり、1m/sの風速差によって生じた水平発散は、1m/sの鉛直流に対応します。 下面(面B)から1.5m/s入ってきているのですから、1m/sを差し引くと0.5m/sであり、上面(面C)から0.5m/sの吹き出し(上昇流)が存在することになります。
問題文に「上向きを正」とありますので、「+0.5m/s」と求められます。
速報の内容に誤りがあり、大変失礼いたしました。
【補足】上記では、できるだけ数式を用いずにご説明申し上げましたが、数式を用いた方法についても以下に説明させていただきます。

直方体における東西方向の長さをx、南北方向の長さをyとします。
出入りする空気の量は、「面積×風速」で示されますので、直方体(下)における空気の出入りは、次のように表現できます。
・入ってくる空気:5yH
・出ていく空気:4yH+0.5xy
入ってくる空気と出ていく空気が等しいのですから、2つの式は=で結ぶことができます。
5yH=4yH+0.5xy
右辺の「4yH」を左辺に移項すると、
yH=0.5xy
両辺をyで割ると、
H=0.5x という関係が導き出されます。
次に、直方体(中)における空気の出入りを考えます。
・入ってくる空気:5yH+0.5xy
・出ていく空気:3yH
(面Bにおける空気の出入りはこの時点では不明ですので、記載していません。)
上式に、先ほど得られた「H=0.5x」を代入すると、
・入ってくる空気:2.5xy+0.5xy=3xy
・出ていく空気:1.5xy
直方体における空気の出入りは等しいのであり、それが成り立つことを考えれば、
・入ってくる空気:2.5xy+0.5xy=3xy
・出ていく空気:1.5xy(+1.5xy)=3xy
という形になるはずであり、面Bから1.5m/sの速さで出ていく空気の流れがあるということです。
つまり、直方体(中)の上面(面B)では、1.5m/sの上昇流があるということです。
そして、直方体(上)における空気の出入りを考えます。
東西における側面積はそれぞれ「y×2H」であり、これに風速を掛けることで、出入りする空気の量を表現できます。
・入ってくる空気:8yH+1.5xy
・出ていく空気:10yH
(面Cにおける空気の出入りはこの時点では不明ですので、記載していません。)
上式に、先ほどと同じように「H=0.5x」を代入すると、
・入ってくる空気:4xy+1.5xy=5.5xy
・出ていく空気:5xy
直方体における空気の出入りは等しいのであり、それが成り立つことを考えれば、
・入ってくる空気:4xy+1.5xy=5.5xy
・出ていく空気:5xy(+0.5xy)=5.5xy
という形になるはずであり、面Cから0.5m/sの速さで出ていく空気の流れがあるということです。
つまり、直方体(上)の上面(面C)では、0.5m/sの上昇流があると求められます。
【類題】令和4年度第1回試験・一般問7 令和3年度第2回試験・一般問7 平成27年度第2回試験・一般問7 平成25年度第2回試験・一般問7
■問8:5
(a)誤:亜熱帯ジェット気流の軸は200hPa付近に現れます。
【類題】平成27年度第1回試験・一般問8(b)
(b)誤:12月~2月の北半球の亜熱帯ジェット気流は、6月~8月の亜熱帯ジェット気流よりも低緯度に現れます。
【類題】平成27年度第1回試験・一般問8(c)
(c)誤:寒帯前線ジェット気流は、亜熱帯ジェット気流よりも短期的な移動が大きいため、問題文にある「3か月平均の東西風の緯度高度分布」においては、亜熱帯ジェット気流よりも不明瞭です。
【類題】平成29年度第2回試験・一般問8(c) 平成25年度第1回試験・専門問9(d)
(d)正:「貿易風」と呼ばれる風ですね。
■問9:2
(a)正:台風のエネルギー源は、暖かい海面から供給される水蒸気が凝結するときに放出される潜熱(凝結熱)であり、暖かい海面上でしか台風が発生・発達しないのは、このためです。
【類題】令和3年度第2回試験・専門問10(a) 平成24年度第1回試験・一般問10(d)
(b)正:台風中心へ向かう動径方向の風の成分は、地表面摩擦の影響を受ける大気境界層の中で最大となります。
