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藤田真司の気象予報士塾は、気象予報士試験の合格を目指す方のための通信型の塾(予備校)です。

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学科試験の解答速報CONTACT US

藤田真司の気象予報士塾では、2016年8月28日実施の平成28年度第1回(通算第46回)気象予報士試験において、学科試験(一般・専門)の解答速報を制作しました。解答速報のご利用に関しては、次の点をご確認いただけますよう、お願いいたします。
・正確な解答例をできるだけ短時間で発表するよう努めましたが、あくまでも速報であることをご了承下さい。
 最終的な自己採点は、一般財団法人気象業務支援センター発表の解答例にて、ご確認をお願いいたします。
・恐れ入りますが、当塾の現・元受講生の皆様以外の方からの、解答速報の内容についてのお問い合わせには、
 一切応じられませんので、予めご了承のほど、お願いいたします。
 
一般知識試験
(2016年8月29日午前3時50分発表)
専門知識試験
(2016年8月29日午前3時50分発表)
(2016年9月1日午後5時15分訂正)
(2016年9月20日再訂正)
問1 5 5
問2 5 24補足説明
問3 1 5
問4 4 4
問5 2 2
問6 4 4
問7 3 13
問8 1または3 2
問9 3 3
問10 5 1
問11 5 5
問12 2 2
問13 4 3
問14 1 1
問15 1 4


■一般知識試験

問1
(a)成層圏におけるオゾン数密度が最も大きいのは、高度20km〜25km付近です。
(b)電離層には複数の種類があり、最も下層に存在するD層は夜間になるとほとんど消失します。しかし、その上の高度約100km以上に存在するE層やF層は夜間も消失しません。
(c)熱圏における気温は太陽活動によって大きく異なります。太陽活動が盛んな年は約2000Kにも達しますが、太陽活動が弱い年は約500Kしかありません。
(小倉義光『一般気象学 第2版』東京大学出版会 1999年 P,35)

問2
(a)乾燥断熱減率の値は、100mにつき約1.0℃です。
(b)飽和した空気塊が上昇するとき、凝結に伴う潜熱が放出されるため、空気塊の温位は保存されません。
(c)相当温位は、空気塊の中での相変化を織り込んだ物理量ですので、凝結した水分が空気塊から離れても、空気塊の相当温位は一定です。
(d)空気塊が未飽和である限り、上昇に伴う温度低下率は乾燥断熱減率です。

問3
(a)空気塊に加えられた熱量ΔQは、空気塊の内部エネルギーの増加量Δuと空気塊が行う仕事(具体的には体積増加)ΔWに使用されますので、「ΔQ=Δu+ΔW」と表現できます。右辺のΔWを左辺に移項したうえで、左辺と右辺をひっくり返せば、「Δu=ΔQ−ΔW」となります。
(b)定圧比熱とは「空気塊が外部に仕事を行うときの比熱」であり、定積比熱とは「空気塊が外部に仕事を行わないときの比熱」です。もし空気塊が外部に仕事をしない場合はΔW=0となるので、 「Δu=ΔQ−ΔW」の式は 「Δu=ΔQ」となります。このときに空気塊に加えたエネルギーΔQは、空気塊の内部エネルギーの増加量Δuだけに使われることを意味しますので、Δuに含まれる比熱は定積比熱であると考えるのが適切です。

問4
(a)ほとんどの微細な水滴は純水ではなく、凝結核を含んでいます。
(b)吸湿性のエーロゾルは水の蒸発を妨げるため、水滴の成長に都合が良いのです。
(c)水滴の半径が大きいほど、凝結による半径の増加率が小さくなります。凝結による水滴の成長は、水滴の表面積に比例しますが、表面積は半径の2乗に比例するのに対し、水滴の体積は半径の3乗に比例するからです。
(d)水滴が大きく成長するほど、併合成長による半径の増加率は大きくなります。水滴が大きくなるほど、その断面積が増し、水滴の落下速度も増すため、より多くの小水滴を取り込めるようになるからです。

問5
最初に出てきた「大気の層の放射収支の式」から、下図のような状況を捉えることができれば、(a)に「1」が入ることが求められます。

この時点で、選択肢は2だけに絞られますので、(b)を考える必要は無いのですが、念のため、解法をご説明いたします。「大気の層の放射収支の式」 と「地表面の放射収支の式」の両方に、「σ×Taの4乗」が含まれていることに着目します。 「大気の層の放射収支の式」の両辺を2で割ると、「 σ×Taの4乗=0.05Is+σ×Tgの4乗/2」となり、右辺を 「地表面の放射収支の式」における 「σ×Taの4乗」に代入すれば、「σ×Tgの4乗=1.9Is」が得られ、「1.9」が正しいことが求められます。