【類題】令和5年度第1回試験・専門問10(a) 令和元年度第2回試験・専門問11(a) 平成29年度第1回試験・専門問11(c)
(c)誤:傾度風と見なせる場合、気圧傾度が同じであれば、低気圧性の風は遠心力が加わるぶんだけ、地衡風よりも弱くなります。
このようになる理由を、地衡風と傾度風の式に基づいて、敢えて簡単な数値を当てはめて考えてみます。
・地衡風の場合:コリオリ力=気圧傾度力
・低気圧性の傾度風の場合:コリオリ力=気圧傾度力-遠心力
上記の式において、気圧傾度力がいずれも10、遠心力が1とすれば、地衡風のコリオリ力は「10」、低気圧性の傾度風のコリオリ力は「9」となります。 コリオリ力は「コリオリパラメータ×風速」で示されますので、(同一地点を考えているのであれば)風速の大小はコリオリ力に比例します。
【類題】令和元年度第1回試験・一般問6(b) 平成28年度第1回試験・一般問8(b) 平成26年度第2回試験・一般問7(c)
■問10:1
A:高度が増すにつれて、東風が強まっています。
B:高度が増すにつれて、西風が強まっています。
C:高度が増すにつれて、西風が強まっています。
【類題】令和3年度第2回試験・一般問2(b)(c) 令和3年度第1回試験・一般問7 平成24年度第2回試験・一般問10
■問11:3
(a)正:エルニーニョ現象時には、対流活動が活発な領域が平年よりも東にずれるため、インドネシアやオーストラリア北部などの西部太平洋熱帯域での降水量が平年よりも少なくなる傾向があります。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問11(c) 令和3年度第1回試験・一般問11(b) 令和元年度第1回試験・一般問11(d)
(b)誤:エルニーニョ現象時には、ダーウィンでの海面気圧は通常よりも高く、タヒチでの海面気圧は通常よりも低くなる傾向があります。こうした関係を「南方振動」といいます。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問11(d) 平成29年度第2回試験・一般問11(b) 平成27年度第1回試験・一般問11(a)
(c)誤:エルニーニョ現象時には前述のような気圧変動が生じるのであり、結果として東西方向の気圧差は平年よりも小さくなります。 このため、ウォーカー循環に伴う東風は通常よりも弱くなります。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問11(b) 令和元年度第1回試験・一般問11(c) 平成27年度第1回試験・一般問11(b)
■問12:3
(a)誤:予報業務の目的や範囲を変更しようとするときには、気象庁長官の認可が必要です。気象業務法第19条第1項の内容です。
【類題】令和3年度第2回試験・一般問12(b) 平成30年度第1回試験・一般問12(a) 平成28年度第2回試験・一般問12(a)
(b)正:気象業務法第22条の内容です。
【類題】令和3年度第2回試験・一般問12(d) 平成30年度第1回試験・一般問12(b)
(c)誤:予報業務を行う事業所の名称を変更しようとするときは、届け出ではなく、気象庁長官への報告書の提出が必要です。気象業務法施行規則第50条第1項第4号の内容です。
【類題】平成30年度第1回試験・一般問12(c)
■問13:5
(a)誤:法令に定めの無い内容です。
【類題】令和6年度第1回試験・一般問13(c) 令和4年度第2回試験・一般問13(b) 令和元年度第2回試験・一般問13(b)
(b)誤:現象の予想を毎日12時間行う予報業務許可事業者は、当該業務を行う事業所ごとに3名以上の専任の気象予報士を置く必要があります。 気象業務法施行規則第11の2第1項の内容です。
【類題】令和5年度第1回試験・一般問13(a) 令和2年度第1回試験・一般問13(a) 平成30年度第1回試験・一般問13
(c)誤:複数の専任の気象予報士の設置が規定されている事業所において規定された人数から1名が欠員となった場合に、 1日あたりの現象の予想を行う時間を変更せずに予報業務を継続するためには、2週間以内に欠員を補充する必要があります。 気象業務法施行規則第11の2第2項の内容です。
【類題】令和5年度第1回試験・一般問13(c) 令和2年度第1回試験・一般問13(c) 平成30年度第1回試験・一般問13
■問14:4
(a)誤:「通知しなければならない」→「通知するように努めなければならない」です。気象業務法第15条第2項の内容です。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問14(c) 平成21年度第2回試験・一般問13(a)
(b)正:気象業務法第20条の内容です。
【類題】令和元年度第1回試験・一般問15① 平成30年度第2回試験・一般問13(b) 平成21年度第2回試験・一般問13(d)
(c)誤:「することができる」→「しなければならない」です。気象業務法第14条第1項の内容です。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問14(b) 令和元年度第2回試験・一般問14(d)
(d)誤:「周知させなければならない」→「周知させるように努めなければならない」です。気象業務法第15条第4項の内容です。
【類題】令和元年度第1回試験・一般問15③ 平成27年度第2回試験・一般問14(b)
■問15:4
(a)正:災害対策基本法第5条第1項の内容です。
【類題】令和5年度第2回試験・一般問15(a) 令和3年度第2回試験・一般問15(c) 令和2年度第1回試験・一般問15(a)(b)
(b)正:災害対策基本法第42条の2第1項の内容です。
(c)正:災害対策基本法第23条第1項の内容です。
【類題】令和4年度第2回試験・一般問15(b) 令和3年度第2回試験・一般問15(b) 平成29年度第1回試験・一般問15(a)
(d)誤:「5年ごとに」→「毎年」です。災害対策基本法第34条第1項の内容です。
【類題】令和3年度第2回試験・一般問15(a)
■専門知識試験(1月27日17時発表)
速報 | |
---|---|
問1 | 3 |
問2 | 3 |
問3 | 1 |
問4 | 3 |
問5 | 2 |
問6 | 2 |
問7 | 5 |
問8 | 4 |
問9 | 1 |
問10 | 2 |
問11 | 3 |
問12 | 4 |
問13 | 5 |
問14 | 4 |
問15 | 5 |
■問1:3
(a)正:気象庁ホームページに同じ内容の記載がありますので「正」と判断されますが、 気象庁『気象観測の手引き』には、「もや」について次のように記載があり、「10km未満」とは書かれていないです。
《ごく小さい水滴又は湿った吸湿性の粒子が大気中に浮遊している現象。水平視程は1km以上の場合をいう。》(P,63)
また、気象庁『地上気象観測指針』においても同様の記述となっています。
《ごく小さい水滴または湿った吸湿性の粒子が大気中に浮遊している現象。水平視程は1km以上の場合をいう。》(P,104)
【類題】令和3年度第1回試験・専門問9(a) 平成25年度第1回試験・専門問1(d)
(b)誤:地ふぶきは降雪の無いときに積雪が地上高く吹き上げられる現象を指します。 問題文の内容は「ふぶき」を指しています。
【類題】平成28年度第2回試験・専門問1(a)
(c)誤:凍雨の場合、着地前の時点ですでに凍結しています。 問題文の内容は「着氷性の雨」を指しており、着地したときに生じる氷を雨氷といいます。
(d)誤:霜は空気中の水蒸気が昇華(固化昇華)し、地面や地物に付着した氷の結晶を指します。 問題文の内容は「霜柱」を指しています。
■問2:3
(a)正:仮に、地上(高度0m・気圧1000hPa)から放球されたGPSゾンデが、高度100mまで達したとします。 GPSゾンデ観測でされた気温・湿度とGPSの高度情報から、気体の状態方程式と静力学平衡の式を用いることで、地上~高度100mにおける気層の重量(=地上と高度100mでの気圧差)が得られます。 もし、得られた気圧差が12hPaだとすれば、地上気圧から12hPaを差し引くことによって、高度100mでの気圧が988hPaであると算出されます。
(b)誤:ゾンデには風向・風速センサは取り付けられておらず、ゾンデが上空の風によって流された方角・距離から、風速や風向が求められています。