問6
高度Z1とZ0の間の平均的な気温が「西で低温、東で高温」であるならば、高度Z1と高度Z0の間における温度風ベクトルは、南から北へ向かっていると判断されます。(温度風ベクトルの先端に向かって、右側が高温域となるためです。)そして、 高度Z0における地衡風が西風なのですから、高度Z1における地衡風は概ね南西風であると求められます。(ただし、正確な風向は不明です。)この風向から、北西側(領域U)で相対的に低圧であり、南東側(領域W)で相対的に高圧であると求められます。また、下図の作図内容からも、高度Z0での西風よりも、高度Z1での南西風のほうが矢印が長く、風速の絶対値が大きいことが分かります。


問7
南半球での低気圧は、時計回りの循環を持ちます。
地表付近の風は、等圧線に対して平行に吹くのではなく、高圧側から低圧側に等圧線を少し横切る形で吹きます。

問8
(a)問題文における「鉛直加速度」という表現に悩みました。「重力(重力加速度)」のことだと解釈すれば、これが「鉛直方向の気圧傾度力」と釣り合うという表現は正しいことになります。
ただ、鉛直方向の運動方程式における「鉛直加速度」とは、「g」ではなく、「dw/dt」のことを指すと解釈するのが自然であり、これが鉛直方向の気圧傾度力と釣り合うという表現は正しくないことになります。
静力学平衡とは、鉛直方向における気圧傾度力と重力が釣り合い、鉛直加速度が存在しない状態、つまり「dw/dt」=0の状態を指します。
(c)中層大気においても気温の水平傾度が存在しますので、地衡風が高度とともに異なっています。

問9
(a)地表に近い気層では、摩擦の影響で風速が小さくなります。また、高度が増すほど、気圧傾度力が弱いため、風速が小さくなります。両者を合わせて考えると、大気境界層の上端付近で風速が最大になります。
(b)対流圏の上層でも、台風に伴う暖気核が見られます。
(c)問題文のような記述内容は目にしたことが無いです。

問10
(a)(b)冬季における北半球での中層大気の天気図を見ると、等高度線が大きく波打っています。これは対流圏から伝播してきたプラネタリー波によるものです。また、成層圏での突然昇温も、対流圏からのプラネタリー波の伝播によるものです。
(c)下部成層圏の気温は、赤道付近で最も低く、極域で最も高くなっています。

問11
(a)温室効果ガスの濃度が増加するのに伴い、地表面からの赤外放射の吸収量が増えます。
(b)水田での有機物の発酵や、動物の腸内発酵は、メタンの発生の一因です。このため、家畜の頭数の増加は、メタンの放出量の増加に寄与しています。
(c)海洋が吸収するのは、人為起源の二酸化炭素放出量の約28%です。
(小倉義光『一般気象学 第2版』東京大学出版会 1999年 P,279)

問12
(a)気象業務法施行規則第12条の2第1項の内容です。
(b)気象業務法施行規則第12条の2第3項の内容です。
(c)法令で定められていない内容です。
(d)気象業務法施行規則第12条の2の内容です。

問13
(a)法令で定められていない内容です。
(b)現象の予想について気象予報士に行わせなければならないことが、気象業務法第19条の3で定められていますが、発表については定めが無いです。
(c)気象業務法第24条の24と気象業務法施行規則第34条第1項の内容です。
(d)気象業務法第24条の25第1項第2号と気象業務法第24条の21第1号の内容です。

問14
気象業務法第1条の内容です。

問15
(a)消防法第22条第3項の内容です。
(b)国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあると認めて指定した河川、湖沼又は海岸については、国土交通大臣が水防警報を行わねばならないことが、水防法第16条第1項で定められています。
(c)災害対策基本法第60条第6項の内容です。



■専門知識試験
問1
(a)瞬間風速は、風速計の測定値を3秒間平均した値です。
(b)平均風速が0.2m/s以下を「静穏」といいます。
(c)風向を36方位で表す場合、北の風は「36」とします。

問2
(c)ドップラーレーダーにおいて、ドップラー速度は降水粒子を観測することによって得ています。よって、ドップラー速度を観測できるのであれば、降水粒子も観測できますし、ドップラー速度を観測できないのであれば、降水粒子も観測できないのであり、両者の観測可能範囲は同じであると判断されます。
上記のように記述しましたが、私の知識不足でした。
内容に誤りがあり、大変失礼いたしました。以下にご説明申し上げます。
気象庁の気象ドップラーレーダーの場合、降水強度については最大400kmまで探知できますが、ドップラー速度については最大250kmまでしか探知できません。ドップラー速度は周波数偏移を捉えることで得られるものですが、それを適切に行うためには、1秒間に発射するパルス数を増やす必要があります。ただ、パルス数を増やすと、探知範囲が狭くなってしまうためです。
このため、気象庁の気象ドップラーレーダーでは、1秒間に発射するパルス数を変えながら測定することで、降水強度・ドップラー速度の両方を観測しています。