【類題】令和5年度第1回試験・専門問3(b) 平成22年度第2回試験・専門問2(b)
(c)正:上空の大気が湿っているときのほうが、より高い高度まで観測が可能です。
【類題】令和5年度第2回試験・専門問2(c) 令和2年度第2回試験・専門問2(d) 令和元年度第2回試験・専門問3(c)
(d)誤:ウィンドプロファイラは、上空の風を高度300mごとに、10分間隔で観測しています。
■問3:1
(a)正:【類題】令和6年度第1回試験・専門問3(b) 令和3年度第2回試験・専門問3(d) 平成26年度第1回試験・専門問1(b)
(b)正:【類題】令和4年度第1回試験・専門問2(b)
(c)正:【類題】令和4年度第1回試験・専門問2(c)
■問4:3
(a)正:数値予報モデルで表現可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔の5倍~8倍程度とされます。 つまり、水平格子間隔が小さくなるほど、表現可能な現象の水平スケールは小さくなります。
(b)誤:「プリミティブ方程式系」ではなく、鉛直方向にも運動方程式を立てた非静力学方程式系(非静力学モデル)を用いる必要があります。
【類題】令和4年度第1回試験・専門問4(b) 平成28年度第2回試験・専門問4(c) 平成26年度第2回試験・専門問5(b)
(c)誤:組織化された積乱雲からもたらされる強い降水の予測精度を向上させるためには、「積雲対流パラメタリゼーション」が最も重要です。
【類題】平成26年度第2回試験・専門問5(c)
■問5:2
(a)正:観測データには人為的ミスや観測器の故障などにより、誤ったデータが含まれる可能性があります。誤ったデータを客観解析に使用すると、予測に悪影響を及ぼしますので、排除する必要があります。 一定期間において、観測値を監視した結果、品質が悪いと判断されたデータについては、客観解析に使用しないことになっています。
(b)正:観測値が第一推定値と大きくかけ離れていたときは、その観測値は異常なデータだと判断され、客観解析に使用しないことになっています。
【類題】令和2年度第1回試験・専門問4(c) 平成29年度第1回試験・専門問5(b)
(c)誤:精度が高いとされる観測値であっても、観測値そのものが観測地点の直近の格子点における解析値になるとは限らないです。解析値は第一推定値と観測値との関係で決まるからです。
【類題】令和2年度第1回試験・専門問4(a) 平成29年度第1回試験・専門問5(c) 平成27年度第2回試験・専門問5(a)
■問6:2
(a)正:アンサンブル平均を行うことで、各メンバーの予測値が平滑化されてしまうので、強雨の分布や最大降水量を捉えるには適していないです。
【類題】令和5年度第2回試験・専門問5(a)
(b)正:単独のメソモデルの場合、予測値は1つしか得られませんが、メソアンサンブル予報であればメンバーの数だけ予測値が得られます。 これは予測の誤差の広がりを把握できるということであり、集中豪雨のような顕著な現象が起こる可能性をメソモデルだけの予測よりも捉えやすくなります。
【類題】令和5年度第2回試験・専門問5(c) 令和2年度第2回試験・専門問5(c)
(c)誤:アンサンブル平均を行うことによって、誤差が打ち消されるため、単独のメソモデルから作成した風ガイダンスよりも予測精度が高いです。
【類題】令和5年度第2回試験・専門問6(c)
■問7:5
(a)正:【類題】令和4年度第2回試験・専門問7(a)(d)
(b)正
(c)正:【類題】令和4年度第2回試験・専門問7(c)
(d)正
■問8:4
(a)正:赤外画像で明るく、可視画像では暗く写っているので上層雲です。 波状の雲列が読み取れることから、「トランスバースライン」であると判断され、この付近では乱気流が発生する恐れがあります。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問8(a) 平成28年度第2回試験・専門問7(d)
(b)正:可視画像・赤外画像ともに明るく写っており、発達した積乱雲を含む雲域であると判断されます。西側に向かって、「にんじん」「毛筆」のように細くなっている雲域が特徴です。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問8(b)