(a)「周囲の風に流されている降水粒子の3次元速度ベクトルの各成分」が誤りであると判断します。
ドップラーレーダーが測定するのはドップラー速度であり、「レーダーに近づくか/レーダーから遠ざかるか」というデータだからです。レーダービームに直交する方向への流れを測定できないので、降水粒子の3次元的な運動を観測しているわけではないです。

【参考文献】
気象庁ホームページ「気象ドップラーレーダーによる観測」
・気象研究ノート第200号「ドップラー気象レーダー」(編集:石原正仁) 2001年 日本気象学会
・梶原佑介・大野洋「気象ドップラーレーダーから算出されるVAD風の品質管理手法の開発及びデータ特性の調査」 測候時報第82巻(2015年度)


問3
(a)ラジオゾンデには風向風速計が搭載されていません。
(c)ラジオゾンデにおける高度は、観測された気圧・気温・湿度から、気体の状態方程式や静力学平衡の式を用いて、計算で求めています。また、GPSゾンデの中には、GPSを利用して高度を求められるものもあります。

問4
(a)数値予報モデルが改善されても、2か月後における1日ごとの天気予報は不可能です。
(c)アンサンブル予報は、多数の異なる初期値を用いて行います。
(d)アンサンブル予報のバラツキの大きさと、気象要素の日々の変動の大きさには、関係が無いと判断されます。

問5
Aは放射過程、Cは乱流過程です。

問6
(a)捕捉率を高めると、同時に空振り率も高まってしまいます。(25-1-専7でも出ました。)
(c)数値予報モデルによる前線の位置の予測そのものが誤っていた場合、ガイダンスで誤差を低減することは困難です。

問7
Aは山岳波、Bはトランスバースライン、Cはカルマン渦、Dは雲が高い山に阻まれている状況を指していると読み取れます。このうち、雲の発生そのものが山岳によると判断されるのは、AとCです。
と述べておりましたが、Dに対する解釈を訂正いたします。
Dの雲域が「山に阻まれている雲」と見なした場合、雲頂高度は高くても2000m程度となりますが、赤外画像で明るく写っていることと辻褄が合いません。そこで、この雲域を「地形性巻雲」であると解釈すれば、赤外画像での輝度の高さも説明が付きます。地形性巻雲は、風が山を越える際に生じた波動が対流圏上層まで伝わることで発生する雲ですから、問題文における「発生要因が山岳による」という条件を満たしています。つまり、「A,C,D」が該当するので、選択肢3が正しいことになります。当初の解釈に誤りがあり、失礼いたしました。
なお、当塾の専門知識コースの教材をお持ちの方は、P,31(改訂新版)・No.33(第17期)にて地形性巻雲をご紹介しております。

問8
(b)シベリア高気圧は、対流圏下層のみに冷たい空気を持ち、対流圏中層や上層では暖かい空気を持ちます。

問9
(a)台風の大きさは、強風域(風速15m/s以上)の半径によって分類されています。
(d)台風が温帯低気圧に変わっても、暴風を伴って災害を及ぼす恐れがある場合は、台風情報として発表を継続することになっています。

問10
(c)台風による強い風によって、海水がかき混ぜられ、海面の下にある冷たい海水が昇ってくるため、台風の通過後は海面水温が低下することが多いです。

問11
(a)「クラウドクラスター」は積乱雲群のことであり、九州の西海上に団塊状の雲域が確認できます。「テーパリングクラウド」は、にんじんのような形をした雲域です。
(b)亜熱帯ジェットは対流圏上層の200hPa付近に出現し、高度1500m付近には見られないです。
(c)900hPa〜700hPaにおいて、高度が増すとともに相当温位が低くなっていますので、対流不安定であると判断されます。

問12
192時間後のほうが、168時間後よりもスプレッドが小さくなっていますが、両者には降水量予想頻度に違いがあります。九州地方における降水量予想頻度は、168時間後では10%以下ですが、192時間後では10%〜30%です。降水について「有り」または「無し」のいずれかで予報を行う場合、 降水量予想頻度(≒降水確率)が0%や100%に近いほど当たりやすく、50%に近いほど外れやすくなります。192時間後の予測は、168時間後に比べて、降水量予想頻度が大きくなっており、この点だけを考えると、降水の有無の予報の精度は低くなることを意味します。よって、スプレッドが小さくなることだけで、192時間後の予報のほうが精度が高いとは言えないと判断します。

問13
(a)実況補外予測では、これまでの降水域の移動状況も、降水域の移動予測に反映させています。

問15
(a)異常天候早期警戒情報は、「情報発表日の5日後から14日後まで」を対象としています。





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