(c)正:海面水温の違いによって放射量が異なるため、結果として赤外画像での輝度に違いが生じることになります。
(d)誤:領域Dの雲は山岳波に伴って生じたものですが、山岳波が発生するときは鉛直安定度が良いです。
■問9:1
(a)正:太平洋高気圧の縁に沿う空気の流れとチベット高原の南縁を沿う空気の流れにより、水蒸気が大量に輸送され、梅雨前線の南側には暖湿な空気が存在しています。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問10(a)
(b)正:相当温位は温度と湿度の両方を兼ね備えた物量です。梅雨前線付近では水蒸気量の傾度が大きいため、温度傾度が小さくても、相当温位傾度は大きくなっています。 天気図上において、梅雨前線は相当温位傾度の大きな場所の南縁(等相当温位線集中帯の南縁)に位置しています。
(c)正:梅雨前線付近で集中豪雨が発生しているときには、梅雨前線の南側における大気下層で下層ジェット(下層ジェット気流)と呼ばれる強い風が観測されることがあります。
【類題】令和2年度第1回試験・専門問12(b) 令和元年度第1回試験・専門問8(d) 平成28年度第1回試験・専門問11(b)
(d)誤:梅雨前線上の小低気圧は、500hPa面では明瞭な低気圧として見られないことが多いです。 これは小低気圧が暖気核構造を持つためで、台風が高度とともに天気図上で不明瞭になることと同じ理由です。
【類題】令和3年度第2回試験・専門問4(d) 平成29年度第2回試験・専門問9(b)
■問10:2
(a)正:一般知識試験問9(b)でも問われましたように、大気境界層では地表面摩擦の影響を受け、台風の中心部へ向かう流れが生じます。 これにより、台風中心付近では水平収束が起こるため、収束に伴う上昇流が生じ、その結果として積乱雲が発達しています。
(b)正:海面水温が高いほど、海面からの蒸発が多く、結果としてより多くの水蒸気が空気中で凝結するため、台風の発達に好都合です。 ただ、暖水層が薄いと、台風に伴う強い風によって海面付近の海水がかき混ぜられることや湧昇によって海面水温は低下し、これは台風の発達が抑制される要因になります。
【類題】令和3年度第1回試験・専門問11(c)
(c)誤:中緯度帯での海面水温が高ければ、十分な熱と水蒸気が台風に供給されるため、台風は発達することになります。 ただ、傾圧性が大きい(=水平温度傾度が大きい)場所に進入することで、暖気のみで構成されていた台風は、やがて暖気と寒気で構成されるようになり、温帯低気圧への構造変化が進むようになります。 結果として、台風の周辺部から前線が形成され、雲域や降水域の分布に偏りが生じ、軸対称の構造を失っていくことになります。
■問11:3
(a)正:ダウンバーストは積乱雲の中で生じた強い下降流が地表に達して、水平方向に突風として広がる現象です。 発散性の突風が生じ、その被害域は円形や楕円形といった面的な広がりとして見られることが特徴です。
【類題】平成27年度第2回試験・専門問9(c) 平成24年度第2回試験・専門10(d) 平成22年度第1回試験・専門問13(c)
(b)誤:「数十mから数百m程度」→「数百mから10km程度」です。
【類題】令和元年度第1回試験・専門問9(b) 平成27年度第2回試験・専門問9(b)
(c)誤:積乱雲の雲底の下の大気が乾燥しているほど、降水粒子が蒸発しやすいため、空気が強く冷却されて密度が大きくなり、下向きの力が強くなるため、ダウンバーストが発生しやすくなります。
【類題】令和3年度第2回試験・一般問10(c) 令和元年度第1回試験・専門問9(c) 平成24年度第1回試験・一般問9(c)
(d)正:日本版改良藤田スケール(JEFスケール)は2016年より突風調査に使用されています。風速を6つの階級(0~5)に区分し、数値が大きいほど風速も大きいことを示します。
【類題】令和2年度第2回試験・専門問11(d)
■問12:4
A・B・C:トラフやリッジの位置から、時間的順序はB→A→Cであると判断されます。
ア・イ・ウ:等相当温位線の集中帯が北に凸になった部分の位置から、時間的順序はウ→イ→アであると判断されます。
等相当温位線集中帯の暖気側の縁に前線が位置するのであり、Iでは日本海西部にある低気圧から東方に温暖前線がのび、南南西に寒冷前線がのびていると推定されます。 ア・イ・ウの中でIと最も対応が良いのはアです。
前述の時間的順序から、アとCが同時刻と判断されます。なお、地上低気圧の西側に500hPaトラフが位置することが多いことからも、 Iで見られる日本海西部の地上低気圧よりも西側にCの500hPaトラフが見られることは辻褄が合っています。
【類題】平成28年度第2回試験・専門問11
■問13:5
(a)0.80:予報発表回数は30回で、適中した合計回数は24回(予報・実況ともに「雷あり」:2回 予報・実況ともに「雷なし」:22回)ですので、24÷30=0.80 となります。
【類題】令和4年度第2回試験・専門問14(a) 令和3年度第2回試験・専門問13(b) 平成30年度第1回試験・専門問12(a)
(b)スレットスコア:選択肢におけるそれぞれのスコアは次のとおりであり、スレットスコアが問題文の値と一致します。
・空振り率:4÷30≒0.13
・バイアススコア:(2+4)÷(2+2)=1.5
・スレットスコア:2÷(2+4+2)=0.25
【類題】令和4年度第2回試験・専門問14(b) 令和3年度第2回試験・専門問13(c) 平成28年度第2回試験・専門問13(b)
(c)発生頻度が低い:適中率よりもスレットスコアのほうが適しているのは、「予報・実況ともに無し」が多い現象です。(例:冬型の気圧配置時における関東地方での降水の有無に関する予報)
【類題】平成28年度第1回試験・専門問14(c) 平成24年度第2回試験・専門問14(e)
■問14:4
(a)誤:「1格子以上」→「概ね10格子以上」です。
(b)正:「顕著な大雨に関する気象情報」は、大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中で、線状降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている状況(警戒レベル4相当以上)で発表されます。
(c)誤:記録的短時間大雨情報は、その地域で数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨が観測または解析されたときに発表されます。
【類題】令和4年度第1回試験・専門問13(a)
■問15:5
(a)誤:北極域で500hPa面高度が高く、中緯度域で500hPa面高度が低いということは、北極域の強い寒気が中緯度域に流出(南下)していることを意味しています。 よって、中緯度域での寒気の流れ込みは強く、日本は寒冬になりやすいと判断されます。
【類題】平成23年度第2回試験・専門問15(a)
(b)誤:アリューシャン近海付近で平年より気圧が高く、シベリア付近で平均より気圧が低いときは、日本付近での水平気圧傾度が平年よりも小さいことを意味します。 気圧傾度が小さいので、寒気(季節風)の流れ込みは弱く、日本は暖冬になりやすいと判断されます。
【類題】令和元年度第1回試験・専門問15 平成27年度第1回試験・専門問15(b)
(c)誤:夏季にフィリピン付近で積雲対流活動が活発なときには、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが強くなり、北日本から西日本は猛暑になりやすいです。 PJパターン(太平洋-日本パターン)と呼ばれるものですね。
【類題】令和4年度第2回試験・専門問15 令和4年度第1回試験・専門問15(c) 平成29年度第1回試験・専門問15
(d)正:夏季に500hPa面で沿海州やオホーツク海にブロッキング高気圧が形成されると、これに伴って地上ではオホーツク海高気圧が現れやすくなります。 オホーツク海高気圧に伴う冷涼な空気が、北日本の太平洋側に流れ込みやすくなるため、この影響を受ける地域では冷夏になりやすいです。
【類題】平成27年度第2回試験・専門問15 平成25年度第1回試験・専門問15(d) 平成23年度第2回試験・専門問15(d)